誰でも借りれる奨学金や今からすぐに借りれる即日奨学金はある?JASSOの奨学金
奨学金と言えば日本学生支援機構(JASSO)の奨学金ですが、誰でも借りられるわけではありません。
申込基準を満たしている人が、JASSOの審査を通過して初めてお金が借りられます。進学前に奨学金の審査に落ちた人でも、在学後に再申込できます。
返さなくていい給付型の奨学金もありますが、申込基準が厳しいので、多くの人が利子を支払う貸与型の奨学金を利用しています。
奨学金は申込時期が決まっているので、受験後すぐに借りられる奨学金はありません。
奨学金は、一般的に高校3年生の5月~6月に申し込みます。受験後に奨学金を借りたい場合は、入学後の春に大学等を通じて申し込むことになります。
どうしても今すぐにお金が必要な人は、審査が早い消費者金融を使うしかありません。
入学金の支払いでお金が足りないときは、教育ローンを検討しましょう。銀行の教育ローンは、国の教育ローンよりも審査が早いですが金利が高くなります。
奨学金の申込時期
日本学生支援機構の奨学金の申込時期は以下のとおりです。
奨学金 | 貸与型 | 給付型 |
---|---|---|
予約採用 | 5月~6月 | |
在学採用 | 春 | 春・秋 |
進学前に奨学金の申込を行うものを「予約採用」と言います。
進学後に奨学金の申込を行うものを「在学採用」と言います。
申込時期は限られているので、予約採用は高校などに相談、在学採用は大学などに相談してください。
進学前(予約採用)
予約採用は、5月~7月に高校等を通じて申し込みます。
5月~7月に申し込んで10月頃に採用候補者決定通知が届きます。
大学等に進学した後は、学校に採用候補者決定通知を提出し、機構にスカラネットから進学届を提出します。
進学後(在学採用)
進学後の奨学金の申込は大学等を通じて行います。進学前の予約採用で不採用になった学生も申し込むことができます。
貸与奨学金は毎年春に、給付奨学金は毎年春と秋に奨学生を募集しています。
学校を通じて選考結果の通知を受ける
奨学金は年に1回または2回しか申し込むタイミングがありません。お金が足りなくなる前に学校側に相談してください。
日本学生支援機構の奨学金
奨学金制度は、企業、団体、大学が行っていますが、最も有名なのが、日本学生支援機構(JASSO)の奨学金です。一般的に奨学金と言った場合はJASSOの奨学金を指します。
日本学生支援機構とは、学生に対する貸与奨学金事業や留学支援などを行っている独立行政法人です。
日本学生支援機構の奨学金は給付奨学金(きゅうふしょうがくきん)と貸与奨学金(たいよしょうがくきん)
2014年度から給付型の国の奨学金制度が始まっていますが、申込み条件が厳しいので貸与奨学金を利用している人は多いです。
貸与型には無利子と有利子があり、有利子の奨学金の金利は、令和3年度で年0.01~0.4%ほどとなっています。利率固定方式、利率見直し方式などがあり、貸与利率は利用年度によって変わってきます。
奨学金を受給している人の割合
区分 | 令和4年度 | 令和2年度 | 平成30年度 | 平成28年度 |
---|---|---|---|---|
大学 | 55.0% | 49.6% | 47.5% | 48.9% |
短大 | 61.5% | 56.9% | 55.2% | 52.2% |
大学院(修士) | 51.0% | 49.5% | 48.0% | 51.8% |
大学院(博士) | 58.9% | 52.2% | 53.5% | 58.9% |
専門職学位 | 41.4% | 37.1% | 41.1% | 44.4% |
大学へ通う約半数の人が日本学生支援機構の奨学金を利用しています。
貸与型奨学金を利用している人の割合
奨学金の利用 | 令和4年度 | 令和2年度 | 平成30年度 | 平成28年度 |
---|---|---|---|---|
給付型のみ | 9.1% | 5.2% | - | - |
給付+貸与 | 7.2% | 5.0% | - | - |
併用貸与 | 4.9% | 4.5% | 5.7% | 5.5% |
第一種のみ | 12.5% | 12.0% | 15.4% | 14.0% |
第二種のみ | 14.8% | 17.4% | 20.5% | 22.8% |
不採用 | 2.1% | 1.9% | 1.1% | 1.3% |
