貸金業法で禁止されている取り立てとは?貸金業法の適用範囲

貸金業法の適用範囲は貸金業者だけ?

貸金業法は、貸金業者を規制する法律なので、適用されるのは貸金業者のみです。

金融機関によって適用される法律が異なっており、銀行は銀行法、信用金庫は信用金庫法が適用されます。

お金を貸しただけで貸金業者になるわけではなく、貸金業とは貸付を業として行うことを指します。

誰にいくら貸したら貸金業者と明確に決まっているわけではありません。「反復継続して貸付を行う意志がある」場合は貸金業に該当します。

知人にお金を貸す場合でも貸金業に該当する場合があるので注意が必要です。詳しくは、「貸金業者とは?」をご覧ください。

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貸金業法は貸金業者を規制する法律

貸金業法とは、消費者金融や信販会社(クレジットカード会社)などの貸金業を行う者を規制するための法律です。

2000年頃から多重債務者や自己破産者の増加が社会問題になり、2006年に従来の貸金業法が改正され、2010年に改正貸金業法が完全施行されました。

改正貸金業法では、総量規制やグレーゾーン金利の撤廃、過剰融資を防止するために指定信用情報機関の照会、収入証明書の提出などのルールが決められました。

貸金業者からお金を借りて返済が滞ると厳しい取り立てが行われると思っている人も多いですが、貸金業者として登録している会社なら、厳しい取り立てが行われることはありません。

ドラマや映画などで見られる借金取りの映像は昔の話です。貸金業者は法律で取り立て行為が規制されており、どんな取り立て行為でも認められているわけではありません。

貸金業法で禁止されている取り立て方法

  1. 正当な理由がないのに午後9時から午前8時までの時間帯に、債務者に電話をかけたりFAXを送信したり、家に訪問すること
  2. 債務者が弁済する時期、連絡する時期、連絡を受ける時期を申し出た場合に、正当な理由がないのに、債務者に電話をかけたりFAXを送信したり、家に訪問すること
  3. 正当な理由がないのに、債務者の勤務先や自宅以外の場所に電話、電報、FAX、訪問すること
  4. 債務者を訪問した場所において、債務者からその場から退去するように意思表示されたにもかかわらず退去しないこと
  5. 債務者の私生活に関する事実を債務者以外に明らかにすること
  6. 債務者に対し、債務者以外の者から金銭の借入その他これに類する方法により、貸付の契約に基づく債務の弁済資金の調達を要求すること
  7. 債務者以外の者に対し、債務者に変わって弁済することを要求すること
  8. 債務者以外の者が、債権の取り立てに協力することを拒否している場合において、債権の取り立てに協力することを要求すること
  9. 債務者が弁護士や司法書士に貸付の契約に基づく債権にかかる債務の処理を委託、または民事事件の手続きを取り、弁護士や裁判所から書面による通知があった場合に、正当な理由無く債務者に電話、電報、FAX、訪問などにより債務の弁済を要求すること。
  10. 債務者に対して1~9のいずれかに該当する言動をすることを告げること

正当な理由とは

禁止事項の中に「正当な理由がない」という言葉が出てきます。

正当な理由とは?と思うかもしれませんが、具体的には以下の様なことを指します。

①の場合の正当な理由の例

  • 債務者の自発的な承諾がある時
  • 債務者と連絡を取る合理的な方法がない時

債務者の申出で夜10頃に電話をかけてきて欲しいと言われた時などは、連絡する正当な理由に該当するということですね。

②の場合の正当な理由の例

  • 債務者からの弁済や連絡について具体的な期日の申し出がない時
  • 債務者から弁済や連絡に関する申し出が履行されていない時
  • 通常の返済約定を著しく逸脱した申し出がされた時

債務者から返済期日を約束してもらえない時や、約束した日に返済しなかった場合、返済期日が数ヶ月後や数年後など、常識から外れた回答をされた場合などは、連絡する正当な理由に該当するということですね。

