障害基礎年金や障害厚生年金を受け取るときの金額が計算できるシミュレーションツールです。
※受給者が65歳以上になると、自身の老齢年金が支給されるようになるため、この計算ツールでは計算できません。
金額は100円未満で四捨五入しています。
加入期間が25年に満たない場合は、「加入期間25年」として計算されます。
障害年金は、厚生年金保険の被保険者期間が300月(25年)に満たない場合、300月とみなして計算します。加入期間が短い人でも最低保証として300月加入したこととして障害年金が支給されます。
厚生年金は、1等級~32等級の標準報酬を基準に、支払う保険料や受け取る年金額が決まります。シミュレーターでは入力いただいた年収をそのまま使用しているため正確な金額ではありません。※近い数字になります。
標準報酬は月額65万円が上限となるため、年収780万円が年金額の上限となります。780万円以上の金額を入れても年金額は変わりません。
免責事項
本計算ツールは、簡易的な方法で算出しているため正確な金額ではありません。
本計算ツールを利用した結果により生じた損害、損失、不利益等に対し、当社はいかなる責任も負いません。
正確な金額については、日本年金機構、税務署、全国健康保険協会、税理士、社会保険労務士、公認会計士、弁護士などにご相談ください。
障害年金がもらえる条件
障害年金をもらうためには3つの条件をクリアしなければなりません。
- 初診日要件
- 保険料納付要件
- 障害状態該当要件
1. 初診日要件
障害年金を請求する際は、初診日がわかる書類(受診状況等証明書など)を提出する必要があります。初診日は医師がカルテに基づいて判断します。
初診日とは、障害の原因になった病気やケガにおいて、初めて医師の診察を受けた日のことです。
初診日時点で、国民年金や厚生年金に加入していなければいけません。
病名が確定したときではなく、初めて診察を受けた日というのがポイントです。保険料が未納だった人が、病気やケガをしたあとに加入しても障害年金は受け取れません。
20歳未満のときの病気やケガで障害を負った場合は、初診日が年金加入前になりますが、障害基礎年金の対象になります。
- 一般的な病気やケガは初めて診療を受けた日
- 先天性の知的障害は出生日
- 先天性の心疾患は初めて診療を受けた日
- 過去の傷病が完治し、その後再発した場合は、再発後に初めて診療を受けた日
- 関節が痛くてA病院に行ったが原因がわからず、B病院でリウマチと診断された場合は、A病院で診療を受けた日
初診日を特定する際に、「相当因果関係」「再発または継続」「社会的治癒」の3つがポイントになります。
相当因果関係 |
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再発または継続 |
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社会的治癒 |
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たとえば肝炎になったあとに肝硬変になった場合は、相当因果関係ありと判断され、肝炎で初めて診療を受けたが初診日になります。
手術時の輸血により肝炎を発症した場合にも、相当因果関係ありと判断され、手術を受ける原因になった病気やケガで初めて診療を受けたが初診日になります。
社会的治癒とは、概ね5年間、生活や就労が普通にできている状態のことを指します。社会的治癒後に傷病が再発した場合は、過去の傷病とは別の疾病として扱われるため、再発後に初めて診療を受けたが初診日になります。
2. 保険料納付要件
保険料納付要件を満たすためには、初診日時点で公的年金に加入していなければなりません。
以下のいずれかに該当する人は、保険料納付要件を満たしています。
- 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
- 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
20歳~60歳の人は公的年金に強制加入なので、ほとんどの人は大丈夫だと思いますが、保険料の納付期間が3分の2以上ない人や、直近1年間に保険料の未納がある人は保険料納付要件を満たしません。
直近1年間の納付状況による判定は特例措置で、適用期間は令和8年4月1日までです。(期限は延長される可能性あり)
公的年金は、納付期限から通常2年は納められますが、初診日を過ぎてから保険料を納めても保険料納付要件を満たすことはできません。
公的年金は20歳からの加入なので、20歳未満で発症した傷病が原因の障害についてはこの限りではありません。60~65歳に初診日があり、日本国内に住んでいる人も同じ扱いになります。
障害基礎年金 |
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障害厚生年金 |
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10代で就職して厚生年金保険に加入したような人が、20歳未満で障害を負った場合には障害厚生年金の対象になります。
3. 障害状態該当要件
障害年金を受け取るには、障害認定日に一定の障害があると認められなければなりません。
障害基礎年金と障害厚生年金で、該当する障害の等級が異なります。
障害基礎年金 | 障害等級表で定められた1級・2級にあたる障害がある方 |
障害厚生年金 | 障害等級表で定められた1級・2級・3級にあたる障害がある方 |
障害年金の等級と障害者手帳の等級は異なります。
1級・2級の人は、障害基礎年金と障害厚生年金が受け取れて、3級の人は障害厚生年金が受け取れます。
障害年金はいつまでもらえる?