申請せず | 4.4% | 7.6% | 5.9% | 7.0% |
必要なし | 45.0% | 46.4% | 51.4% | 49.4% |
日本学生支援機構の奨学金は給付型と貸与型がありますが、給付型のみを利用している人は9%ほどしかいません。
しかし、令和2年度の調査では給付型のみは5.2%だったので、かなり増えたことになります。
多くの学生が貸与型の奨学金も利用しており、全体の20%ほどが有利子の第二種奨学金を利用しています。(併用貸与含む)
貸与型奨学金の申込基準
JASSOの貸与奨学金の申込基準は第一種(無利子)、第二種(有利子)、第一種・第二種併用のどれにするかで申込基準が変わってきます。
第一種(無利子)の貸与額
区分 | 自宅 | 自宅外 | |||
---|---|---|---|---|---|
大学 | 国公立 | 20,000、30,000、45,000 | 20,000、30,000、40,000、51,000 | ||
私立 | 20,000、30,000、40,000、54,000 | 20,000、30,000、40,000、50,000、64,000 | |||
短大 | 国公立 | 20,000、30,000、45,000 | 20,000、30,000、40,000、51,000 | ||
私立 | 20,000、30,000、40,000、53,000 | 20,000、30,000、40,000、50,000、60,000 | |||
高専 | 国公立 1~3年 | 10,000、21,000 | 10,000、22,500 | ||
国公立 4~5年 | 20,000、30,000、45,000 | 20,000、30,000、40,000、51,000 | |||
私立 1~3年 | 10,000、32,000 | 10,000、35,000 | |||
私立 4~5年 | 20,000、30,000、40,000、53,000 | 20,000、30,000、40,000、50,000、60,000 | |||
専修 | 国公立 | 20,000、30,000、45,000 | 20,000、30,000、40,000、51,000 | ||
私立 | 20,000、30,000、40,000、53,000 | 20,000、30,000、40,000、50,000、60,000 |
毎月貸与される額は、どこへ通うか、どこから通うかによって変わってきます。
金額は複数用意されており、自分で好きな金額が選べます。申込時の家計収入が一定額以上の方は、各区分の最高月額以外の月額から選択することになります。
第二種(有利子)の貸与額
区分 | 貸与月額 | |
---|---|---|
大学 | 20,000円~120,000円(10,000円刻み) | |
短期大学 | 20,000円~120,000円(10,000円刻み) | |
大学院 | 50,000円、80,000円、100,000円、130,000円、150,000円 | |
高等専門学校 | 20,000円~120,000円(10,000円刻み) | |
専修学校(専門課程) | 20,000円~120,000円(10,000円刻み) |
利子が発生する第二種の貸与額は、国公立・私立、自宅・自宅外で分かれていません。金額の範囲内で選択します。
第二種(有利子)の利率
方式 | 利率 | |
---|---|---|
基本月額 | 利率固定方式 | 1.005% |
利率見直し方式 | 0.300% | |
増額部分 | 利率固定方式 | 1.205% |
利率見直し方式 | 0.500% |
利率は令和5年度1月の利率を記載しています。利率は毎月変更されています。
実際に適用されている利率は、「利息付き奨学金の貸与利率」をご覧ください。
利率は貸与が終了した月の金利が適用されます。上限は3.0%です。どちらの方式にするかは申込時に決定しますが、貸与期間が終了する年度に変更することができます。
利率固定方式は、固定金利です。貸与終了時に決定した利率が、返還完了まで適用されます。将来、市場金利が変動した場合も、利率は変わりません。
利率見直し方式は、変動金利です。貸与終了時に決定した利率を、おおむね5年ごとに見直します。
今は極端に市場金利が低くなっているので、利率見直し方式は超低金利になっています。このままの金利水準で行く場合は見直し方式の方が得です。
