子どもが大きくなるにつれて保護者にのしかかる高額な学費…進学させてあげたいけど費用が心配…そんな時に利用を考えたいのが教育ローンです。

教育ローンには、銀行や信用金庫など民間の金融機関が取り扱っているものの他に、国が貸付を行っているものがあります。

このページでは、国の教育ローンと呼ばれる日本政策金融公庫の教育一般貸付と日本学生支援機構の奨学金についてご紹介します。

国の教育ローン

日本公庫の教育一般貸付は、低金利で安心して借りられる国の教育ローンです。

国の教育ローンとは
  • 日本政策金融公庫の教育一般貸付のこと
  • 低金利
  • 受験前でも申込可能
  • 融資限度額350万円まで
  • 所得制限あり

国の教育ローンは民間金融機関の教育ローンよりも金利が低いです。

所得制限もありますが、低所得でなければ借りられないというわけではありませんので、多くの方が利用しています。

所得制限

国の教育ローンを利用するには、学生の保護者の世帯年収に上限があります。

国の教育ローンの所得制限
  • 保護者の世帯年収に上限がある
  • 所得制限は子の人数によって異なる
  • 資金使途や世帯の状況により上限額が緩和される

扶養している子どもの人数によって世帯年収の上限額が異なります。

子どもの人数 給与所得 事業所得
1人 790万円 600万円
2人 890万円 690万円
3人 990万円 790万円
4人 1,090万円 890万円
5人 1,190万円 990万円

例えば、子どもが2人で給与所得の場合には、世帯収入が890万円以下なら申し込みできます。事業所得の場合は690万円以下となっています。

子どもが2人以内の方は、条件を満たすと世帯年収の上限額が緩和される場合もあります。

世帯年収の上限額緩和条件

下記のどれかひとつでも該当する場合には、給与所得で990万円まで、事業所得で790万円まで上限額が緩和されます。

  • 勤続(営業)年数が3年未満
  • 居住年数が1年未満
  • 世帯のいずれかの人が自宅外通学者
  • 申込人または配偶者が単身赴任
  • 使途が海外留学資金
  • 年収に占める借入金返済の負担額が30%超
  • 親族等に要介護(要支援)認定を受けていてその介護費用を負担
  • 大規模な災害により被災した
  • 新型コロナの影響を受けて世帯収入が減少した

また、昨年の世帯年収が上限額を超えていても、今年の世帯年収が上限額以内になる見込みの方は、借り入れできる場合があります。

融資限度額

教育一般貸付の融資限度額は、子ども1人につき350万円です。

融資限度額
  • 子ども1人つき350万円まで
  • 一定要件に該当する方は450万円まで

子ども2人分の融資を受けたい場合には、子どもひとりひとりにそれぞれ350万円まで借り入れできます。

以下の要件に該当する方は最大450万円まで借入可能

  • 自宅外通学
  • 修業年限5年以上の大学(昼間部)
  • 大学院
  • 海外留学

融資限度額の範囲内であれば、複数に分けて借り入れすることも可能です。まずは受験費用を借りて、次に入学金・前期授業料を借りて…というような方法もできます。

金利

国の教育ローンは、金利年1.80%(令和4年5月2日現在)で低金利で借りられます。

金利
  • 年1.80%(令和4年5月2日現在)
  • 返済期間最長18年
  • 固定金利で完済まで金利が変わらない
  • 要件を満たす方は金利優遇

日本政策金融公庫の教育ローンは、低金利の年1.65%で最長15年の長期返済で融資を受けることができます。

固定金利となっていますので、完済まで金利が変わりません。借入時の金利がずっと続いて安心ですね。

下記に該当する場合には優遇制度あり

  • 母子家庭
  • 父子家庭
  • 世帯年収200万円(所得132万円)以内
  • 子ども3人以上で世帯年収500万円(所得356万円)以内

該当する方は、金利の低減や返済期間の延長といった優遇が受けられます。

具体的には標準金利からマイナス0.4%となり年1.40%となります。

返済期間と返済方法

返済期間は18年以内で、返済方法は元金と利息を合わせた毎月一定額を返済する元利均等返済となっています。

返済期間・返済方法
  • 返済期間は18年以内
  • 返済方法は元利均等返済、ボーナス月に増額も可能
  • 返済は借入日の翌月または翌々月から
  • 在学期間は利息のみの返済も可能

国の教育ローンの返済期間は最長18年です。

返済は借入日の翌月または翌々月から始まりますが、在学期間(子どもが卒業するまでの期間)は利息のみの支払いにすることもできます。なお、利息のみ支払っている期間も返済期間に含まれます。

資金使途

教育一般貸付の使い道は、入学金や学費の他に、受験にかかる費用や住居にかかる費用など、様々な用途に対応しています。

  • 学校納付金(入学金、授業料、施設設備費等)
  • 受験にかかる費用(受験料、受験の際の交通費、宿泊費等)
  • 在学のための住居費用(アパート、マンション等の敷金・家賃等)
  • 教科書代、教材費、パソコン購入費、定期代、修学旅行費、学生の国民年金保険料等

日本政策金融公庫の教育ローンは、合格前の受験費用も借り入れできます。

意外とかかるのが受験料、受験時の交通費、宿泊費だと思います。いくつかの学校を受験する場合には尚更かかりますね。

日本公庫ではいつでも申し込みできるので、入学前に納める入学金や前期授業料を借りることができます。

※日本学生支援機構の奨学金制度の場合は、入学後に毎月振込みされる形です。入学時特別増額貸与奨学金という奨学金もありますが、入学金には間に合いません。

申込方法

申し込みはインターネットで24時間いつでもできます。

インターネット以外には、郵送でも申し込みできますし、全国にある支店に来店して申し込むこともできます。教育コールセンターで電話での申し込みも受け付けています。

申込方法 備考
来店 平日9時~17時
インターネット 24時間365日いつでもOK
電話 平日9時~21時、土曜日9時~17時
郵送 資料請求、書類郵送の時間がかかる

見ていただくとわかる通り、一番スムーズな申込方法はインターネットです。

金融機関から借り入れするにあたり、お店へ行くのが普通ではないのか、インターネットで申し込むなんて不安…などと心配する方もいるかもしれませんが、今はインターネット申込が主流となっています。