③の場合の正当な理由の例

  • 債務者の自発的な承諾がある時
  • 債務者と連絡を取る合理的な方法がない時
  • 債務者の連絡先が不明な場合に、債務者の連絡先を確認することを目的として、債務者以外の者に電話連絡すること

債務者と連絡が取れないと取り立てのしようがないので、引っ越しや電話番号の変更などで連絡が取れなくなった時には、連絡先を確認するために、会社以外の場所に電話することは認められています。

⑨の場合の正当な理由の例

  • 弁護士や司法書士から承諾がある場合
  • 弁護士や司法書士から、債務者の委任が終了した旨の通知があった時

借金返済について、弁護士や司法書士に依頼した場合、それ以降は貸金業者が債務者に直接連絡することができなくなりますが、弁護士などの承諾がある場合や、委任契約が終了した場合は、直接連絡することができます。

取立てにおける書面

貸金業者が支払い催促の書面を債務者に送付する時には、記載しなければならない事項が決められています。

  1. 貸金業者の名称、住所、電話番号
  2. 書面または電磁的記録を送付する者の氏名
  3. 契約年月日
  4. 貸付金額
  5. 貸付利率
  6. 支払い催告にかかる債権の弁済期
  7. 支払い催告する金額
  8. 支払い催告時におけるその催告にかかる残存債務の額
  9. 支払い催告する金額の内訳(元本、利息、賠償額など)
  10. 書面または電磁的記録を保証人に送付する場合は、保証契約の契約年月日、保証債務の極度額、保証人が負担する債務の範囲

これらの文言を8ポイント以上の大きさの文字で正確に記載しなければなりません。

消費者金融から借り入れした場合、返済期日から1~3日ほど遅れると電話がかかってきます。

その後支払いを行わずに2~3ヶ月経過すると支払督促状が届くはずです。

最近は、厳しい取り立てが行われることはありませんが、取り立てを消費者金融が行わずに、債権回収代行業者が督促を行ったり、裁判して給料を差し押さえるケースが多いです。

昔のように怖い思いをすることはなくなっていますが、機械的に回収される事が多いです。債務整理しない限り取立ては続きます。お金を借りる時は、計画的に自分で返せる範囲で借りるようにしましょう。

貸金業者の債権譲渡

借金の返済が遅れた場合、基本的には債権者である貸金業者が取り立てを行いますが、電話や督促状などによる通知で返済に応じない場合、別の業者に債権が譲渡される可能性があります。

債務者に返済能力がない場合、どれだけ催促しても返済してもらうことはできません。裁判で給料の差し押さえをすることもできますが、手続きには手間や費用がかかるので、そこまで行く前に債権譲渡します。

債権を譲り受けた人のことを譲受人(ゆずりうけにん)と言いますが、譲受人は債権を買い取り、債務者に対して取立てを行います。貸金業者からの債権の買取額は、融資額の半額ほどと言われています。

債権者が変わると取立てが厳しくなる?

譲受人に債権が譲渡された後に、譲受人が貸金業法に関係なく、自由に取り立てができるとしたら、問題があります。

そのため、暴力団などの取立制限者に債権を譲渡することは禁止されており、譲受人が取り立てする場合でも、貸金業者(譲渡人)と同じような規制を受けます。

なお、債権が譲渡される場合は、債務者に対し、債権が譲渡され債権者が代わる旨の通知が来ます。債務者は債権が譲渡されることに対して、異議を唱えることはできません。

債権譲渡は、債務者の返済が滞った場合だけではなく、金融機関の組織変更で会社が代わる場合や、金融機関が倒産して債権が譲渡される場合などもあります。

万が一、債権譲渡後の取立てに暴力団のような人が来たり、法律に違反する取立て行為が行われた場合は、弁護士などに相談するのが良いでしょう。

取立て制限者とは

債権の譲渡が認められない人
  1. 暴力団員など
  2. 暴力団員などがその運営を支配する団体またその構成員
  3. 取り立て行為の規制に違反し、または刑法・暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯すおそれが明らかな者

