NISAでオルカンに月10万円、20万円、30万円!一括投資と積立投資のリターンの差

NISAは最大1,800万円まで投資することができます。年360万円購入する場合は、最短の5年で上限額まで投資することができます。月5万円ずつ積み立てる場合は、1,800万円まで投資するのに30年かかります。

多くの人が月数万円で積立投資していますが、資金力のある人は一括投資と積立投資のどちらがよいかで悩む場面があるかもしれません。

NISAの購入方法で、一括投資と積立投資のどちらがよいかの答えは以下のようになります。

長期的に右肩上がりの金融商品を購入する場合、一括投資でできるだけ早く運用額を増やす方が最終的に得られるリターンは大きくなります。

しかし、株式市場の暴落や為替相場の変動などにより途中で売却してしまう人が多く、結果的には少しずつ積立投資した方が得をするケースも多いです。特に円安のときのオルカン一括投資はリスクが大きくなります。

20~30年間運用するとして、オルカンやS&P500のような右肩上がりの商品であれば、基本的には早く買うほど安く買えます。

10年、20年と時間をかけて投資する場合、その間に価格が上がっているため、平均購入単価が上がってしまいます。

しかし、これはリーマンショックやコロナショックなどの大暴落が来たときも売らずに保有し続ける事が前提の話です。運用資金が大きいほど暴落のダメージは大きくなり、予定した投資期間が来る前に売ってしまう人が多いのです。

積立投資なら、暴落は安く買えるチャンスなので、今まで通り毎月決めた金額を買い続ければ良いだけです。積立投資でも10年、20年と経過して、運用資金が大きくなれば暴落時に食らうダメージは大きくなります。

ただし、長期間の積立投資をしてきた人は、何度か暴落も体験して、売らずに保有し続けることで利益が増える経験もしているはずなので、大抵の暴落なら耐えられるようになります。

目次

一括投資と積立投資のシミュレーション

当サイトで公開している資産運用ツール積立投資ツールを使って、NISAで一括投資する場合と積立投資する場合で、リターンにどれだけの差が出るのかをシミュレーションしてみます。

NISAの年間の上限額である360万円を一括投資することはできないので、成長投資枠とつみたて投資枠の合計で年360万円投資する場合を一括投資とお考えください。

できるだけ一括投資に近づけたい人は、成長投資枠で240万円一括投資して、残りの120万円を月10万円つみたて投資枠で購入してください。つみたて投資枠のボーナス設定を利用することで、ほぼ120万円を年始に一括購入することもできます。

一括で360万円購入しても、1年かけて360万円購入しても、5年で上限額に達するのは同じで、その後の数十年の長期スパンで見ると、リターンに大きな差は出ません。

NISAでオルカンを購入する場合を想定して、年率5%で10年~30年運用したときのリターンがどのような結果になるかシミュレーションしてみます。

10年間運用する場合

投資額総投資額運用結果
月5万円600万円776万円
月10万円1,200万円1,553万円
月15万円1,800万円2,329万円
月20万円1,800万円2,461万円
月25万円1,800万円2,545万円
月30万円1,800万円2,604万円

月15万円で10年間積み立てると、積立額の合計がちょうど1,800万円になります。

月30万円購入する場合、5年で上限額の1,800万円に到達するので、残りの5年間は購入はストップして1,800万円を運用する形になります。

20年間運用する場合

投資額総投資額運用結果
月5万円1,200万円2,055万円
月10万円1,800万円3,412万円
月15万円1,800万円3,794万円
月20万円1,800万円4,010万円
月25万円1,800万円4,146万円
月30万円1,800万円4,241万円

月7.5万円で20年間積み立てると、積立額の合計がちょうど1,800万円になります。

月30万円購入する場合、満額の運用期間が15年間もあるので、そのぶん利益も多くなります。

30年間運用する場合

投資額総投資額購入完了時の運用額運用結果
月5万円1,800万円4,161万円4,161万円
月10万円1,800万円2,673万円5,557万円
月15万円1,800万円2,329万円6,180万円
月20万円1,800万円2,179万円6,532万円
月25万円1,800万円2,094万円6,753万円
月30万円1,800万円2,040万円6,908万円

