雑所得に該当する副業をしている場合の税金が計算できるシミュレーションツールです。
副業収入、印税、講演料、個人年金、仮想通貨、海外FXなどが総合課税の雑所得に該当し、他の所得と合算して税金を計算します。
副業収入が事業所得にあたる場合は、給与収入がある個人事業主の税金計算ツールをご利用ください。
2ヶ所から給与を受け取っている場合は、ダブルワークの税金計算ツールをご利用ください。
社会保険料は令和6年度の保険料率をもとに計算しています。
免責事項
本計算ツールは、簡易的な方法で算出しているため正確な金額ではありません。
本計算ツールを利用した結果により生じた損害、損失、不利益等に対し、当社はいかなる責任も負いません。
正確な金額については、日本年金機構、税務署、全国健康保険協会、税理士、社会保険労務士、公認会計士、弁護士などにご相談ください。
FX、先物取引、オプション取引は雑所得になりますが、これらの取引で得た利益は、他の所得とは区別して「先物取引に係る雑所得」として分離課税の対象になります。公的年金は支給時に源泉徴収されます。
雑所得の分類
雑所得は3つの種類に分類することができます。
- 老齢基礎年金、老齢厚生年金
- iDeCo(個人型確定拠出年金)
- DB(確定給付企業年金)
- DC(確定拠出企業年金)
- 退職金の年金受け取り
DBは生命保険料控除の対象で、DCは小規模企業共済等掛金控除の対象ですが、どちらも受取時は公的年金等の雑所得に該当します。
- ネットショップやアフィリエイトの売上
- フリマアプリやネットオークションの収入
- 原稿料、印税、講演料
※ネットオークションやフリマアプリで、自分が利用している日用品を売る場合は非課税です。
- 仮想通貨(暗号資産)、海外FX
- 外貨預金の為替差による損益
- 個人年金保険の年金
- 非営業用貸金の利子
- 確定申告の還付加算金
雑所得内で損益通算できる
雑所得の金額計算で生じた損失額は、給与所得や事業所得など他の所得と損益通算することはできませんが、同じ雑所得内で損益通算することはできます。
- 雑所得に該当する所得である
- 総合課税の対象である
- 同一年に発生した損益である
この条件を満たす雑所得であれば損益通算することができます。
公的年金を受け取っている人が、仮想通貨や海外FXで損失が出たときは、年金収入と仮想通貨・海外FXの損失と損益通算することも可能です。
国内FX、先物取引、オプション取引なども雑所得ですが、総合課税ではなく申告分離課税なので、総合課税の雑所得と損益通算することはできません。
雑所得の税金の計算方法
雑所得とは、「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得」のいずれにも該当しない所得のことです。
一時所得と雑所得は混同されがちですが、一時所得と雑所得では課税所得の計算方法が異なります。
一時所得には特別控除があり、課税所得になるのは一時所得の2分の1ですが、雑所得は他の所得と合算し、各種控除を差し引いた金額が課税対象になります。
不動産所得、事業所得、山林所得、譲渡所得の4つは、損失が出たときに、他の所得と損益通算することができます。それぞれの頭文字を取って「富士山上」と憶えます。
雑所得の金額を計算する
雑所得=総収入-必要経費
雑所得の金額は収入から経費を引いたものです。雑所得が公的年金の場合は、公的年金等控除額を差し引きます。
雑所得が仮想通貨なら、収入は売却価額で、必要経費は仮想通貨の取得費(取得価額)、取引や出金にかかった手数料、書籍代、セミナー代などです。
課税所得の金額を計算する
課税所得=雑所得の金額 +その他の所得-各種控除
その他の所得とは、給与所得、事業所得、不動産所得などのことです。
合計所得から基礎控除などの各種控除を引いた額が課税所得になります。
計算ツールでは、社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除、地震保険料控除、医療費控除、基礎控除があれば差し引かれるようになっています。
課税所得が2,400万円を超えると基礎控除額が減額され、2,500万円を超えると0円になります。
所得税を計算する
所得税=課税所得×税率-控除額
所得税は速算表を使って計算するのが一般的です。所得税の税率や控除額は、課税所得の金額によって変わります。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000円~1,949,000円 | 5% | 0円 |
1,950,000円~3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
3,300,000円~6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
6,950,000円~8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
9,000,000円~17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
18,000,000円~39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
40,000,000円~ | 45% | 4,796,000円 |
副業収入が事業所得になる場合
副業収入を雑所得で申告するか、事業所得で申告するかで悩む場合もあると思いますが、その所得を得るための活動が、"社会通念上"事業にあたるかどうかがポイントになります。
さらに、その副業で得ている収入額や帳簿書類の有無によって、事業なのか否かが判断されます。
収入金額 | 帳簿あり | 帳簿なし |
---|---|---|
300万円超 | 概ね事業所得 | 概ね業務に係る雑所得 |
300万円以下 | 業務に係る雑所得 |
収入金額が300万円超で帳簿の保存がある場合には、事業所得として認められる可能性が高いです。
帳簿がある場合でも①収入金額が僅少と認められる場合や、②営利性が認められない場合は、雑所得と判断される可能性が高いです。
副業収入が概ね3年間、300万円以下で、本業の10%未満の収入の場合は、事業所得とは認めれない可能性が高いです。