来店に関しては近所に支店がある場合にはいいかもしれませんが、営業時間が平日の17時までとなっていますし、前日までに予約が必要です。

インターネットでの申し込みなら、自分の都合のいい時間に申し込みできます。土日でも夜遅くでも好きな時に手続きできるので、多くの方がネットから申し込んでいます。

申込できる場所

国の教育ローンの申込み、銀行や信用金庫、労働金庫等でも取り扱っています。

国の教育ローン取扱場所
  • 日本政策金融公庫各支店(全国152店舗)
  • 銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 労働金庫
  • 農協
  • 漁協
  • 沖縄振興開発金融公庫

日本政策金融公庫の店舗が近所にない場合には、上記の店舗を利用しましょう。

申し込みから融資までの手続き(インターネット)

申し込みから融資までの手続きの流れを見てみましょう。

ネット申込手順
  1. 必要書類を用意
  2. メールアドレス登録
  3. 申込フォームの入力
  4. 書類の提出方法を選択(アップロード、郵送)
  5. 申込内容の確認、申込完了
  6. 審査
  7. 審査結果の連絡
  8. 契約
  9. 融資

メールアドレス登録すると日本政策金融公庫からURLが届くので、そちらから手続きして必要事項を入力します。

必要書類の提出は、インターネットで画像をアップロードして提出する方法と、郵送で提出する方法があります。

郵送の場合は、必要書類が日本公庫に届いてから審査が始まります。

審査結果は10日前後に郵送で送られてきます。

審査結果が出るまでの期間

日本政策金融公庫の教育ローンは、申込完了から審査結果が出るまでに10日前後、口座に振り込まれるまでにさらに10日前後かかります。

ポイント
  • 申込完了から審査結果が出るまでに10日前後
  • 口座に振り込まれるまでにさらに10日前後
  • 最短20日前後~3ヵ月

日本政策金融公庫によると、教育ローンに申し込んでから口座に振り込まれるまでに20日前後かかるとしています。

Q:融資を申込みしてから実際にお金が振り込まれるまでにどのくらいかかりますか。

A:通常、お申込み完了から審査の結果が出るまでには10日前後、更に、ご融資金をお客さまの口座に振り込むまでに10日前後お時間を頂いております。
なお、入学シーズン(10月~3月)は、お申込みが非常に多くなり、上記以上にお時間をいただく可能性がございますので、お早めにお申込みください(必要時期の2~3ヵ月前がお申込みの目安となります)。

※引用元:日本政策金融公庫公式ホームページ

ただし、この20日前後はあくまでも目安であり、混雑時にはもっと長い期間がかかります。

審査結果の通知と共に提出書類の案内が届くので必要書類を揃えて郵送しますが、すぐ送り返さず郵送に時間がかかってしまうと、当然融資までに時間がかかります。

また日本公庫の教育一般貸付は、他の金融機関よりも低金利で借りられるので、非常に多くの人が申し込みます。

日本政策金融公庫は「必要時期の2~3ヵ月前がお申込みの目安」と言っていますので、余裕を持って2~3ヵ月前に申し込むと、必要な時にしっかりお金を用意できると思います。

仮に教育ローンに申し込んで必要なくなった場合にはキャンセルもできます。

融資までに最短で20日前後となっていますが、2~3ヵ月かかる可能性があることも考慮して、早めに申し込むようにしましょう。

申し込みに必要な書類

必要書類 備考
住民票の写しまたは住民票記載事項証明書 世帯全員が記載されたもの
運転免許証またはパスポート どちらもない場合には問い合わせ
源泉徴収票または確定申告書(控) 直近分のもの
預金通帳・入出金明細、領収書等支払状況のわかるもの 住宅ローン(家賃)と公共料金の両方の支払状況が確認できるもの。公共料金については2種類以上用意。

上記の書類は申し込む方全てに必要な書類です。

申込内容別必要書類

下記の書類は、申込内容によって必要になってくる書類です。

申込内容 必要書類
使途が入学資金 合格通知書、入学許可証等
使途が在学資金 学生証、在学証明書等/学校案内、授業料納付通知書等
自宅外通学 住民票の写し、不動産賃貸契約書、賃貸予定の物件明細等

教育ローンの使途が入学資金の場合には、合格通知書や入学許可証などの合格を確認できる書類が必要です。

合格前に申し込む場合には不要となっていますが、契約時までに提出する必要があります。

子どもが自宅外通学の場合には、住民票の写し、不動産賃貸契約書、賃貸予定の物件明細など、自宅外から通学することが確認できる書類の提出が必要です。

所得の上限額緩和対象者の必要書類

世帯年収の上限額緩和条件に当てはまる方は、以下の書類も必要となります。

要件 書類名
世帯の誰かが自宅外通学者 合格通知書、学生証等

住民票の写し(原本)、
不動産賃貸借契約書、
賃貸予定の物件明細等
借入申込人または配偶者が単身赴任 単身赴任が確認できる住民票の写し(原本)、公共料金の請求書等
親族等で要介護(要支援)認定を受けていてその介護費用を負担 自治体の認定通知書、介護保険料等
大規模な災害により被災 り災証明書、被災証明書等の原本

書類の提出方法は、インターネットだと画像をアップロード、郵送を希望する場合は書類を送ります。書類の種類によっては原本が必要です。

契約に必要な書類

審査に通ったら、審査結果のお知らせと共に送られてきた書類に必要事項を記入して、必要な書類を添えて日本公庫へ郵送または来店で提出します。

必要書類 備考
①ご融資のお知らせ(兼借用証書) 審査結果
②印鑑証明書 市区役所・町役場で入手
③合格を確認できる書類(合格通知書、入学許可書等)写し 入学資金として利用する場合
④預金口座振替利用届 金融機関の自動振替による返済希望の場合
⑤送金先口座の預金通帳 通帳の表紙および見開き1ページ目