暴力団員または暴力団員ではなくなった日から、5年が経過していない人が「暴力団員など」と呼ばれる人です。

これらに該当する人に債権を譲渡することは法律で禁止されています。

保証業者が債権譲渡を受ける場合

融資に関して保証業者の保証を受けていた場合、借金の返済が滞ると、保証業者が債務者に代わって貸金業者に弁済することになります。

たとえば、保証業者が貸金業者に50万円の弁済を行った場合、保証業者は債務者に対して50万円の返還を求める権利を有することになります。

保証業者が弁済した時点で、保証業者が債権を受け取った形になるので、貸金業者と保証業者との保証契約も債権譲渡等と同様に規制されます。

  1. 保証業者に対して、貸付の契約に基づく債務の弁済を他人に委託する時は、一定の規制や罰則があることを書面で通知しなければならない
  2. 保証業者が取立制限者であることを知っている場合、または知ることができる時は、保証契約を締結することはできない
  3. 緊密な関係にある保証業者と保証契約を締結する時は、保証業者が取り立て行為の規則の規定に違反し、または刑法・暴力行為処罰に関する法律の罪を犯さないように、相当の注意を払わなければならない

債権を譲渡する場合でも、保証会社を利用する場合でも、貸金業者は相手を選ばなければなりません。

大手消費者金融ならまともな譲受人に譲渡されますが、中小の消費者金融の場合はわからないので、厳しい取り立てが行われた時は、弁護士などに相談しましょう。

譲受人への通知義務

貸金業者は債権を譲渡する場合は、譲受人に対し、一定の事項を書面または電磁的方法により通知しなければいけないことになっています。

  1. 債権が貸金業者の貸付に係る契約に基づき発生したこと
  2. 譲受人がその債権に係る貸付の契約に基づく債権に関してする行為について、次の貸金業法の規制の適用および罰則があること
    (1)帳簿の備え付け・閲覧
    (2)生命保険契約の締結に係る制限
    (3)生命保険契約に係る同意前の書面の交付
    (4)特定公正証書に係る制限
    (5)公的給付に係る預金通帳などの保管などの制限
    (6)契約締結時の書面の交付
    (7)保証契約締結前の書面の交付
    (8)受取証書の交付
    (9)債権証書の返還
    (10)取立て行為の規制
    (11)報告徴収および立入検査
    (12)債権譲渡などの規制
  3. 契約締結時の書面の記載事項
  4. 極度方式貸付に係る契約に基づく債権であるときは、極度方式基本契約に係る契約時の書面の記載事項
  5. 保証契約を締結した時は、保証契約書面の記載事項
  6. 譲渡年月日およびその債権の額

債権者は譲受人に対して、貸金業者と同様の規制を受けることを通知しなければならないので、変な業者に債権が譲渡される可能性は低いです。

指定信用情報機関への情報提供

貸金業者は、貸付の契約をする時に、顧客の収入や信用力などを調査しなければいけないことになっています。

貸金業者が、返済能力のない人にお金を貸すことは、法律で禁止されています。

返済能力の調査では、指定信用情報機関のデータが利用されます。

指定信用情報機関の公式サイト

この2社が内閣総理大臣から指定を受けた信用情報機関です。

住宅ローン、カーローン、カードローン、割賦販売などを利用する時には、必ず個人信用情報機関のデータが確認されています。

指定信用情報機関への個人情報の提供

貸金業者は、個人を相手に貸付の契約を行った場合は、指定信用情報機関に個人信用情報を提供しなければならないことになっています。

申込者や利用者の情報提供
  • 氏名、住所、生年月日、電話番号
  • 勤務先の名称
  • 運転免許証番号
  • 契約年月日
  • 貸付金額
  • 貸付残高
  • 元本または利息の支払遅延の有無