副業が赤字で、その赤字を解消するための営業活動をしていない場合なども事業所得とは認めれない可能性が高いです。
相当程度の期間、継続安定して収入を得ていないと事業とは言えないでしょう。サラリーマンが節税のために、事業とは呼べないような副業で赤字を作ることが流行った時期もありましたが、それはやめた方がよいでしょう。
帳簿がない場合は、業務に係る雑所得と判断されることが多いです。業務に係る雑所得とその他の雑所得は別で計算されます。
業務に係る雑所得 | 総収入金額 ー 必要経費=業務に係る雑所得 |
その他の雑所得 | 総収入金額 ー 必要経費=そのほかの雑所得 |
業務に係る雑所得がその他の雑所得と比べて、税制などにおいて有利になるわけではありません。
副業が事業所得になるメリット
- 青色申告できる
- 赤字の場合は給与所得などと損益通算できる
副業が事業と認められると、個人事業主と同様に青色申告が利用できます。
事業と認められれば副業の赤字が給与所得と損益通算できるので、節税対策になります。
事業所得と雑所得を比較
事業所得 | 雑所得 | |
---|---|---|
給与所得との損益通算 | ||
青色申告 | ||
青色事業専従者給与 | ||
翌年以降への損失の繰越 | ||
30万円未満の減価償却資産の特例 |
雑所得と判断されやすい副業
給与所得者が行う副業については、事業所得ではなく雑所得と判断される事が多いですが、副業の内容によっても雑所得になりやすいものがあります。
- 原稿料やモデル料
- オークションやフリーマーケットの利益
- アフリエイト収入
- FXや先物取引の収入
これらの収入は金額が大きくても雑所得と判断される可能性が高いです。
事業所得にするためには、反復継続して収入を得ていることや、帳簿の保存が不可欠です。
雑所得の種類と課税方式
雑所得は、その他の所得と合算した総合課税で計算しますが、総合課税にならない雑所得もあります。
雑所得の種類 | 課税方式 |
---|---|
株式・FX・先物取引・オプション取引 | 分離課税 |
海外FX | 総合課税 |
仮想通貨(暗号資産) | 総合課税 |
年金収入 | 総合課税 |
印税・原稿料・講演料 | 総合課税 |
事業にあたらない副業収入 | 総合課税 |
株式の売却益は譲渡所得と解説される事が多いですが、譲渡所得になる場合もありますし、雑所得や事業所得になる場合もあります。
株式投資は、特定口座(源泉あり)なら利益が出ても確定申告の必要はありません。源泉なしや一般口座の場合は、確定申告します。税率は20.315%です。
FXや先物取引は、株式投資のような源泉徴収制度がないため、給与所得者は年20万円超の利益が出たときは確定申告する必要があります。総合課税ではなく分離課税となり、税率は20.315%です。
FXでも海外FXで利益を得た場合は、分離課税ではなく総合課税になります。税率は他の所得と合算して、所得額に応じて最大45%になります。国内FXと海外FXの両方をやっている人は、確定申告が複雑になるので注意しましょう。
仮想通貨は海外FXと同様に総合課税の対象で源泉徴収もされないため、利益が出たときは確定申告が必要です。給与所得などと合算して所得税を計算します。
雑所得の代表例が年金収入ですが、公的年金は支給時に源泉徴収されています。収入が公的年金のみであれば確定申告しなく済む場合が多いです。
個人年金は、契約者と年金受取人が同一の場合は源泉徴収されますが、契約者と年金受取人が異なる場合は源泉徴収されません。源泉徴収された場合でも確定申告は必要です。
印税、原稿料、講演料などは、支払いを行う事業者が源泉徴収して、事業者が納税するのが原則です。源泉徴収された場合でも確定申告は必要です。
雑所得の損益通算
雑所得の種類 | 損益通算可能な雑所得 |
---|---|
上場株式 | どの雑所得とも損益通算できない |
先物取引 | オプション取引、国内FX |
オプション取引 | 先物取引、国内FX |
国内FX | 先物取引、オプション取引 |
海外FX | 仮想通貨、副業収入、年金収入 |
仮想通貨 | 海外FX、副業収入、年金収入 |
副業収入 | 仮想通貨、海外FX、年金収入 |
年金収入 | 仮想通貨、海外FX、副業収入 |
総合課税の雑所得同士や申告分離課税の雑所得同士の損益通算はできますが、総合課税と申告分離課税の雑所得を損益通算することはできません。
上場株式の売却益は申告分離課税ですが、特定口座(源泉あり)の場合は特例としては源泉分離課税となります。
特定口座(源泉なし)や一般口座は、申告分離課税となりますが、国内FXや先物取引などと損益通算することはできません。
総合課税の対象になる所得
- 給与所得(全て対象)
- 不動産所得(全て対象)
- 事業所得(ほとんどが対象)
- 一時所得(ほとんどが対象)
- 雑所得(ほとんどが対象)
- 譲渡所得(一部が対象)
- 利子所得(一部が対象)
- 配当所得(一部が対象)
総合課税の対象にならないものの一例として、株式等の譲渡所得、FX・先物取引・オプション取引による所得などがあります。いずれも雑所得に該当しますが、申告分離課税の対象になります。
一時所得になる収入
- 競馬、競艇、競輪などの公営ギャンブルの利益
- パチンコやパチスロなどの利益
- 保険の一時金や満期返戻金、解約返戻金
- 懸賞の賞金や商品
- 拾得物の礼金
これらの収入は一時所得となるため雑所得とは異なる計算方法で税金を計算します。
一時所得は特別控除50万円を差し引き、その金額をさらに2分の1にしたものが課税所得となるため、雑所得よりも税金が少なくなります。
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株式会社アルビノ代表取締役。ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。 個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資でお金を借りた経験があります。 株式投資歴は20年以上で、現在は個別株投資やベンチャー投資をしつつ、NISAつみたて投資枠でオルカン、S&P500、日経225に投資しています。 FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。