①のご融資のお知らせ(兼借用証書)と④の預金口座振替利用書については、審査結果通知時に日本公庫から送られてくるものです。

その他の印鑑証明書、合格を確認できる書類(入学資金として利用する方のみ)、送金先口座の預金通帳のコピーは、各自用意しましょう。

対象となる学校

国の教育ローンの融資対象となる学校は、修業年限が6ヵ月以上(外国の教育施設は3ヵ月以上)で、中学校卒業以上を対象とする教育施設となっています。

  • 大学、大学院、短期大学
  • 専修学校、各種学校(予備校、デザイン学校等)
  • 高等学校、高等専門学校、特別支援学校の高等部
  • 外国の高等学校、短期大学、大学、大学院、語学学校等
  • その他の職業能力開発校等の教育施設

国の教育ローンは、高校の入学資金や受験費用としても借り入れ可能です。

日本学生支援機構の奨学金は、高校卒業後の大学や短期大学、専修学校等の資金が対象となっていますから、高校の資金が必要な方は奨学金よりも教育ローンがいいでしょう。

国の教育ローンと奨学金の違い

教育資金の借入先として、国の教育ローンと日本学生支援機構(JASSO)の奨学金はどちらがいいのか迷う方も多いのではないでしょうか。

JASSOの奨学金と国の教育ローンの違いは、まず契約者が学生本人か保護者かという点です。

奨学金は学生本人が借りて卒業後に返していくものであり、国の教育ローンは学生の保護者等が借りて返済するものです。

比較項目 国の教育ローン 奨学金(JASSO)
借りた人 原則保護者 学生本人
融資限度額 学生1人につき上限350万円 2~6.4万円(第一種)
2~12万円(第二種)
10~50万円(入学時)
金利

固定年1.80%
(2022年5月現在)

第一種(無利子)
第二種(有利子)※
申込期間 資金が必要な2~3ヵ月前 高校3年の春(予約採用)、大学等進学後4月(在学採用)
申込方法 インターネット、支店窓口、郵送 在学中の学校または進学先の学校
貸与方法 一括 毎月
返済開始 借りた翌月から
(在学中は利息のみの返済可能)
卒業後6ヶ月後から
返済期間 15年以内 借入額により変動

※第二種奨学金は年利3%が上限。利率固定方式0.537%、利率見直し方式0.040%(令和4年6月時点)。

上の表を見ていただくとわかる通り、国の教育ローンは一括で借り入れできるのに対して、奨学金は毎月定額が口座に振り込まれる形です。

例えば入学金と前期授業料の資金を借りたい場合には、入学前に申し込みできる教育ローンでないと間に合いません。奨学金の振込は大学等の生活が始まってから振り込みされます。

ただ、国の教育ローンは350万円までしか借り入れできないので、もっと多くの教育資金が必要な場合には、総額で考えると奨学金の方が借りられます。

国の教育ローンのメリット・デメリット

国の教育ローンのメリット
  • いつでも申し込みできる
  • 一括で振り込まれる
  • 入学金や受験費用に利用できる

国の教育ローンは、インターネットや支店でいつでも申し込みできます。ただし、借入した翌月から返済が始まるので、資金が必要な2~3ヵ月前に申し込むことをおすすめします。

一括で振り込まれる国の教育ローンは、入学前に振り込まなければならない入学金や前期授業料の支払いに充てることもできます。受験料や受験のための宿泊費用として借りることも可能です。

国の教育ローンはいつでも申込できるので、受験費用や入学する前に振り込む入学金や前期授業料に使うことができます。

国の教育ローンのデメリット
  • 350万円までしか借り入れできない
  • 卒業後に返済するとしてもローンを組んだ翌月から利息を支払う

国の教育ローンの上限額は350万円です。(一定の要件を満たす方は上限が450万円となります。)大学資金全てを希望する方には、350万円では足りないでしょう。

返済は原則借りた月の翌月、または翌々月から始まりますが、卒業後に返済することもできます。卒業後に返して行く場合には、在学中に利息を支払うことになります。

仮に100万円借入して返済期間を10年とした場合、在学中の4年間は利息分として毎月1,400円、卒業後に14,800円返済していきます。

奨学金のメリット・デメリット

奨学金のメリット
  • 給付型・貸与型の奨学金がある
  • 有利子の奨学金は金利が低い
  • 経済的に苦しい学生をサポートしてくれる
  • 卒業後6ヶ月後から返済が始まる

日本学生支援機構の奨学金は、返済義務のない給付型奨学金があります。経済的に苦しい学生にとって、大変助かる支援ですね。

また、貸与型奨学金も無利息の第一種と有利息の第二種の2種類あります。利息なしで借りられるのはとても助かりますし、利息ありの第二種奨学金の場合も低金利で借りられます。

奨学金は在学中に返済する必要はありません。卒業後6ヶ月後から返済が始まります。卒業後すぐではなく、仕事に慣れてくる6ヶ月後からというところがいいですね。

奨学金のデメリット
  • 募集時期が限られている
  • 年収条件があり誰でも利用できるものではない
  • 授業料として納めるには毎月貯めておく必要がある

JASSOの奨学金は、募集時期が決まっています。

予約採用の場合は、高校3年の春に学校から案内され、学校を通じて申込します。(申込時期は1回目が4~5月頃、2回目が6月頃3回目が7月頃で、学校によって採用スケジュールが異なります。)

在学採用の場合は、貸与型奨学金の募集が春にあり、給付型奨学金の募集は春と秋です。教育ローンのようにいつでも申し込みできるわけではありません。

奨学金は家計基準として世帯年収の上限が決まっています。基準よりも世帯年収が多い方は申し込みできません。

また、奨学金は入学後に毎月定額口座に振り込まれる形です。高校3年生のうちに申し込んでも、初回振込日は6月頃となっています。

入学前に納める入学金や前期授業料には間に合いませんし、後期授業料に充てる場合には貯めておく必要があります。(入学時特別増額貸与奨学金も入学後に振り込まれるので、入学金には間に合いません。)

国の教育ローンとJASSOの奨学金は併用可能

国の教育ローンと奨学金のどちらがいいのかは、これはケースバイケースだと思います。併用して借りている方もたくさんいます。

どっちがいい?
  • 条件に該当するなら給付型奨学金や無利息の第一種奨学金が良い
  • 入学金や前期授業料に使いたいなら国の教育ローン
  • 併用して借りることも可能

