住んでいる地域や年齢によりますが、高齢者2人だと生活保護費は月14~18万円になることが多いです。
最低生活費は、「年齢、世帯人数、健康状態、住んでいる地域」などをもとに算出されます。
収入がある場合は、最低生活費から収入を引いた分が支給される生活保護費となります。
母子家庭なら、働けない理由があり、資産がなければ生活保護が受けられる可能性が高いです。生活保護の金額は地域や家族構成によって異なります。
高齢者夫婦2人世帯で月15万円ほど、お子さんが2人いる母子家庭で月20万円ほどの保護費が受け取れる計算になります。
このページでは、生活保護で受け取れる金額や計算方法などについて解説します。
生活保護の金額
生活保護で実際にいくら貰えるのかは、住んでいる地域と家族構成などによって変わってきます。
住んでいる地域の級地を確認し、生活扶助金額を算出します。
生活扶助基準+加算額+住宅扶助=最低生活費
対象者の年齢や家族の人数によって生活扶助の金額が変わり、障害者や母子家庭世帯、中学校終了前の子どもがいる場合には加算があります。
また、必要に応じて、教育扶助、介護扶助、医療扶助などが支給されます。
支給される生活保護費には所得税や住民税はかかりません。保護費が手取り額になるので、会社員の手取り額と考えると意外と多いと思います。
3人家族(33歳、29歳、4歳)
扶助の種類 | 1級地ー1 | 2級地ー1 | 3級地ー1 |
---|---|---|---|
生活扶助 | 158,760円 | 149,130円 | 142,760円 |
住宅扶助 | 69,800円 | 56,000円 | 42,000円 |
合計 | 228,560円 | 205,130円 | 184,760円 |
夫婦と子1人と3人世帯では住まいの地域によって違いますが、18.5万円~22.9万円が最低生活費となります。
仮に児童手当や年金、パート等の収入があれば差し引いた金額が支給されます。収入がない場合には、上記の最低生活費が保護費として支給されます。
4人家族(40歳、38歳、10歳、6歳)
扶助の種類 | 1級地ー1 | 2級地ー1 | 3級地ー1 |
---|---|---|---|
生活扶助 | 204,950円 | 186,520円 | 168,080円 |
住宅扶助 | 69,800円 | 56,000円 | 42,000円 |
教育扶助 | 5,200円 | 5,200円 | 5,200円 |
合計 | 279,950円 | 247,720円 | 215,280円 |
4人家族で、子供がどちらも小学生の場合は、21.5万円~28万円が最低生活費となります。
教育扶助費は、小学生・中学生・高校生で基準額が異なります。教材費・クラブ活動費・入学金(高校生の場合)などの実費は別途計上されます。
高齢者単身世帯(68歳)
扶助の種類 | 1級地ー1 | 2級地ー1 | 3級地-1 |
---|---|---|---|
生活扶助 | 77,980円 | 70,630円 | 67,740円 |
住宅扶助 | 53,700円 | 43,000円 | 32,000円 |
合計 | 131,680円 | 113,630円 | 99,740円 |
68歳の高齢単身世帯では、最低生活費が10万円~13.2万円となります。年金を受給している場合には、年金を収入として差し引いた額が保護費として支給されます。
高齢者夫婦2人世帯(68歳、65歳)
扶助の種類 | 1級地ー1 | 2級地ー1 | 3級地-1 |
---|---|---|---|
生活扶助 | 121,480円 | 113,750円 | 108,810円 |
住宅扶助 | 64,000円 | 52,000円 | 38,000円 |
合計 | 185,480円 | 165,750円 | 146,810円 |
68歳と65歳の高齢夫婦世帯では、14.7万円~18.5万円が最低生活費です。
母子家庭3人家族(30歳、4歳、2歳)
扶助の種類 | 1級地ー1 | 2級地ー1 | 3級地-1 |
---|---|---|---|
生活扶助 | 190,550円 | 179,270円 | 171,430円 |
住宅扶助 | 69,800円 | 56,000円 | 42,000円 |
合計 | 260,350円 | 235,270円 | 213,430円 |
母子三人世帯では、21.3万円~26万円が最低生活費となります。
離婚した相手から養育費をもらっている場合には収入になりますので、差し引いた額が支給されます。
上記は、厚生労働省「生活保護制度の概要等について」を参考に簡単にまとめました。
※生活扶助額は1級地-1が東京都区部、2級地ー1が熊谷市、3級地ー1が柳川市とした場合の上限額。
