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株式会社アルビノ代表取締役。ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。カードローン利用歴16年。現在は消費者金融3社、銀行カードローン3社の契約あり。
個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資で借りた経験があります。
FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。

制度融資の審査に落ちる理由とデメリット

制度融資は自治体が利子補給してくれるので、中小企業がお得に借りられます!

中小企業がお金を借りる方法として、第一候補になるのが日本政策金融公庫の融資制度です。公庫の一般貸付と呼ばれるもので、多くの中小零細起業がお世話になっています。

商工会議所からの推薦を受けて公庫から融資を受けるものを「マル経融資」と言います。マル経融資は推薦を受けるまでに時間がかかりますが、申込まで行ければ審査に通る可能性は高くなります。

その他にも中小企業が利用できる融資として、都道府県が行っている「制度融資」と呼ばれる融資があります。都道府県や市区町村、金融機関、信用保証協会の3つが協力して融資を行います。

制度融資は民間金融機関の融資よりも低金利で借りられるのが大きなメリットです。審査に時間がかかるのがデメリットですが、余裕を持って申し込める企業にはおすすめです。

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制度融資とは

制度融資とは、都道府県や市区町村などの自治体が金融機関と連携して提供する融資制度です。自治体、金融機関、信用保証協会が協力して中小企業に融資を行います。

自治体の役割
制度融資は自治体や商工会議所が相談受付窓口になっています。自治体を通して金融機関に申し込む形になります。金融機関に支払う利子を一部補助(保証協会に支払う信用保証料を一部補助)してくれます。
保証協会の役割
審査に通れば保証協会が信用保証してくれます。借主が返済できなかったときは保証協会が弁済します。保証料は利用する地域によって異なります。
金融機関の役割
融資を実行するのが金融機関です。金融機関は自治体などを通して制度融資の申込を受け付けています。地方銀行、信用金庫、信用組合など地域の金融機関で制度融資に関する相談をすることもできます。

自治体は申込者の信用保証料を補助し、金融機関に対しては貸付資金の一部を預託し利用者の金利負担を軽減します。

保証協会は保証業務を行っており、申込者から信用保証料を受け取り、返済できなくなったときに債務者に代わって借入金を弁済します。

制度融資は、中小企業が金融機関からお金を借りる際の負担を軽減してくれる大きなメリットがありますが、融資までに2~3ヶ月かかる審査の遅さがデメリットです。

制度融資の限度額

制度融資は利用する自治体によって内容が変わりますが、例として東京都中小企業制度融資をご紹介します。

東京都の制度融資は、東京都と指定金融機関、東京信用保証協会の三者が協調し提供している融資制度です。

融資メニュー 融資限度額 融資期間 利率
DX・イノベ・ 産業育成支援 2億8,000万円 15年以内 1.7~2.2%
働き方改革支援 2億8,000万円 15年以内 1.7~2.2%
金融機関提案 2億8,000万円 金融機関所定 金融機関所定
小口フリーランス 2,000万円 運転7年
設備10年
1.9~2.5%
事業一般 2億8,000万円 運転7年
設備10年
金融機関所定
補助金・助成金つなぎ 1億円 10年以内 1.7~2.2%
創業融資 3,500万円 運転7年
設備10年
1.9~2.5%
販路開拓融資 2億8,000万円 10年以内 1.7~2.2%
設備投資 2億8,000万円 15年以内 1.7~2.4%
経営強化 2億8,000万円 10年以内 1.7~2.2%
事業承継 2億8,000万円 10年以内 1.7~2.2%
M&Aつなぎ 2,500万円 3年以内 1.7%以内
災害復旧 8,000万円 10年以内 1.7%以内
危機対応 2億8,000万円 10年以内 1.5~2.0%
事業転換 2億8,000万円 15年以内 1.7~2.2%

※「東京都中小企業制度融資」より

制度融資は融資内容によって融資限度額や融資期間(据置期間)が大きく異なります。利率は概ね1.7~2.5%と低金利です。

最大で2億8,000万円借りられますが、この金額は銀行の保証付き融資で借りるときの最大融資額と同じです。

制度融資の審査に落ちる理由

制度融資は銀行の保証付き融資よりも審査が甘いと言われていますが、マル経融資よりも必要書類が多く決算書なども厳しくチェックされます。

審査落ちに注意
  • 直近の決算(確定申告書)内容が悪い
  • 資金の使い道をうまく説明できない
  • 返済計画に無理がある
  • 面談時の経営者の態度や印象が悪い