月5万円で30年間積み立てると、積立額の合計がちょうど1,800万円になります。

毎月の投資額が大きいほど30年後のリターンも大きくなることがわかります。同じ利率であれば運用額が大きいほどリターンも大きくなるので、当然の結果と言えます。

これだけを見ると、できるだけ早く1,800万円の枠を埋める方がよいと感じますが、実際には毎年5%で運用できるわけではなく、10%以上下落する年も出てきます。そのときに売らずに持っていられるかが問題です。

ちなみに1,800万円を一括投資して、年率5%で30年間運用した場合のシミュレーションでは、7,779万円の運用結果になります。

一括投資したときのリターン

特定口座や一般口座で数百万円以上を一括投資したときのリターンは以下のようになります。360万円以下ならNISA口座で一括投資することも可能です。

年率5%の投資信託を購入した場合を想定したシミュレーションです。カッコ内の数字は、税引き後の金額です。

スクロールできます
投資額5年後10年後20年後30年後
300万円382万円
(366)
489万円
(450)
796万円
(695)
1,297万円
(1,094)
360万円459万円
(432)
586万円
(540)
955万円
(834)
1,556万円
(1,313)
500万円638万円
(610)
814万円
(751)
1,327万円
(1,159)
2,161万円
(1,824)
1,000万円1,276万円
(1,220)
1,629万円
(1,501)
2,653万円
(2,317)
4,322万円
(3,647)
1,500万円1,914万円
(1,830)
2,443万円
(2,252)
3,980万円
(3,476)
6,483万円
(5,471)
1,800万円2,297万円
(2,196)
2,932万円
(2,702)
4,776万円
(4,171)
7,779万円
(6,565)
2,000万円2,553万円
(2,440)
3,258万円
(3,002)
5,307万円
(4,635)
8,644万円
(7,294)

総合課税の所得税や住民税とは異なり、株式口座は申告分離課税で20.315%しか税金を引かれないので、運用期間が長ければ十分な利益が得られます。

オルカンやS&P500はNISAでしか購入できないわけではないので、1,800万円超の投資ができる人は、特定口座でオルカンを買っても構いません。特定口座ならNISAのような上限枠もないので、一括投資で何千万円分も購入できます。

たとえば1,000万円一括投資したいときに、NISAで360万円購入して、残りの640万円を特定口座で購入するやり方でもOKです。

相場が暴落したときの損失

投資期間において相場が常に右肩上がりで推移すればよいのですが、実際には大なり小なり定期的に暴落を経験することになります。

オルカンやS&P500などの外国株式を購入する場合、ドル円などの為替の影響も受けるため、短期で見れば乱高下する可能性は高くなります。

投資を始めて5年後、10年後、30年後に10~30%暴落するような相場が来たと仮定して損失額をシミュレーションしてみます。

投資開始後5年で暴落

スクロールできます
投資額投資総額5年後の運用額10%下落20%下落30%下落
月30万円1,800万円2,040万円1,836万円
(-204)
1,632万円
(-408)
1,428万円
(-612)
月15万円900万円1,020万円918万円
(-102)
816万円
(-204)
714万円
(-306)
月10万円600万円680万円612万円
(-68)
544万円
(-136)
476万円
(-204)
月5万円300万円340万円306万円
(-34)
272万円
(-68)
238万円
(-102)
月2万円120万円136万円122万円
(-14)
109万円
(-27)
95万円
(-41)

含み損(運用額が投資額を下回る)が発生するときは赤字にしています。カッコ内の数字は運用額からみた損失額です。

運用期間が5年と短い場合、運用額に関わらず20%の暴落が来ると、含み益が全てなくなり含み損の状態になります。

オルカンやS&P500などのインデックスファンドでも年20%ほどの下落はよくあります。含み益がジリジリと減っていき、含み損になったときに売らずに耐え続けるのは意外と難しいです。

投資額が小さいほど損失額も小さくなり、暴落したときに購入できる枠も残されています。年360万円投資する場合、5年でNISAの上限額に達するので、その後は売却するか見ていることしかできません。