世帯年収の条件に合うなら無利息または低金利の奨学金を借りることが一番です。しかし、入学金や前期授業料として借りたい場合には、入学後に振り込まれる奨学金では間に合わないので、国の教育ローンを借りるのがいいでしょう。

奨学金の年収基準や学力基準を満たさない方は、教育ローンしかありません。

また、親が教育資金を返済したいと思うなら教育ローンがいいでしょうし、学生本人に自覚や責任を持って返済してもらいたいと思うなら奨学金ですね。

入学金や前期授業料の資金は国の教育ローンを借りて、その後は奨学金を借りる方も多いです。

どちらにしても借入額が多くなるほど返済が大変になりますので、計画的に借りることが大切です。

教育ローンの利用を考えるなら、低金利で借りられる日本政策金融公庫の教育一般貸付がおすすめです。国の教育ローンは入学前に借りることができるので、入学金や前期授業料の支払いに充てられます。

日本政策金融公庫とは

日本政策金融公庫は、通称「日本公庫」と呼ばれています。金融公庫や国金と呼ぶ方もいます。

正式名は、株式会社日本政策金融公庫です。株式会社となっていますが、国が株式の100%を常時保有することが法律で定められている特別な株式会社です。

日本政策金融公庫とは
  • 通称:日本公庫、金融公庫、国金
  • 公的金融機関で低金利の貸付を行う
  • 教育一般貸付、一般貸付、新規開業資金、新型コロナ特別貸付など

日本公庫は国の政策金融機関で、民間の金融機関よりも低金利で借りられることが特徴です。

貸付の種類は、一般貸付、新規開業資金、企業活力協力資金、マル経融資、災害貸付、新型コロナ融資など、事業を営む方のための貸付がほとんどですが、教育一般貸付として学生の保護者を対象にした貸付業務も行っています。

この教育一般貸付のことを「国の教育ローン」と呼んでいます。

日本学生支援機構奨学金の奨学金

現在では学生の約半数近くが奨学金を利用しています。2020年度調査によると、奨学金の受給率は48.6%となっています。

その内約8割の学生が利用しているのが「日本学生支援機構(JASSO)」の奨学金です。

日本学生支援機構とは?

日本学生支援機構「JASSO」とは、学生に奨学金の貸与や給付等を行う文部科学省所管の公的な機関です。

ポイント
  • 日本学生支援機構は国の機関
  • JASSO(ジャッソ)
  • 前身は日本育英会
  • 奨学金の貸与や給付を行う

日本学生支援機構は、Japan Student Services Organizatianの略称でJASSO(ジャッソ)と言います。

保護者世代の方は、奨学金と聞くと「育英会」を思い浮かべるかもしれません。JASSOの奨学金の前身は、日本育英会の奨学金事業です。

日本学生支援機構は、日本育英会、日本国際教育協会、内外学生センター、国際学友会、関西国際学友会が統合して平成16年に設立されました。

JASSOでは奨学金事業の他に、留学生支援事業や学生生活支援事業を行っています。

奨学金の種類

日本学生支援機構の奨学金には、「給付型奨学金」と「貸与型奨学金」の2種類あります。

奨学金の種類
  • 給付型(返済不要)
  • 貸与型(返済必要)

給付奨学金は返済不要で、貸与奨学金は返済が必要です。貸与型奨学金はさらに第一種と第二種に分かれています。

日本学生支援機構の奨学金は元々貸与型のみでしたが、2017年から給付型の奨学金も導入されました。

また、2020年4月から給付型奨学金の新制度が始まり、授業料や入学金の免除、減額の支援も受けられるようになりました。

給付型奨学金は返済の必要がないから利用したいと思うかもしれませんが、家計基準や成績基準等の条件が厳しいので、多くの学生が利用しているのは貸与型奨学金です。

給付型奨学金の申込条件

給付型奨学金の申込資格を見てみましょう。

申込資格

次のいずれかに該当する人(2023年進学予定の場合)

  • 2022年3月に高等学校等を卒業予定の人
  • 高等学校等を卒業後2年以内の人

上記のどちらかに該当する人が給付型奨学金の申込資格があります。

この条件だけみると誰でも申し込みできそうに思いますが、家計基準によってかなり限定されるので注意しましょう。

学力基準

  • 評定平均値が5段階評価で3.5以上
  • 進学しようとする大学等で学習意欲がある

成績だけで判断するのではなく、面談やレポートで学ぶ意欲があれば給付の対象者となります。(学習意欲の確認は、高等学校等で面談又はレポートの提出で行います。)

家計基準

  • 申込者本人の収入基準と資産基準のいずれにも該当

収入基準

区分 収入基準
第1区分 本人と生計維持者の市町村民税所得割が非課税
第2区分 本人と生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円以上25,600円未満
第3区分 本人と生計維持者の支給額算定基準額の合計が25,600円以上51,300円未満

資産基準

申込日時点で申込者本人と生計維持者(2人)の資産額の合計が2,000万円未満となっています。

給付型奨学金の対象者は、特に経済的に厳しい方です。

具体的には、住民税非課税世帯及びそれに準ずる世帯の学生や、生活保護を受給している世帯の学生、児童養護施設で生活している学生等が給付型奨学金の対象となっています。

支給額(月額)

給付型奨学金が月額いくらぐらい支給されるのか見てみましょう。

国公立の場合(大学、短期大学、専修大学)

区分 自宅通学 自宅外通学
第1区分 29,200円 66,700円
第2区分 19,500円 44,500円
第3区分 9,800円 22,300円

私立の場合(大学、短期大学、専修大学)

区分 自宅通学 自宅外通学
第1区分 38,300円 75,800円
第2区分 26,600円 50,600円
第3区分 12,800円 25,300円

※生活保護受給世帯の学生や児童養護施設から通学する学生は上記金額より増額されます。

日本学生支援機構の給付型奨学金の対象となる人は、かなり限定されます。

自分が給付型奨学金の対象となるかどうか知りたい場合には、JASSOの「給付型奨学金シミュレーション」を利用するととても参考になりますよ。

貸与型奨学金の申込条件・月額

貸与型奨学金には、第一種奨学金と第二種奨学金、それから入学時特別増額貸与奨学金があります。

貸与型奨学金
  • 第一種奨学金(無利子)
  • 第二種奨学金(有利子)
  • 入学時増額貸与奨学金(有利子)