制度融資の審査で重要になるのは、財務健全性と事業の成長性です。赤字であっても問題ありませんが、赤字の原因や今後の対応策を説明できないと審査に不利になります。

中小企業の融資審査では、事業の成長性に疑問符が付くと審査に通りません。事業計画書を作成して今後の経営方針についてしっかり説明できるようにしておいてください。

銀行融資に限った話ではありませんが、申込者の服装や言葉遣い、態度なども審査の対象になります。スーツで行くのが基本ですが、作業着などで行く場合でも汚れていないキレイな服を選ぶようにしましょう。

制度融資のデメリット

  • 金利が低い(保証料が安い)
  • 長期間の借入が可能
  • 無担保・第三者保証人不要
  • 銀行融資よりも審査のハードルが低い
  • 自治体の経営支援などが受けられる
  • 設立後間もないスタートアップでも審査に通る
  • 自治体によって制度内容が変わる
  • 審査に時間がかかる
  • 上限金額が設定されている
  • 金融機関と信用保証協会の審査に通る必要がある

制度融資は自治体が行うものなので、居住する(会社がある)自治体によって制度の内容が変わります。

都道府県が行うものと市区町村が行うものがあり、選択肢が多く自分に適した借入先を探す手間がかかるのはデメリットかもしれません。

制度融資は自治体、金融機関、信用保証協会の三者がかかわるため手続きに時間を要し、申込から融資までに2~3ヶ月かかるのが一般的です。

銀行の融資なら申込から融資までに数週間~1ヶ月、ビジネスローンなら1週間以内で借りられることもあるので、それと比べるとかなり時間がかかります。

制度融資のメリット

  • 金利が低い(保証料が安い)
  • 長期間の借入が可能
  • 無担保・第三者保証人不要
  • 銀行融資よりも審査のハードルが低い
  • 自治体の経営支援などが受けられる
  • 設立後間もないスタートアップでも審査に通る
  • 自治体によって制度内容が変わる
  • 審査に時間がかかる
  • 上限金額が設定されている
  • 金融機関と信用保証協会の審査に通る必要がある

自治体が連携していることで保証手数料が安く、金利も低く抑えられます。一般的な金融機関の保証付き融資で借りるよりも低金利になります。

銀行融資はプロパー融資と保証付き融資があります。制度融資は保証付き融資と同等の審査基準ですが、自治体が連携することで審査のハードルが下がり、創業したばかりの信用力の低い会社でも借りやすくなります。

制度融資の流れ

一般的な制度融資の申込から融資を受けるまでの流れをご紹介します。

金融機関に制度融資の申込

金融機関が保証協会に保証申込

保証協会が保証審査

審査通過(保証承諾)

融資の実行

制度融資は自治体指定の金融機関の窓口で申し込み、金融機関を通じて保証申込が行われます。

利用する融資の内容によっては、保証協会、商工会議所(商工会)などでも申込を受け付けています。

制度融資では金融機関と保証協会が審査を行いますが、実質的には保証業務を行う保証協会が審査します。保証協会の保証が受けられれば融資は受けられます。

自治体は、信用保証料の一部を補助し、金融機関に貸付原資を預託することで、利用者の負担を軽減し融資を促進します。

東京都中小企業制度融資の特徴

制度融資の例として、東京都中小企業制度融資の申込み条件や必要書類などについて解説します。

申込条件
  • 中小企業者または組合
  • 都内に事業所があり、保証協会の保証対象となる業種を営んでいること
  • 事業税その他租税の未申告、滞納がないこと
  • 許可、認可、登録、届出等が必要な業種は、当該許認可等を受けていること
  • 現在かつ将来にわたって、暴力団員等に該当しないこと。暴力団員等が経営を支配していると認められる関係等を有しないこと及び暴力的は要求行為等を行わないこと

申込み条件は自治体によって大きく異なります。自治体によっては「同一事業を引き続き1年以上営業している、1期以上確定申告している」などの条件が付いています。事業年数が条件に付いている制度融資では、創業時の立ち上げ資金として借りることはできません。

東京都中小企業制度融資は、中小企業向けの融資なので大企業は受けられません。中小企業の基準は業種によって資本金や従業員数が決められています。

業種 資本金 従業員数
製造業等(建設業、不動産業、運送業、出版業などを含む。) 3億円以下 300人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業(飲食業を含む。) 5千万円以下 50人以下
サービス業 5千万円以下 100人以下
医療法人(*3) 条件なし 300人以下

設備投資のかかる製造業などは基準となる資本金や従業員数が多くなっています。小売業やサービス業は個人店のような小さな事業者も多いので、資本金や従業員数が少なくなっています。