ただ、2020年のコロナショックのときのように、相場が急激に回復すればすぐに元の状態に戻すことができます。暴落しても慌てずに対処できるかがポイントになります。

コロナショックで全部売ってしまい後悔した人も多いと思います。一度売ってから買い直すこともできますが、売った価格よりも安く買い戻すのは、思っているよりも難しいです。

投資開始後10年で暴落

スクロールできます
投資額投資総額10年後の運用額10%下落20%下落30%下落
月30万円1,800万円2,604万円2,344万円
(-260)
2,083万円
(-521)
1,823万円
(-781)
月15万円1,800万円2,329万円2,096万円
(-233)
1,863万円
(-466)
1,630万円
(-699)
月10万円1,200万円1,553万円1,398万円
(-155)
1,242万円
(-311)
1,087万円
(-466)
月5万円600万円776万円698万円
(-78)
621万円
(-155)
543万円
(-233)
月2万円240万円311万円280万円
(-31)
249万円
(-62)
218万円
(-93)

投資開始から10年経過していると含み益も増えているので、20%ほどの下落なら含み益のまま耐えることができます。

リアルタイムで暴落を体験すると、利益が減ることに耐えられず含み益があるうちに売ってしまう人も多いです。特に運用額が大きいと売りたい衝動を抑えるのが難しいと思います。

2,600万円もあった資金が1,800万円になったときに、売らずに耐えられる人がどれほどいるのでしょうか。全て売却してしまった場合、今まで運用した期間が無駄になってしまいます。

感覚としては2,000万円を切ったぐらいで売ってしまう人が多い気がします。そこからさらに下げた場合、売っておいて良かったと思うかもしれませんが、売ったところが底になることも多いです。そして、上げていく相場を指を加えて見ているだけの状態になります。

売るのであれば大きな利益があるうちに早い段階で売りたいところですが、その後の相場がどうなるかは誰にもわかりません。売るとしても全て売るのではなく、今必要な資金の分だけ売るようにしてください。

10年も運用を続けていれば売らないほうが得であることは感覚としてわかっているはずなので、たとえ含み損になったとしても売らずに耐えましょう。

投資開始後15年で暴落

スクロールできます
投資額投資総額15年後の運用額10%下落20%下落30%下落
月30万円1,800万円3,323万円2,991万円
(-332)
2,658円
(-665)
2,326万円
(-997)
月15万円1,800万円2,972万円2,675万円
(-297)
2,378万円
(-594)
2,080万円
(-892)
月10万円1,800万円2,673万円2,405万円
(-267)
2,138万円
(-535)
1,871万円
(-802)
月5万円900万円1,336万円1,202万円
(-134)
1,068万円
(-267)
935万円
(-400)
月2万円360万円535万円482万円
(-54)
428万円
(-107)
375万円
(-161)

投資開始後15年も経過していると30%の暴落では元本割れすることもないので、安心して持っていられる人も多いのかもしれません。

実際には含み益が減り続ける過程で売却してしまう人も多いですが、15年間も運用を続け、ある程度の下落に対する耐性もついているはずなので、30%ほどの暴落なら耐えられる人も多いでしょう。

右肩上がりの相場では、どれだけ長期間運用を続けられるかが重要になります。投資額に関係なく、売らずに持ち続ける精神力が必要です。

オルカンの一括投資をおすすめしない理由

  • 損失が出たときに売りたくなる
  • 暴落したときに買い増せない
  • 円高で大損することもある

短期間に運用資金を投入することで、その後のリターンが大きくなるのは確かです。長期ではなく短期で大きな利益を上げたいなら一括投資するしかありません。

老後資金を作るための20年以上の長期投資という観点では一括投資はおすすめしません。高収入で余剰資金が何千万円もある人は別ですが、普通の人は毎月コツコツ積立投資するのがよいでしょう。

余剰資金と購入枠を残しておいて、暴落したときに大きく購入するのも一つの手です。積立投資している人にとって暴落は追加購入するチャンスです。少しずつ積立投資している人でも暴落時にいつもより多くの金額を購入することで、その後の利益を増やすことができます。