第一種奨学金は無利子、第二種奨学金は有利子です。条件を満たす方は、第一種奨学金と第二種奨学金を併用することもできます。

第一種奨学金または第二種奨学金を希望する方で、条件を満たす場合には、入学時増額貸与奨学金も借りることができます。

入学時特別増額貸与奨学金は第一種や第二種に加えて借りられる奨学金ですので、単体で借りることはできません。

どの奨学金も人数制限はありませんが、希望すれば誰でも受けられるものではなく条件があります。

また、世帯収入や学校の種別、通学形態等によって、奨学金の月額が異なります。

申込資格については、第一種も第二種も同じです。

申込資格

大学・短期大学・専修学校への進学を希望し、以下のいずれかに該当する人

  • 令和4年3月末に高等学校または専修学校を卒業予定の人
  • 高等学校または専修学校を卒業後2年以内の人
  • 高等学校卒業程度認定試験に合格した人、科目合格者で機構の定める基準に該当する人、または出願者

申込資格だけを見ると誰でも申し込みできそうに思いますが、学力基準や家計基準によって申し込みできる人が違ってきます。

第一種奨学金は申込条件がやや厳しめですが、第二種奨学金は比較的緩やかに設定され誰でも申込みやすい条件となっています。

第一種奨学金

第一種奨学金は無利子の奨学金です。利息がつかないので、借りた分だけの返済で済みます。

第一種奨学金とは
  • 無利子で借りられる奨学金
  • 学力基準や家計基準が第二種奨学金よりも厳しめ

学力基準や家計基準、貸与月額などを詳しく見てみましょう。

学力基準

  • 評定平均値5段階評価で3.5以上
    ※上記の基準を満たさない場合でも住民税非課税世帯や生活保護受給世帯等は成績基準が緩和されます。

第一種奨学金は学校の成績の評定平均は3.5以上ないと申し込みできません。

家計基準

家計基準は世帯人数や就学者がいるかいないか等によって変わります。

世帯人数 給与所得 給与外所得
3人 657万円 286万円
4人 747万円 349万円
5人 922万円 514万円

例えば、4人世帯の場合には、申込時の家計収入が747万円以下でないと申し込みできません。

家計基準は生計維持者の収入金額が選考対象となります。

父母がいる場合は父母二人が生計維持者です。父母共に働いている場合でも、父が働いて母が専業主婦の場合でも、父母が生計維持者となります。

児童養護施設等で生活している場合には、学生本人が生計維持者となっています。(施設の入所証明書の提出が必要です。)

貸与月額

貸与月額は、進学先の学校の種類や自宅通学か自宅外通学で変わってきます。

大学に進学する場合には、下記から月額を選択します。

大学区分 自宅通学 自宅外通学
国公立 20,000円
30,000円
45,000円
20,000円
30,000円
40,000円
51,000円
私立 20,000円
30,000円
40,000円
54,000円
20,000円
30,000円
40,000円
50,000円
64,000円

国公立の大学に進学する人で、自宅通学の場合には20,000円、30,000円、45,000円から選択し、自宅外から通学の場合には20,000円、30,000円、40,000円、51,000円から選択します。

進学する学校が短期大学の場合には、下記の通りです。

短期大学区分 自宅通学 自宅外通学
国公立 20,000円
30,000円
45,000円
20,000円
30,000円
40,000円
51,000円
私立 20,000円
30,000円
40,000円
53,000円
20,000円
30,000円
40,000円
50,000円
60,000円

参考までに大学院の場合には、50,000円~122,000円という高額の貸与を受けることが可能です。

大学院区分 貸与月額
修士課程相当 50,000円
88,000円
博士課程相当 80,000円
122,000円

貸与月額は進学先が大学か短期大学か専門学校などで変わりますし、通学形態でも変わってくるのでよく確認しましょう。

収入については、マイナンバーを提出することで提出書類が不要となっています。(2020年1月1日以前から同じ勤務先の場合)

2020年1月2日以降に転職した場合には、給与明細計算書と直近3ヶ月分の給与明細のコピーまたは、年収見込証明書の提出が必要です。

第二種奨学金

第二種奨学金とは、有利子の奨学金です。利息がつくといっても非常に低金利で借りられます。

第二種奨学金とは
  • 有利子で借りられる奨学金
  • 選考基準が厳しくなく最も多く利用されている奨学金

最もゆるやかな選考基準となっているのが第二種奨学金です。

利息があるものの学力基準や家計基準が厳しくないので、JASSOの中で一番多く利用されている奨学金です。

利息

  • 利息の上限は年利3%(在学中は無利息)

利率は「利率固定方式」と「利率見直し方式」のどちらかを選択して申し込みします。

上限が年利3%となっていますが、令和3年度12月の貸与利率を見てみると、利率固定方式で0.268%、利率見直し方式で0.002%といった状況です。

非常に低い年利で奨学金を貸与してくることが、日本学生支援機構が学生に選ばれる理由ですし、学びたい学生の支援になっています。

学力基準

下記のいずれかに該当する

  • 学業成績が平均水準以上
  • 特定の分野で特に優れている
  • 学ぶ意欲があり確実に修了できる見込みがある
  • 高等学校卒業程度認定試験合格者

学力基準は平均水準以上となっています。

平均水準とはどの程度の成績か具体的に示されていませんが、進学を目指す学力、大学等に入学出来る学力があれば、採用基準に該当すると思います。

いずれかに該当となっていますので、学力が不安な場合でも、学修意欲があれば審査に通る可能性は十分にあります。

貸与月額

第二種奨学金の貸与月額は、20,000円~120,000円です。10,000円刻みとなっていますので、その中で自由に金額を選択します。

学校種別 貸与月額
大学 20,000円~120,000円
(10,000円刻み)
短期大学 20,000円~120,000円
(10,000円刻み)
大学院 50,000円、80,000円、100,000円、130,000円または150,000円
高等専門学校 ※本科4、5年生・専攻科
20,000円~120,000円
(10,000円刻み)
専修学校(専門課程) 20,000円~120,000円
(10,000円刻み)