必要書類

法人の場合
  • 信用保証委託申込書
  • 信用保証委託契約書
  • 個人情報の取扱いに関する同意書
  • 印鑑証明書(申込人及び連帯保証人のもの)
  • 商業登記簿謄本
  • 確定申告書(決算書)の写し(原則直近2期分)
  • 法人税又は事業税の納税の確認ができる書類
  • 見積書又は契約書の写し(設備資金の場合のみ必要)
個人の場合
  • 信用保証委託申込書
  • 信用保証委託契約書
  • 個人情報の取扱いに関する同意書
  • 印鑑証明書(申込人のもの)
  • 所得税の確定申告書の写し(原則直近2期分)
  • 所得税又は事業税の納税の確認ができる書類
  • 見積書又は契約書の写し(設備資金の場合のみ必要)

申込書・計画書等は各申込窓口あるので、実質的に必要になるのは印鑑証明書や登記簿、確定申告書、納税証明書などです。借りるお金を設備資金で使いたい場合は、見積書や契約書の提出も必要になります。

信用保証料

東京都中小企業制度融資の信用保証料は、責任共有制度の対象・対象外によって異なります。

責任共有制度とは、従来は原則100%保証だった保証付き融資を、金融機関が20%、信用保証協会が80%の割合で責任を共有する制度です。

原則すべての保証が責任共有制度の対象となりますが、「経営安定関連保証(セーフティネット保証)1号~6号」「災害関係保証」「事業再生保証」「小口零細企業保証」など一部は対象外となります。

責任共有制度の対象となる場合

区分 信用保証料率
500万円以下 0.27~1.19%
1,000万円以下 0.33~1.33%
1,000万円超 有担保 0.35~1.39%
無担保 0.45~1.49%

責任共有制度の対象外となる場合

区分 信用保証料率
500万円以下 0.30~1.38%
1,000万円以下 0.37~1.54%
1,000万円超 有担保 0.40~1.62%
無担保 0.50~1.72%

東京都が信用保証料の一部を補助することで、一般的な信用保証料よりも低い保証料率になっています。

保証人・担保

東京都中小企業制度融資では、連帯保証人は不要です。※法人代表者が個人保証を要する場合あり

法人であっても不動産担保を提供した場合や、法人と代表者が分離されていて債務超過でない場合などの要件を満たすと法人代表者の個人保証が不要となります。

既存の保証付融資残高と新規の保証付融資額の合計が8,000万円以下の場合は担保は不要です。8,000万円を超える場合は、物的担保が必要になります。

取扱金融機関

普通銀行 足利、阿波、伊予、SBJ、愛媛、大垣共立、香川、北日本、京都、きらぼし、きらやか、群馬、京葉、高知、埼玉りそな、静岡、静岡中央、常陽、スルガ、大光、第四北越、大東、千葉、千葉興業、中国、筑波、東京スター、東邦、東和、徳島大正、栃木、富山第一、八十二、東日本、百十四、北陸、みずほ、三井住友、三井住友信託、三菱UFJ、武蔵野、山口、山梨中央、横浜、りそな
信用金庫 青木、朝日、足立成和、青梅、亀有、川崎、興産、小松川、西京、さわやか、芝、湘南、城南、城北、昭和、巣鴨 西武、世田谷、瀧野川、多摩、東栄、東京、東京三協、東京シティ、東京東、東京ベイ、飯能、目黒、横浜
信用組合 あすか、東、共立、江東、七島、青和、全東栄、第一勧業、大東京、東京厚生、東浴、中ノ郷、ハナ、文化産業
政府系金融機関 商工組合中央金庫
漁協・農協系統金融機関 東日本信用漁業協同組合連合会(令和3年4月~)、東京都信用農業協同組合連合会

東京都中小企業制度融資は、都市銀行や東京に支店のある地方銀行や信用金庫で取り扱っています。

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プロミスのおすすめポイント
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この記事の著者(専門家)

株式会社アルビノ代表取締役。ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。カードローン利用歴16年。現在は消費者金融3社、銀行カードローン3社の契約あり。
個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資で借りた経験があります。
FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。

運営者情報

会社名 株式会社アルビノ
代表者 竹内潤平
住所 〒160-0023
東京都新宿区西新宿3-3-13 西新宿水間ビル6階
電話番号 03-6914-6178
※電話対応はしていません。
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設立 2014年10月20日
資本金 1000万円
事業内容 Webマーケティング支援
ライフプラン・コンサルティング
メディア運営
主要取引銀行 三菱UFJ銀行
住信SBIネット銀行
法人番号 7011101071501
本社所在地 〒176-0012
東京都練馬区豊玉北4-4-5
インボイス登録番号 T7011101071501

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