これらの情報が信用情報機関に送られます。

どこの貸金業者で借りてもデータが参照されるので、過去に債務整理や長期延滞などの事故情報(異動情報)がある場合は、借入の審査に通らない可能性があります。

これはCICの信用情報の開示請求を行った時に送られてくる書類の一部です。

氏名、生年月日、電話番号、住所、勤務先などの属性情報とともに、借入履歴などが載っています。返済状況の欄に「異動」という文字があると、事故情報ありということで、審査に落ちる可能性が高くなります。

返済時の入金情報も記録されています。「$」は正常な入金処理です。この欄に「P」「A」「B」「C」のマークがあると未入金の状態です。「R」はお客様以外からの入金です。

情報提供を受けることに対する許可

貸金業者は、指定信用情報機関に信用情報の提供を依頼する時に、利用者に同意を得なければなりません。

消費者金融などの審査を受ける際の申込みの時に、サイトや書面に、信用情報の提供を受けることが書かれているはずです。

携帯電話の機種代金の分割払いを利用する際にも、「CICに確認させて頂きます」といった事を言われますよね。

貸付契約を行う時の許可

貸金業者は、個人と貸金契約を締結する際には、あらかじめ利用者に以下の同意を得なければなりません。

貸付契約の同意
  1. 個人信用情報を指定信用情報機関に提供する旨の同意
  2. 提供した個人信用情報を指定信用情報機関が他の加入貸金業者に提供する旨の同意
  3. 個人信用情報を依頼に応じて、他の指定信用情報機関の加入貸金業者に提供する棟の同意

個人信用情報を管理している団体は複数ありますが、各指定信用情報機関の間でデータがやり取りされているので、過去の事故情報などはごまかせません。

貸金業法で定められている収入証明書の提出条件

収入証明書の提出条件
  1. 1社の利用限度額が50万円を超える場合
  2. 複数社の借入額の合計が100万円を超える場合

上記の場合には、収入証明書の提出が義務付けられています。

これに加えてプロミスでは、収入証明書の発行日から3年経過した場合や、勤め先に変更があった場合に再度提出の必要があり、アイフルでは就業状況の確認や審査の過程で提出を依頼された場合に提出の必要があります。

収入証明書は一度提出すればよいというものではなく、長い期間キャッシングを利用するには、再度提出を求められることもあります。

収入証明書類とは

消費者金融で認められる収入証明書類は以下の通りです。

収入証明書の種類 交付先
源泉徴収票 勤務先から発行。紛失した場合は、会社に再発行を依頼。
給与明細書 勤務先から発行。直近2ヶ月分または3ヶ月分。賞与がある場合は賞与明細を提出。
確定申告書 税務署受付印または税理士印のあるもの。E-taxの場合は受付日時と受付番号の記載があるもの。
納税証明書 税務署で発行。
市民税・県民税決定通知書 市民税・県民税(住民税)決定通知書は市区町村から毎年発行。会社員は勤務先から受け渡し。
所得証明書(課税証明書) 市区町村本庁舎や各総合支所で発行。収入額と所得額の記載があるもの。

消費者金融ごとに認められる収入証明書類に若干の違いがありますので、よくご確認下さい。

書類によって手元にありすぐに提出できるものもありますが、交付先にわざわざ取りに行かなくてはならないものもあります。

始めから50万円超の借り入れを考えている方は、身分証明書の他に収入証明書の用意もしておきましょう。

収入証明書が提出できない場合

収入証明書の提出が必要なのに提出できない場合は、利用限度額が減額され50万円以下の融資額になったり、借り入れが停止されることもあります。

収入証明書が提出できないからといってカードローンの審査に落ちることはありませんが、提出した方が信用度は高くなります。

書類の用意が面倒という方は、収入証明書の提出が不要な50万円以下の限度額で申し込むことをおすすめします。

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この記事の著者(専門家)

株式会社アルビノ代表取締役。ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。カードローン利用歴16年。現在は消費者金融3社、銀行カードローン3社の契約あり。
個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資で借りた経験があります。
FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。
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代表者 竹内潤平
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住信SBIネット銀行
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