※児童養育加算、母子加算、冬期加算を含む。
帯広市の最低生活費
帯広市の公式ホームページでは、帯広市に住んでいる場合の最低生活費を細かく紹介していました。(令和2年10月1日現在のものとして公表しています。)
20歳で単身世帯の場合には、生活扶助と住宅扶助で夏季に101,460円が最低生活費となっています。冬期には12,780円加算されています。
冬期には暖房費が増加するため、10月から4月のうち地域によって5ヶ月から7ヶ月冬期加算があります。
4人世帯(40代親、高校生、中学生、小学生)の場合には、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、生業扶助の合計で289,740円が最低生活費です。仮に母子手当や児童手当等が支給されている場合には、差し引いた額が支給されます。
実際の支給額は、年齢、家族構成、住まいの地域などによって違いますので、目安としてこれぐらいが最低生活費だと捉えて頂ければと思います。それから、収入がある場合には、最低生活費から収入を引いた額が支給されることも承知しておきましょう。
「生活保護 支給額 計算」などの言葉で検索すると、支給額が計算できるサイトが出てくるので、参考に計算してみるのも良いと思います。
生活保護費の計算方法
生活保護は、世帯の最低生活費の額と世帯全員の収入を比較して、不足する場合にその不足分が「保護費」として支給されます。
- 世帯の最低生活費と世帯収入を比較して不足する額を支給
- 最低生活費は国で決めた基準により計算された1ヶ月の生活費
- 給料、年金、手当、仕送りなど世帯全体の収入を引いた分を支給
最低生活費とは、年齢、世帯人数、健康状態、住んでいる地域などをもとに、国で決めた基準により計算された1ヶ月分の生活費です。
国で決めた基準の最低生活費が保障されることになりますが、働いて得た給与や年金、児童手当、親族からの仕送り援助などの収入がある場合には、その収入が差し引かれた額が「保護費」となります。
収入が全くない場合
最低生活費が10万円と算出された方でも、病気が理由で働けなく収入がない場合には、保護費として10万円が支給されます。
一定の収入+児童手当がある場合
例えば、最低生活費が15万円で、パート収入が8万円、児童手当が1万円の場合には、15万円-9万円=6万円となり、6万円が保護費として支給されます。
身内からの援助がある場合
援助を受けた上で最低生活費を比較して、収入が最低生活費に満たない場合に保護が適用となります。
例えば、最低生活費が12万円と算出された方が、親族から5万円の援助を受けた場合は、12万円ー収入(5万円)=7万円となり、7万円が保護費として支給されます。
扶養義務者については、福祉事務所から扶養可能かどうか扶養照会が行われます。扶養義務が期待できないと判断される扶養義務者には、扶養照会を行いません。
最低生活費を超える収入がある場合
最低生活費が計算で10万円となり、収入が12万円ある場合には、収入が最低生活費を上回っているので生活保護の対象とはなりません。
少し働くだけで生活保護が受けられる、全く働かなくても保護費が支給されると感じる方がいるかもしれませんが、実際に生活保護を受けるには、要件を全て満たす必要があり簡単に受けられるものではありません。
扶助の種類は8つ
生活扶助 | 日常生活に必要な費用(食費、被服費、光熱水費) | |
住宅扶助 | アパート等の家賃、地代、住宅修理費 | |
教育扶助 | 義務教育を受けるために必要な学用品代、給食費 | |
医療扶助 | 病気や怪我をした場合の医療に必要な費用 | |
介護扶助 | 介護サービスが必要な場合の費用 | |
出産扶助 | 出産にかかる費用 | |
生業扶助 | 就労に必要な技能の修得等にかかる費用や高等学校等への就学費用、就職準備の費用 | |
葬祭扶助 | 葬祭にかかる費用 |
扶助の支給は、現金で支給される場合と、介護費や医療費のように介護施設や医療機関に福祉事務所から直接支払われる場合があります。
扶助の内容や基準額等を細かく見てみましょう。
生活扶助
生活扶助とは、食費や被服費、水道光熱費、冬期の暖房費など、日常生活にかかる費用を扶助してくれるものです。
毎日の生活に必要な費用の支給の他に、ひとり親世帯や障害者のいる世帯、妊産婦のいる世帯など、特定の世帯には加算があります。
生活扶助の種類 | 概要 | 費用(1級地-1の場合) |
---|---|---|
第1類費 | 食費や被服費 | 年齢別に設定 |
第2類費 | 水道光熱費や家具什器費 | 世帯人員別に設定 |
冬期加算 | 冬期暖房費 | Ⅵ区の3人世帯の場合 4,240円 |