購入完了後の暴落で大きな損失が出る

投資期間を30年とした場合、30年かけて1,800万円購入するよりも、最短の5年間で1,800万円購入するほうが、パフォーマンスはよくなります。

しかし、短期間に大きな資金を投入する最大のデメリットは、暴落時に買い増しができないことです。

たとえば5年間で1,800万円購入し、購入が完了した直後に暴落が発生し、その後何年間も相場が低迷した場合、含み益は全てなくなり、損失が拡大していきます。

20~30年かけて積立投資する場合でも、暴落が来たときに含み益がなくなることは同じですが、運用資金が小さいときの暴落ダメージは小さいですし、暴落中に安い価格で買い増すことができます。

購入開始直後に暴落が来たり、右肩上がりの相場を10年以上続けてから暴落する場合は、最終的には長期積立よりも最短で1,800万円購入する方がパフォーマンスはよくなる可能性が高いです。

しかし、何度も言っているように運用資金が大きい状態の暴落で、売らずに耐えるのはとても難しいです。毎年余裕で360万円投資できるくらい収入や資産のある人はよいのですが、一括にするか積み立てにするか迷うような人は、月10万円以下の積み立てにすることをおすすめします。

短期投資ならNISA口座で購入する必要はない

長期ではなく短期で考えるなら一括投資してもよいと思いますが、短期ならNISA口座で買う必要もありません。

新NISAの最大の魅力は、上限額が増えたことと非課税期間が無期限になったことです。まとまった資金を長期間運用することでメリットを最大限に享受することができます。

NISAで損失が出ても特定口座や一般口座と損益通算することはできません。短期で売買する場合、どうしても損失が出る可能性は高くなります。損失確定する機会が多いなら、NISAではなく特定口座で取引するほうがよいです。

新NISAでは、売却時に余力が回復するようになり、旧NISAよりは頻繁に売買できるようになりました。しかし、短期間に大きな利益を得るために投資するのであれば損益通算できる特定口座で売買するのがよいと思います。

NISAは長期の積立用に使い、短期売買は特定口座を利用しましょう。特定口座の損失は3年間繰り越せるので、焦って売買を繰り返す必要もありません。

円安時に一括投資するときの為替リスク

オルカンやS&P500などの外国株を購入する場合、株式市場の暴落と共に為替相場の変動も注意しなければなりません。

オルカンは円高になったら損する?円安の影響はどれくらいある?

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の基準価額は、ドル円レートの影響度が9割ほどと言われています。ドル円が160円から140円になった場合、12.5%下落しているので、その9割に当たる11.25%分の影響を受けることになります。

仮にオルカンの原指数の変動がない場合に、ドル円の変動によってオルカンの基準価額や口座の評価額がいくらになるのかをシミュレーションしてみます。為替の変動をオルカンの基準価額に100%反映させています。

ドル円基準価額評価額
160円26,800円1,000万円
150円25,125円938万円
140円23,450円875万円
130円21,775円813万円
120円20,100円750万円
110円18,425円688万円
100円16,750円625万円

為替の変動のみでこれだけの損失が出るのですが、円安効果による影響度がわかっていない人も多いです。

実際にはドル円が1ヶ月で160円から100円になることはなく、仮に円高トレンドになるとしても上下しながら進行していきます。

円高が進行する間にも積立投資は続けられるので、ドルコスト平均法により、株価が安いほどたくさんのオルカンを買うことができます。

しかし、円安時に一括投資して、円高時に購入しない場合、円高によるマイナスをモロに食らうことになり、大きな損失が出る可能性があります。

円高が進行する過程でオルカンの原指数が上昇していれば損失額は小さくなります。円高の進行と同時にオルカンも下落したときは、より大きな損失になります。

株式市場も為替相場も予想するのは不可能です。そういった意味でも一度に大きな資金を入れるのではなく、積立投資で毎月コツコツ貯めていくのがよい気がします。

この記事を書いた人

竹内潤平のアバター 竹内潤平 代表取締役社長

ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。
カードローン、自動車ローン、住宅ローンを利用したことがあり、法人代表者として銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資でお金を借りた経験があります。
株式投資歴は20年以上で、現在は個別株投資やベンチャー投資をしつつ、NISAのつみたて投資枠でオルカン、S&P500、日経225に投資しています。
FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。

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会社名 株式会社アルビノ
代表者 代表取締役社長 竹内潤平
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全社テレワーク中のため、お電話を頂いても対応できない状況となっています。
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