※私立大学の医・歯学は40,000円の増額が可能
※私立大学の薬・獣医学は20,000円の増額が可能

学校の種別によって貸与月額は少し異なりますが、第一種奨学金よりも多い金額を借りることができますし、通学形態は特に関係しません。

家計基準

第二種奨学金の家計基準は、第一種奨学金や給付型奨学金に比べるとかなり高い年収が上限となっています。

大学・短期大学・専修学校の家計基準の目安

世帯人数 給与所得 給与所得以外
3人 1,009万円 601万円
4人 1,100万円 692万円
5人 1,300万円 892万円

家計基準の目安は、4人世帯の場合で世帯年収が1,100万円までです。

また、不動産所得や配当所得等の給与外所得がある場合に、上限金額以下の必要がありますのでよく確認しましょう。

第一種奨学金・第二種奨学金の併用

無利子の第一種奨学金と有利子の第二種奨学金を併用することもできます。

ただし、併用で貸与を希望する場合には、貸与条件がさらに厳しくなるので、家計基準の目安をよく確認しましょう。

学力基準

第一種奨学金と第二種奨学金併用の場合の学力基準は、第一種奨学金の学力基準と同じです。

評定平均5段階3.5以上の学力がないと申し込みできません。

家計基準

家計基準は世帯人数や就学者がいるかいないか等によって変わります。

世帯人数 給与所得 給与所得以外
3人 599万円 245万円
4人 686万円 306万円
5人 884万円 476万円

第一種と第二種併用の場合の家計基準は、4人世帯で686万円以下です。

第一種奨学金だけでは足りない場合には、第二種奨学金との併用を考えても良いと思います。しかし、貸与金額が高額になればなるほど、返済金額も高くなるのでよく考える必要があります。

入学時特別増額貸与奨学金

貸与型奨学金には、入学時に一時金として借りられる入学時増額貸与奨学金もあります。

入学時特別増額貸与奨学金とは
  • 入学時に一時金として借りられる
  • 国の教育ローンの審査に落ちた学生が対象
  • 入学後の貸与(奨学金初回振込時に増額して振込)
  • 10万円、20万円、30万円、40万円、50万円から選択
  • 入学時増額貸与奨学金のみの申し込みはできない

 入学時特別増額貸与奨学金は、第一種奨学金または第二種奨学金に加えてさらに増額して借りられる奨学金です。入学時増額貸与奨学金のみの申し込みはできません。

入学時増額貸与奨学金は、第一種・第二種奨学金を利用している人なら誰でも利用できるものではありません。あくまでも、日本政策金融公庫の「国の教育ローン」の審査に落ちてしまった方が対象となる奨学金です。

こちらの奨学金は、初回に奨学金が振り込みされる月に増額して振り込まれます。「入学時」とついていますが、振り込まれるのは入学後になるので注意が必要です。

大学等の初年度納付金(入学金・前期授業料等)の納付時期は、学校推薦型選抜や一般選抜等でも違ってきますが、推薦の場合には秋頃納付、一般は2~3月頃の納付となっています。

JASSOの申込方法は2通り

日本学生支援機構の奨学金の申込方法には、予約採用と在学採用の2通りあります。

申込方法 内容
予約採用 進学前の高校3年に申し込む
在学採用 大学等進学後に申し込む

予約採用は大学や専門学校進学前に申し込む方法で、在学採用は進学してから進学先の大学等で申し込む方法です。

予約採用

予約採用の場合は、高校3年の春に学校から案内され学校を通じて申込みます。この時期に進学先を決めていない方もいるかもしれませんが、予約採用の募集は春から始まっています。

予約採用とは
  • 高校3年生の春に学校から案内される
  • 1回目4~5月頃、2回目6月頃、3回目7月頃
  • 学校から必要書類を受け取り申し込む

予約採用の申込時期は、1回目が4~5月、2回目が6月頃、3回目が7月頃です。学校によって採用スケジュールが異なり、3回目を行わない場合もあります。

いずれにしても高校3年生の春に案内があると思って準備しておくとよいと思います。案内があったら期限内に手続きしましょう。

予約採用の申し込みの流れ

予約採用の申し込み手続きの流れをおさらいしましょう。

手続の流れ
  1. 高校3年春に学校で募集される
  2. 申請書類を提出する
  3. インターネット(スカラネット)で必要事項を入力する
  4. マイナンバーをJASSOに郵送で提出する
  5. 採用候補者決定通知が交付される(10月下旬以降)

奨学金の申し込みは学校を通じて行います。

申込書類を受け取り学校に提出すると、奨学金の申し込み手続きサイト「スカラネット」で必要な識別番号(ユーザーID・パスワード)が渡されます。

スカラネットでIDとパスワードを入力して、申し込み手続きを行います。

採用候補者決定通知が届いて終わりではありません。進学先の大学等で4月はじめに行われる説明会に参加して、期限内に手続きを完了すると奨学金が振り込みされます。

在学採用

在学採用の申し込みは、進学先の大学や短期大学、専門学校等の奨学金窓口で行います。

在学採用とは
  • 在学している学校の奨学金窓口に申し出る
  • 貸与奨学金の募集は毎年春
  • 給付奨学金の募集は毎年春と秋

貸与型奨学金の募集は毎年春、給付型奨学金の募集は毎年春と秋と決まっています。募集時期を逃さないようにして、期限内に申し込むようにしましょう。

在学採用の申し込みの流れ

在学採用の申し込みは、進学先の学校で行います。4月はじめに説明会が行われることが多いので、早めに奨学金窓口に申し出ましょう。

手順
  1. 在学先の奨学金窓口に問い合わせ説明会に参加する
  2. 申請書類を提出する
  3. インターネット(スカラネット)で入力する
  4. マイナンバーを郵送で提出する
  5. 選考結果が通知される

必要書類を学校に提出すると、インターネット(スカラネット)の手続きで必要なID・パスワードが渡されます。スカラネットて申し込み手続きしたら、JASSOにマイナンバーを郵送します。