入院患者日用品費 | 入院中の身の回り品 | 23,110円 |
介護施設入所者基本生活費 | 施設に支払う身の回り品 | 9,880円以内 |
妊産婦加算 | 妊産婦の栄養補給等の経費 | 妊娠6ヶ月未満 9,130円 妊娠6ヶ月以上 13,790円 産後 8,480円 |
母子加算 | ひとり親世帯のかかりまし経費 | 子1人 18,800円 |
障害者加算 | 障害者に居住環境の改善の費用や点字新聞などの雑費の経費 | 身体障害者障害等級 1・2級 26,810円 3級 23,060円 |
介護施設入所者加算 | 介護施設入所者に理美容品等の支給 | 9,880円 |
在宅患者加算 | 在宅で療養している方に栄養補給等の経費 | 13,270円 |
放射線障害者加算 | 放射能による負傷、疾病の方に栄養補給等の経費 | 現罹患者 43,830円 元罹患者 21,920円 |
児童養育加算 | 子どもの学校外活動費用を補填 | 18歳までの子1人につき 10,190円 |
介護保険料加算 | 介護保険料に相当する経費を補填 | 実費 |
期末一時扶助 | 年末に増加する食費や雑費の経費を補填 | 世帯人員別に設定 1人世帯 14,160円 |
一時扶助 | 保護開始、出生、入学時など緊急に必要な経費を補填 | 費目ごとに設定 |
期末一時扶助とは、12月から翌年1月に引き続き保護を受ける方に対して、「越年資金」として支給されます。期末一時扶助費は、通称「お餅代」とも言われるそうです。年越のための資金ですが、12月の支給に加算されるので、振込は12月初めとなります。
食費や光熱費の他に、受給者の状況に対して様々な扶助がありますので、入院や治療、妊娠・出産など、生活に変化があった時には逐一報告して支給を受けましょう。
住宅扶助
住宅扶助とは、家賃や転居時の敷金、更新料などとして支給されるものです。
住宅扶助費は、地域によって上限額が設定されています。地域によってというのは、例えば東京23区だと高くなり、田舎だと家賃が低いので扶助費も低く設定されています。
新宿区の場合
1級地である新宿区の住宅扶助限度額は以下の通りです。
世帯人員 | 住宅扶助限度額 |
---|---|
1人 | 53,700円 |
2人 | 64,000円 |
3~5人 | 69,800円 |
6人 | 75,000円 |
7人以上 | 83,800円 |
茨城県の場合
茨城県には1級地がありません。水戸市や日立市等が2級地で、牛久市やひたちなか市等が3級地となっています。
世帯人員 | 2級地 | 3級地 |
---|---|---|
1人 | 35,400円 | 34,000円 |
2人 | 42,000円 | 41,000円 |
3~5人 | 46,000円 | 44,000円 |
6人 | 50,000円 | 48,000円 |
7人以上 | 55,000円 | 53,000円 |
茨城県の住宅扶助額は、新宿区に比べてると随分低く感じますね。
住宅扶助については、上限額の範囲内で実費が支給されます。
例えば、茨城県の水戸市に4人家族で住んだ場合の住宅扶助は限度額が46,000円となっていますが、41,000円のアパートに住んだ場合には実費の41,000円しか支給されません。
教育扶助
教育扶助とは、小学生、中学生、高校生など義務教育にかかる必要な学用品代や教材代、給食費等を支給するものです。なお、修学旅行代については、文部科学省の就学援助制度から支給されます。
区分 | 支給額 |
---|---|
小学生 | 月額2,600円 |
中学生 | 月額5,100円 |
高校生 | 月額5,300円 |
教材代 | 学校が指定するものの額 |
学校給食費 | 給食費の額 |
通学費 | 最小限の額 |
クラブ活動費 | 小学生 年額16,000円以内 中学生 年額59,8000円以内 |
教育扶助は、原則金銭での支給です。
介護扶助
介護扶助は、要介護又は要支援と認定された方が介護サービスを受けるために必要な費用を扶助するものです。
介護扶助は、介護事業者に直接支払う現物支給となるため、本人の負担はありません。
医療扶助
医療扶助とは、病気や怪我の治療・療養にかかる費用を扶助するものです。診察は生活保護法の指定を受けた医療機関でのみ受けることができます。
医療扶助は医療機関に直接支払うため、本人の負担はありません。医療扶助を受ける際には、福祉事務所に申請が必要です。
- 福祉事務所に申請が必要
- 指定医療機関で診察・治療
- 自己負担なし
- 保険給付の範囲内(保険外の診療は認めない)
- 夜間・休日など緊急の場合は受給証を提示
医療を受けたいときには、事前に福祉事務所へ申請して、「生活保護法医療券・調剤券」「診療依頼書」「要意見書」などを発行してもらいます。
