銀行カードローンの貸付残高推移【カードローンの市場規模調査】
カードローンは、銀行や信用金庫などの銀行系と、消費者金融や信販会社などの貸金業者があります。
銀行カードローン利用者は右肩上がりで増えていましたが、銀行の過剰融資が問題視されてからは利用者が減っています。
2017年以降は銀行が自主規制する形で、カードローン審査の厳格化を実施したことで、伸び率は落ち着きました。
今後もカードローンが銀行収益の大きな部分を占めると思いますが、以前のような勢いはなくなるでしょう。
カードローンの貸付残高を見ると2013年度までは、貸金業者の残高が銀行の残高を上回っていましたが、2014年度末に両者が逆転し、それ以降は銀行が差を広げています。
2014年度末(2015年3月)では、貸金業のカードローン残高が4兆4837億円、銀行系カードローン残高が5兆1795億円でした。
2018年度末(2019年3月)は、消費者金融とクレジット業53社の貸付残高は4兆1895億円で、銀行系カードローンの残高は5兆7064億円です。
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大手銀行カードローンの貸付残高
銀行 | 15.3末 | 16.3末 | 17.3末 |
---|---|---|---|
三井住友銀行 | 5,429億円 | 6,057億円 | 6,499億円 |
三菱UFJ銀行 | 3,114億円 | 3,716億円 | 4,352億円 |
楽天銀行 | 3,129億円 | 3,532億円 | 3,861億円 |
住信SBIネット銀行 | 794億円 | 1,108億円 | 1,316億円 |
オリックス銀行 | 643億円 | 958億円 | 1,187億円 |
銀行 | 18.3末 | 19.3末 | |
---|---|---|---|
三井住友銀行 | 6,426億円 | 6,178億円 | |
三菱UFJ銀行 | 4,615億円 | 4,649億円 | |
SBI新生銀行 | 2,873億円 | 2,643億円 | |
楽天銀行 | 4,014億円 | 4,059億円 | |
住信SBIネット銀行 | 1,419億円 | 1,386億円 | |
オリックス銀行 | 1,206億円 | 1,122億円 |
※月刊消費者信用2019年7月号
2018年ごろから銀行の自主規制によりカードローン残高が減少傾向にあります。
みずほ銀行もカードローン商品を提供していますが、カードローンのみの残高は未公表のようです。
不況が続いたことで住宅ローン金利が下がり、優良法人への貸付に苦慮する中、銀行は個人向けカードローンに力を入れています。
しかし、銀行の過剰融資が問題視された2017年以降は、各銀行が貸付に厳しくなっているため、2017年までのように残高が急増することもなくなりました。
銀行カードローンの金利は、「下限金利が1~4%前後」、「上限金利が13~18%前後」になっている事が多いです。
消費者金融よりも低金利で、2017年までは即日融資もできたので、銀行カードローンの方が人気がありました。今はまた審査時間の早さで消費者金融を選ぶ人が増えています。
銀行カードローンの貸付残高推移
国内銀行のカードローンの残高の推移です。参考として貸金業者の貸付残高も併せて載せておきます。
貸金業者は消費者金融とクレジット業者53社の貸付残高推移です。
年月 | カードローン残高 | 貸金業53社 |
---|---|---|
2006.3 | 35,052億円 | |
2007.3 | 34,335億円 | |
2008.3 | 33,451億円 | |
2009.3 | 32,844億円 | |
2010.3 | 32,915億円 | |
2011.3 | 32,554億円 | 66,468億円 |
2012.3 | 33,124億円 | 53,522億円 |
2013.3 | 35,442億円 | 47,111億円 |
2014.3 | 41,097億円 | 41,627億円 |
2015.3 | 46,117億円 | 40,337億円 |
2016.3 | 51,227億円 | 40,245億円 |
2017.3 | 56,024億円 | 40,615億円 |
2018.3 | 58,186億円 | 41,143億円 |
2019.3 | 57,064億円 | 41,895億円 |
※月刊消費者信用2019年7月号
改正貸金業法は2006年に可決・成立し、2010年に完全施行されました。
2010年までは消費者金融などの貸金業者からお金を借りる人が多かったですが、2010年以降は銀行から借りる人が増えています。
2011年は東日本大震災の影響で、前年比でマイナスになっていますが、2012年以降は増加率が増え、2014年以降は二桁の伸びを見せています。その分、貸金業者の残高が減っています。
2018年度は伸長率が3.7%と落ち着いています。これは各銀行が審査を厳しくしたり、収入が少ない人に対する限度額を下げたためです。
銀行は広告出稿数を抑えたり、限度額50万円超で収入証明書を求めるなど、過剰融資に対する自主規制を行っています。
改正貸金業法で変わったこと
- 改正貸金業法のポイント
-
- 総量規制により年収の3分の1を超える借り入れができなくなった
- 1社からの借入限度額が50万円を超える場合、複数社からの借入額が100万円を超える場合は収入証明書の提出が必要になった
- 借入審査の際に、必ず顧客の個人信用情報を照会する
- 信用情報機関のCICとJICCがCRINにより個人信用情報を共有
総量規制の影響で専業主婦や無職などの収入がない人は、消費者金融や信販会社から借入することができなくなりました。
総量規制には除外と例外があるので、配偶者貸付により専業主婦が貸金業者から借入することはできますが、大手消費者金融は専業主婦の申込みを受け付けていません。
銀行や信用金庫などの貸金業者以外からの借り入れなら、これらの項目は該当しません。
ただし、銀行カードローンなら収入が低い人でも簡単に沢山借りられるわけではありません。
銀行は消費者金融よりも厳しい審査が行われており、審査通過率は銀行カードローンの方が低くなっています。
2017年以降の銀行の自主規制
2016年末に銀行の過剰融資が問題となり、2017年からは銀行は個人向け融資に対して態度を改めています。
消費者の返済能力をしっかりチェックするようになり、メガバンクでは限度額50万円超の限度額を設定する際に収入証明書の提出を求めるようになっています。
銀行は貸金業法の影響を受けないため、50万円超で収入証明書を求めるのは義務ではありませんが、メガバンクは今回の過剰融資問題を重く受け止めて自主規制を行っています。
他にも専業主婦などの無収入者への貸付を停止したり、最高限度額の引下げ、金利が低い特別なプランを撤廃、即日融資の撤廃などを行っています。
広告・宣伝の抑制面では、総量規制対象外や収入証明書不要などの過剰な借り入れを助長しかねない文言の使用禁止、TVCMの停止、過剰借入を抑制するための注意喚起などを行うようになりました。
2010年以降、銀行カードローンの貸付残高はどんどん増えていましたが、2017年以降は緩やかになるでしょう。審査基準などを公表していませんが、実際に審査通過率や限度額などに変化が見られるようになっています。
私が使っているカードローン
- プロミスのおすすめポイント
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- 原則、勤務先への電話確認なし
- 最短3分で融資
- カードレス契約も可能
- 原則24時間最短10秒で振込融資
- 学生アルバイトでも借りられる
- クレジット機能付きのプロミスVisaカードあり
- SMBCグループ
※申込時間や審査により希望に添えない場合あり
この記事の著者(専門家)
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株式会社アルビノ代表取締役。ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。カードローン利用歴16年。現在は消費者金融3社、銀行カードローン3社の契約あり。
個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資で借りた経験があります。
FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。
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設立 | 2014年10月20日 |
資本金 | 1000万円 |
事業内容 | ライフプラン・コンサルティング マネープランニング相談 資産運用アドバイス |
主要取引銀行 | 三菱UFJ銀行 住信SBIネット銀行 |
法人番号 | 7011101071501 |
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