初回振込日は6月以降

日本学生支援機構の奨学金の初回振込日は、予約採用だと6月になることが多いです。在学採用は4月の締切日に書類を提出すると、初回振込が6月または7月になります。

初回振込日
  • 予約採用は進学後に進学届を提出してから約1~2ヵ月後に初回振込
  • 在学採用は申込締切月の2ヵ月後

奨学金の振込日は原則毎月11日となっていますが、初回振込については、大学に進学してから進学届を提出し、それから約1~2ヵ月後に振込なので6月が初回振込日になります。

6月が初回振込日となる場合には、4月・5月・6月分がまとめて入金されます。

在学採用の場合は、申込締切月の2ヵ月後が初回振込日となっていますが、3ヵ月後になることもあるようです。

東洋大学のホームページに奨学金の初回振込日について説明がありました。

初回振込予定日(4月12日までに資料請求をし、その後の手続きを完了した方):7月11日
初回振込予定日(5月10日までに資料請求をし、その後の手続きを完了した方):8月10日

※引用元:東洋大学ホームページ

奨学金は全ての手続が完了してから2~3ヵ月後に振込が始まります。

予約採用といっても高校生のうちに振り込まれるわけではなく、大学進学後に手続きをしてから振込となります。

予約採用は6月ぐらいから、在学採用は7月ぐらいからと思っておきましょう。

申し込みにはマイナンバーが必要

日本学生支援機構の奨学金に申し込む際には、奨学金を申し込む学生と生計維持者(父母)のマイナンバーの提出が必要です。

マイナンバーを提出することで、生計維持者の収入の情報を収集して、家計基準の審査をしています。

選考結果の通知はいつ?

日本学生支援機構の公式ホームページでは、予約採用の審査結果が申込・推薦期限の2ヶ月後となっていますが、1回目の予約採用の選考結果が通知されるのは10月下旬頃です。

申込時期によって、10月下旬頃から12月頃に学校を通して通知されます。

在学採用の審査結果は、申込締切月の2ヶ月後の初旬です。審査結果の通知が連絡者宛に送付されます。

奨学金の継続手続き

奨学金の受給は、毎年1回継続手続きをする必要があります。毎年12月頃に学校から案内されます。

手順
  1. 学校で資料を受け取る
  2. スカラネット・パーソナルに登録(未登録者)
  3. 期間内にスカラネット・パーソナルで継続願を入力する

初めて継続願を提出する学生には、説明会が行われることもあります。

奨学金継続願の提出期限は12月~1月頃です。

継続願を提出しないまま期限を過ぎてしまうと、継続する意思がないと判断され来年度の奨学金が廃止になってしまいます。

また、継続を希望しても、「適格認定」で「停止」や「廃止」となる場合があります。

奨学金の適格認定

奨学金継続願を提出すると、学校で1年間の学業成績をもとに奨学金の継続の可否を判断します。これを「的確認定」と言います。適格認定は学年末に行います。

認定区分

  • 「継続」
  • 「警告」
  • 「停止」
  • 「廃止」

学業成績の状況によって、学校が奨学生としてふさわしくないと判断すれば奨学金が廃止されます。

警告の場合は、奨学金が継続されますが、学業成績が回復しないと廃止となることがあります。

「廃止」の認定基準

  • 留年が確定した場合
  • 単位数の合計が標準単位数の5割以下の場合
  • 出席率が5割以下、学修意欲が著しく低いと学校が判断した場合
  • 連続して警告に該当した場合

「警告」の認定基準

  • 単位数の合計が標準単位数の6割以下の場合
  • 平均成績が下位4分の1の場合
  • 出席率8割以下、学修意欲が低いと学校が判断した場合

奨学金は学ぶ意欲がある学生を支援してくれる制度です。採用された後も、奨学生として学業に励むことを忘れないようにしましょう。

対象学校

日本学生支援機構の奨学金の対象校は、北海道から沖縄まで全国各地にある国公立の大学、短期大学、専修学校(専門課程)など、実に多くの学校が対象となっています。

全国にある大学・短大の98%、高等専門学校は100%、専門学校は74%が奨学金の対象校です。

進学先が対象となっているかどうかは、文部科学省ホームページの「高等教育の修学支援制度(支援の対象となる大学等の一覧)」で確認しましょう。

どの奨学金がいいの?

日本学生支援機構の奨学金には、給付型、貸与型があり、貸与型には第一種奨学金と第二種奨学金があります。

どの奨学金にしたらいいか迷うかもしれませんが、給付型奨学金を受けるには経済的にかなり厳しい方が対象で、具体的には住民税非課税世帯や生活保護受給世帯の学生となっています。

参考までに、日本学生支援機構の奨学金の利用者数を見てみましょう。

令和元年 人数
給付型 36,577人
第一種 568,171人
第二種 702,054人

最も多く利用されているのは第二種奨学金です。給付型奨学金を利用しているのはごく一部の生徒です。給付型奨学金を受給するのは、狭き門ということがわかりますね。

選ぶポイント
  • 給付型奨学金を受給できる場合には最優先
  • 第一種奨学金の申込資格に該当するなら第一種
  • 第一種に該当しない方は第二種奨学金
  • 給付型だけでは足りない場合には第一種も申込む
  • 第一種だけでは足りない場合には第二種も併用

まず給付型奨学金を受給できるならそれが最優先の奨学金です。

最も多く利用されているのは第二種奨学金ですが、利息なしの第一種奨学金が利用できるなら確実にそちらの方がいいですね。

第一種奨学金と第二種奨学金は、学力基準や家計基準が違いますので、まずは第一種奨学金を希望して、基準に該当しない場合には第二種奨学金を希望といった流れがよいと思います。

JASSOの奨学金は2.7人に1人が利用

奨学金と聞くと学力基準が厳しいとか、苦学生が申し込むようなイメージを持っている方もいるかもしれませんが、現在では約半数近くの学生が日本学生支援機構の奨学金や他の奨学金を利用している状況です。