夜間や休日に福祉事務所がしまっている時や急病の際には、医療機関に生活保護の受給証を見せることで医療扶助が受けられます。(後日、福祉事務所に申請して医療券を提出する必要があります。)
出産扶助
出産扶助とは、出産に必要な分娩費用や検査費用、室料などを扶助してくれるものです。
出産扶助 | 上限額 |
---|---|
施設分娩 | 306,000円 |
居宅分娩 | 259,000円 |
出産扶助は限度額内で実費が支給されます。
生業扶助
生業扶助とは、事業を営むための資金や必要な技能を修得するための資金、高校にかかる学用品費や教材代、交通費などを支給してくれるものです。
生業扶助 | 上限額 |
---|---|
生業費 | 47,000円 |
技能修得費 | 83,000円 専門学校・自動車運転免許等は38万円 |
高等学校等就学費 | 基本額 5,300円 教材代・交通費 実費 クラブ活動費 年額84,600円 |
就職支度費 | 32,000円 |
生業扶助は、限度額の範囲内で実費が支給されます。
葬祭扶助
葬祭扶助とは、葬祭にかかる費用を支給してくれるものです。
葬祭扶助 | 上限額 |
---|---|
大人 | 212,000円 |
子ども | 169,600円 |
葬儀にかかった実費が扶助されますが、上限額を超える葬儀費用は支給されません。
生活保護が受けられる条件
- 最低生活費以下の収入しかない
- 資産がないまたはほとんどない
- 働くことができない
- 親族などから援助が受けられない
- 年金や手当など他の制度では給付が受けられないまたは金額が足りない
生活保護は、収入がないまたは少なく、働くことができない人の最低限の生活を保護するためのものです。
資産のある人や仕事を選ばなければ働ける人などは対象になりません。親族などの援助については、扶養照会を行わずに自己申告で認められる場合が多いです。
最低生活費とは
最低生活費とは、「健康で文化的な最低限度の生活」を送るために最低限必要になる費用のことです。
生活費、住宅費、教育費、介護費、医療費、障害者加算、母子加算などを全て含めた金額になり、住んでいる地域によっても変わります。
計算方法はとても複雑なので正確な金額は住んでいる地域を基に自分で計算してみてください。
単身者:月10~13万円
夫婦:14~18万円
母子家庭:+1.5~2.4万円
障害者:+1.5~2.7万円
おおよその金額はこのようになります。この金額以下の収入しかない人は1つ目の条件はクリアしていることになります。
生活保護を断られる理由
生活保護を受けることで色々な制限がありますが、毎月の生活費が足りないのに、友人や家族、金融機関などから借金するのは良くありません。
ただ、生活保護は誰でも受けられるわけではありません。仕事が見つかりやすい若者は受けづらく、それ以外にも受けられない条件があります。
- 資産がある
- 探せば仕事がある
- 援助してくれる身内がいる
- 年金や手当など他の制度がある
生活保護を断られる理由の多くがこの4つです。健康なのに自分のやりたい仕事が見つからずに無職でいる人は対象にはなりません。
資産がある
生活保護を受けるのに、土地、家、車、貯金、生命保険などの資産があるのは、おかしな話です。
マイホームについては、売却しても高く売れない場合は保持が認められる事が多いです。
生活する上でやむを得ず車が必要な場合の保有は認められますが、それ以外の資産の保有は認められていません。
TV、洗濯機、冷蔵庫などの一般的な生活を送る上で必要になる家財道具は、保有が認められます。パソコンは微妙なラインですが、生活保護の担当者によっては、保有を認めないかもしれません。
※生命保険のうち、貯蓄機能がない保険については、保持が認められる可能性があります。
どういった資産を持てるのか、保険に入れるのかは「生活保護のデメリット」の中で詳しく解説しています。
探せば仕事がある
仕事をしたくない人を助けるのが生活保護の役目ではないので、仕事を選ばなければ見つかるような人は、申請が受理されない可能性が高いです。
身体が不自由な人、年齢が高い人、シングルマザーなどで労働に制限がある人など、仕事を見つけるのが難しい人は別ですが、単に働きたくないという状態の人が、生活保護を受けるのは難しいでしょう。
身体が不自由な人の中には、うつ病などの精神疾患を患っている人も含まれます。若者で肉体は健康だけど精神を病んでいる人は、障害認定を受けていれば支給される可能性があります。
精神疾患とは、うつ病、統合失調症、双極性障害(躁うつ病)、発達障害、知的障害、高次脳機能障害などを指します。