無利子で借りられる条件
日本学生支援機構の奨学金は、成績優秀者で、年収が一定以下の家庭は、無利子で借りることができます。
第一種(無利子奨学金) | 第二種(有利子奨学金) | |
---|---|---|
学力 |
|
|
家計 | 966万円以下 【私大・4人世帯・自宅・給与所得者の場合】 | 1,218万円以下 【私大・4人世帯・自宅・給与所得者の場合】 |
第二種はそれほど厳しい条件ではありませんが、第一種は成績優秀者が利用できるものです。
金利は高くありませんが、無利子と有利子では、最終的な返済額が大きく変わるので、できるなら無利子で借りたいですね。
奨学金の滞納問題
貸与型の奨学金は、借りているお金なので返さなければなりません。返済が滞ると、本人、連帯保証人、保証人に対して、文書と電話で督促が来ます。
延滞金は、年10%になるので、返済できずに借金地獄に陥る人も多いのです。借りた物は返すのが当然ですが、奨学金の場合、借金しているという感覚がない人が多いようです。
基本的に奨学金は、大学を卒業し働き始めた後で、自分で返していくものです。卒業後も就職できない人が増えたことで、延滞者が増えた実態があります。
返済が難しそうな人は、奨学金を借りないか、もしくは給付型の奨学金を利用しましょう。成績が優秀だったり、特殊技能があれば、大学がやっている給付型奨学金が受けられる可能性もあります。
奨学金と教育ローンの種類
今は、大学全入時代と言われるように、誰でも大学へ行ける時代になっていますが、大学へ行くにはお金がかかります。
高校や大学へ進学したいのに、家計が厳しくて進学が難しい場合には、借金して進学することになります。
教育費の為のお金を借りる仕組みとして「奨学金」と「教育ローン」があります。
融資 | 提供元 |
---|---|
奨学金 | 日本学生支援機構(JASSO)、企業、大学 |
教育ローン | 日本政策金融公庫、銀行、信用金庫、ろうきん、JAバンク |
どちらも借金であることに違いはありませんが、金利や返済条件が良い奨学金から検討してみましょう。
給付型の奨学金は、返す必要がない奨学金ですが、国がやっているものは、年収250万円未満という制限がつきます。
企業がやっている給付型奨学金は、進学する大学が指定されるなどの条件があります。
大学生の3分の1が奨学金を利用していると言われていますが、その多くが返済義務のある貸与型の奨学金を利用しています。
成績が優秀な学生は、大学の奨学金制度が利用できる可能性があります。家が貧しくて大学へ通いたいのなら、必死に勉強して給付型の奨学金を受けたいですね。
奨学金を借りるのが難しい時は、教育ローンを利用することになります。
教育ローンの種類
奨学金だけではお金が足りない人や、奨学金が利用できなかった場合には、教育ローンを活用します。
教育ローンは、国の教育ローンである「日本政策金融公庫の教育一般貸付」と民間の教育ローンがあります。
金融機関 | 金利 | 審査時間 |
---|---|---|
日本政策金融公庫 | 1.95% | 3週間 |
銀行 | 2.0~4.0% | 数日 |
信用金庫 | 2.0~4.0% | 1週間 |
ろうきん | 2.0~3.0% | 2週間 |
JAバンク | 2.0~4.0% | 2週間 |
固定金利で金利が低い国の教育ローンが、第一の選択肢になります。国の教育ローンの利用が難しい場合には、民間の教育ローンを検討します。
奨学金や国の教育ローンと比べて金利は高くなりますが、一般的なローンよりは低い金利になっています。
教育資金は子供が生まれた時から準備する
子供の教育資金で、最もお金がかかるのは、大学入学時の18歳の時です。
大学へ行かない場合でも、社会人になる時に一人暮らしを始めれば、何かとお金がかかります。
お金を急に用意するのは難しいですが、子供が生まれてから18年間あるわけですから、少しずつ積み立てていけば200~300万円は貯められるはずです。
仮に月2万円の積立を18年間した場合、2万円×12×18=432万円貯めることができます。
月1万円でも216万円です。月1万円すら貯金するのが難しい家庭も多いのかもしれませんが、中学や高校に入ってから急に貯め始めるのは厳しいです。
毎月決まった額を自分で貯金していくのは難しいので、銀行の自動積立定期預金を利用したり、学資保険を使い強制的に貯金するのが良いでしょう。