奨学金の受給状況

日本学生支援機構が行った学生生活調査結果(平成30年度)によると、大学では47.5%の学生、短期大学では55.2%の学生が奨学金を利用している状況でした。

区分 平成30年度
大学(昼間部) 47.5
短大(昼間部) 55.2
修士課程 48.0
博士課程 53.5
専門職学位課程 41.1

※引用元:日本学生支援機構「平成30年度学生生活調査結果」

奨学金を受給している学生は平成26年度をピークに少し減少傾向にありますが、それでも半数近くの学生が奨学金を利用しています。

日本学生支援機構の奨学金利用者数

日本学生支援機構によると、2.7人に1人の学生がJASSO奨学金を利用しているそうです。

学校種別 令和元年
大学・短大 2.7人に1人
大学院 3.6人に1人
高等専門学校 18.7人に1人
専修学校専門課程 2.4人に1人
合計 2.7人に1人

これだけの学生が利用しているのは、国の機関で安心して利用できることや、利息なしの奨学金ある、または利息ありの第二種奨学金でも低い年利で借りられることが関係しているのでしょう。

進学して学ぶ意欲がある学生が安心して借りられるのは、日本学生支援機構の奨学金ですね。

奨学金の返済は学生本人

奨学金は学生が借りるもので、返済するのは学生本人です。

区分 契約者・返済義務
奨学金 学生本人
教育ローン 親(扶養者)

教育ローン等は親(扶養者)が契約するので、返済は契約した親となりますが、奨学金に関しては学生が借りて返済していきます。

親が子どもの進学費用を用意するのはあたり前とか、大学の費用を親が払えないから奨学金を借りるわけで返済するのも親でしょ?などの考えを持っている方も多いです。

親が返済を希望するならそれでも良いと思いますが、奨学金の返済義務は学生本人です。

奨学金を学生が借りて進学すれば、学業に力が入ると思います。

また、進学先での学びをもとに就職し、就職先からの給料で奨学金を返済していく形になりますので、毎日の仕事にもやりがいがあるのではないでしょうか。

進学費用を親が用意してくれた場合には、それをあたり前と思わないで、親に感謝することが大切ですね。

日本学生支援機構以外の奨学金

日本学生支援機構以外の奨学金もあります。

  • 大学独自の奨学金
  • 地方自治体の奨学金
  • 民間団体の奨学金

大学独自の奨学金

多くの大学で独自の奨学金制度があります。

例えば青山学院大学では、受験生向け奨学金制度があり、入学試験の出願前または出願期間に申し込み、入学後に奨学金を受給できます。

大東文化大学の奨学金制度では、低所得世帯の学生に授業料の全額または半額免除、学業成績が特に優秀な学生に20万円など、いくつか種類があります。

大学独自の奨学金の場合は、人数制限が設けられ、年収条件や学力基準があります。

また、日本学生支援機構の奨学金との併用が不可となっていることありますので、進学先によく確認することが大切です。

地方自治体の奨学金

都道府県や市区町村で奨学金制度があるところもあります。

例えば東京都港区では、給付型奨学金と貸与型奨学金の制度があります。どちらも家計基準や学力基準があり、貸与型奨学金については日本学生支援機構の奨学金と併用することができません。

こちらの奨学金は、その都道府県に在住、市区町村に在住していることが申込資格になっています。

地方自治体によって奨学金制度があるところとないところがありますので、よく確認しましょう。

民間団体の奨学金

民間企業や個人の奨学金制度です。学校を通じて募集するところが多く、大学等で内部選考を行う団体や直接応募の団体など様々あります。

  • 一般社団法人あしなが育英会
  • 公益財団法人日本国際教育支援協会
  • 公益財団法人伊勢丹奨学会
  • 公益財団法人井上育英会
  • 公益財団法人大林財団
  • 公益財団法人海技教育財団
  • 公益財団法人韓国教育財団
  • 公益財団法人昭和奨学会
  • 公益財団法人東京弁護士会育英財団
  • 公益財団法人交通遺児育英会
  • 公益財団法人コカ・コーラ教育・環境財団
  • 一般社団法人トヨタ女性記述者育成基金
  • 公益財団法人日本通運育英会 
  • Z会奨学金 etc…

民間団体の奨学金は、ここでは紹介しきれないくらいいくつもあります。

あしなが育英会は聞いたことのある方が多いと思いますが、病気や災害等で親を亡くした学生、親が著しい障がいを負っている学生に貸与と給付の一体型で奨学金を交付してくれる団体です。

Z会奨学金は、成績優秀で経済的に困難な学生に給付型奨学金を行っています。高校2年次までの成績が評定平均4.5以上、世帯収入が600万円未満、Z会の指定する大学に進学希望など細かい条件があるものの、4年間で最大414万円の給付をしてくれる奨学金となっています。

民間団体の奨学金は、それぞれの団体ごとに応募資格や採用条件、給付・貸与金額等が決まっています。

学校を通じて申し込むものなのか、個人で直接申し込むものなのかを確認して、募集期間内に手続きするようにしましょう。

入学金に間に合う国の教育ローン

奨学金が振り込まれるのは早くても進学後の6月です。入学金や前期授業料の納付は大学進学前となりますので、奨学金をあてにして待っていると間に合いません。

入学金や前期授業料を借りたい場合には、国の教育ローンがおすすめです。

国の教育ローンとは、正式には日本政策金融公庫の「教育一般貸付」という貸付です。

国の教育ローンとは
  • 日本政策金融公庫の教育一般貸付
  • 子ども1人につき350万円まで融資可能
    ※条件に該当する場合は最大450万円まで
  • 低金利
  • 申込から振込まで最短20日~3ヵ月

国の教育ローンはいつでも申込みできるので、入学金に間に合いますし、受験費用として借りることもできます。

ただし、入学シーズンの10月から3月は混み合うので、3ヵ月以上かかってしまうこともあります。

教育ローンは申し込んでから必要がなくなった場合には、キャンセルすることもできます。とりあえず早めに申し込んでおくという形で用意しておくと安心です。

日本政策金融公庫の教育ローンと日本学生支援機構の奨学金は併用することも可能です。入学金と前期授業料は教育ローンで支払い、その後の後期授業料からは奨学金で支払うということもできます。

国の教育ローンについてもっと詳しく知りたい方は、別ページ「国の教育ローンの申込方法と年収基準」をご覧ください。

JASSOの奨学金を利用する場合には、事前に申込方法や所得基準などの知識を入れておくと慌てずスムーズに手続きできます。高校3年生になったら学校から手紙が配布されますので、進学先を決めていなくても申込手続することをおすすめします。