ただ、実際には、探せば仕事が見つかるような人でも生活保護を受けている実態があります。結局は、申請を受理するか否かは、自治体の担当者の判断になります。
援助してくれる身内がいる
芸能人の親が生活保護を受けていたニュースが話題になったことがありますが、基本的に、身内に援助してくれる人がいる場合、生活保護は受けられません。
ただ、親子でも絶縁状態の人もいますし、親や子、兄弟の面倒を見るほどの余裕が無い人も多いと思います。
仮に、親や子が金持ちだからと言って、身内の生活費を援助しなければいけないというのは、少し酷な気もします。
そうした背景もあり、援助してくれる可能性がある身内がいる場合でも、生活保護は認められることがあります。一度断られても、諦めずに何度も申請することで受けられることもあります。
以前は、援助してくれる身内がいないかを確認するために必ず「扶養照会」が行われていましたが、2021年からは「本人が拒否する場合は扶養照会を止める」ような動きが見られます。
年金や手当など他の制度がある
遺族年金や児童手当など、国や自治体が行っている給付金制度が利用できる人は、そちらから先に申し込みます。
手当も生活保護もお金を貰うという意味では同じですが、生活保護には生活や住まいに制限が出るなどのデメリットもあります。
年金や手当などを受け取っても最低生活費に満たない場合は、残りを生活保護費から支給してもらうことができます。
ひとり親家庭(母子家庭や父子家庭)は、受けられる手当や助成金も多いので、自分が該当しないか調べてみましょう。
自治体が行っているものは、都道府県や市区町村によって内容や金額が異なります。調べたり申請するのが大変ですが、生活保護を受けるときのような制限はありません。
生活保護の申請と給付までの流れ
生活資金が無くて本当に困った時は、生活保護を受けるのも一つの手です。仕事を見つけて働くのが一番ですが、どうしようもない時は国に助けてもらいましょう。
生活保護の申請をしなかったり、申請しても断られて、家で餓死してしまった人がニュースになることがあります。これだけ豊かな国で餓死者が出るのは異常な事態です。
生活保護は、自治体や担当者によって受けやすさが違います。不正受給者が増えたことで、審査が厳しくなっている面がありますが、本当に困っている人が保護を受けられないのは悲しいですね。
生活保護は、国が定める最低生活費よりも収入が少ない人が利用できる制度です。基準を超えていれば申請できません。
生活保護を申請する方法
生活保護は、お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。
福祉事務所は、市や区なら市や区に設置され、町や村は都道府県に設置されています。
申請時に必要な書類
生活保護の申請に必要な書類は、「申請書、本人確認書類、資産・収入の申告書」です。申請書は福祉事務所で手に入ります。
本人確認書類は、運転免許証や健康保険証などが認められています。念のため印鑑も持って行きましょう。
資産や収入の申告書は、人によって提出するものが変わってきます。一定以上の資産がある人は生活保護が受けられません。
- 預金通帳
- マイナンバーカード
- 在留カードまたは特別永住者証明書(あれば)
- 登記簿謄本または賃貸契約書のどちらか
- 保険証券や年金証書(あれば)
- 健康保険証、被爆者健康手帳、障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳、障害福祉サービス受給者証
- 車検証(あれば)
- 世帯収入のわかる給与明細(あれば)
必要な書類は、個々の状況によって違ってきます。
収入のある方は給与明細、年金を受け取っている方は年金手帳や年金証書、障がいのある方は障害者手帳、外国人の方は在留カードなど、それぞれの状況に応じた書類が必要になります。
保険は掛け捨て型の生命保険なら認められる可能性があります。車は、病院の送り迎えなどで必要な場合には認められる可能性があります。
その他にも、家族の連絡先、病気やケガで働けない場合は医師の診断書などが必要になります。
申請の流れ
市区町村の福祉事務所に相談に行く
申請から14日以内に受給・却下が決定
生活保護を受ける対象者かどうかを確認
月初に支給されることが多い
条件を満たしている人でも、申請してもすぐにその場で保護が決まるわけではありません。
生活保護の申請書を提出してから、14日以内に受給・却下が決定します。決定通知書が郵送で届けられるか、担当者から電話連絡が来るので、申請から14日を超えても連絡がない場合、福祉事務所に連絡しましょう。
申請が却下された場合でも、不服申立てができます。一度却下されたぐらいで諦めないようにしましょう。不正受給は問題外ですが、本当に困っている人は助けてもらわなければなりません。