障害年金に決められた支給期間はありませんが、支給停止または失権すると受け取れなくなります。
障害年金は無期年金(永久認定)と有期年金(有期認定)の2つがあります。
有期年金の場合は定期的に更新があり、更新の際に障害年金が支給停止されたり、減額(増額)される可能性があります。
障害年金がもらえなくなる場合
- 死亡した場合
- 現況届や診断書などを提出しなかった場合
- 老齢年金、遺族年金などの他の年金を受給した場合
- 障害が軽くなり、もらえる障害年金の等級に該当しなくなった場合
- 障害者年金の受給と同じ傷病で労働基準法における損害賠償金を受給する場合
- 第三者行為による障害で障害年金を受け取っているときに、損害賠償金を受給する場合
肢体の切断など病状が固定されている場合は、定期的に診断書を提出する必要はありません。
精神疾患などの病状が変動する場合には、1年~5年の認定期間ごとに診断書を提出する必要があります。
診断書が必要な場合は、日本年金機構から障害状態確認届(診断書)が届きます。医師に診断書を作成してもらい、提出期限に届くように返送してください。
交通事故などが原因で障害が残り、障害年金を受け取る場合は「第三者行為事故状況届」が必要になります。
交通事故では、相手が加入している自動車保険から損害賠償金が支払われます。原則として損害賠償金と障害年金は同時に受給できないため、損害賠償金を受け取るときは年金額の調整が必要になります。
損害賠償金のうち医療費や慰謝料の部分は調整に影響しませんが、休業損害や過失利益などは生活を補償する部分なので年金額に影響します。
年金額が変更される場合
障害年金の支給額は変更される可能性があります。
- 基本年金額が変更された(毎年4月に見直される)
- 障害の等級が変わった場合
- 結婚、離婚した
- 子どもが生まれた、亡くなった、18歳になった
年金額は、物価や賃金水準などによって毎年変更される可能性があります。インフレのときは支給額が上がり、デフレのときは支給額が下がる傾向にあります。(インフレ計算機)
傷病によっては定期的に診断書を提出する必要があり、審査の結果、等級が改定された場合は、「支給額変更通知書」が送付されます。
障害厚生年金は、65歳未満の配偶者がいると配偶者の加給年金が加算されるため、結婚や離婚により支給額が変更されます。
障害基礎年金は、子どもの人数によって加算があります。子どもが生まれたり亡くなったときは支給額が変更されます。また、子の加算があるのは子どもが満18歳になるまでなので、18歳になったあとの3月末日で、その子の加算はなくなります。
障害年金の受給者が65歳以上になった場合
原則として、障害年金は20歳から64歳までの方を対象とした年金制度です。
公的年金は一人1年金が原則なので、障害年金の受給者が65歳以上となり、老齢年金が支給されるようになると受け取る年金が変わります。
Q.障害年金を受け取っていますが、老齢年金も受け取れるようになりました。何か手続きは必要ですか。
A.原則として、障害または老齢のいずれか一方を選択することになります。
ただし、65歳以上の障害基礎年金の受給権者については、障害基礎年金と老齢厚生年金(または退職共済年金)を同時に受けることを選択することができます。
※日本年金機構
なお、障害の年金には税金がかかりませんが、老齢の年金には税金がかかることがありますので、年金の選択には十分ご注意ください。
65歳になるときに障害年金の受給資格がある人は、障害年金を受け取るか、老齢年金を受け取るかを選択することになります。
なお、65歳を過ぎてから発症した傷病による障害では、障害基礎年金は請求できません。
国民年金にしか加入していない場合
厚生年金保険に加入したことがない人は、65歳になり老齢基礎年金が受け取れるようになっても、障害基礎年金を受け取るほうが年金額が多くなります。
1級の障害基礎年金は、老齢基礎年金の1.25倍受け取れるため、老齢基礎年金の額が1級の障害基礎年金の額を超えることはありません。
2級の障害基礎年金でも、国民年金に40年間加入した場合の老齢基礎年金と同額が受け取れるので、2級の障害基礎年金と老齢基礎年金のどちらを受け取っても金額は変わりません。
厚生年金に加入していた場合
厚生年金に加入していた人は、最も金額が高くなる組み合わせを選択することになります。
- 障害基礎年金+障害厚生年金
- 老齢基礎年金+老齢厚生年金
- 障害基礎年金+老齢厚生年金
- 障害基礎年金+遺族厚生年金
老齢基礎年金と障害厚生年金を一緒に受け取ることはできません。
一部の例外を除いて障害年金と老齢年金の2つを受けることはできないので、いずれか高い年金を受け取ることになります。
障害基礎年金の金額(令和6年度)
障害基礎年金は、自営業や会社員、公務員などの国民年金加入者が受け取れる障害年金です。
障害等級1級または2級の人に年金が支給されます。3級への支給はありません。
障害基礎年金の金額は、毎年4月に物価や賃金上昇などを考慮して変更されます。
1級 | 1,020,000円(月85,000円)+子の加算 |
2級 | 816,000円(月68,000円)+子の加算 |
障害等級2級の金額は、老齢基礎年金と同額です。障害等級1級の金額は、2級の1.25倍です。
子どもがいる場合には子どもの人数に応じて加算があります。
子の加算
1人目 | +234,800円 |
2人目 | +234,800円 |
3人目以降 | +78,300円 |
障害基礎年金は配偶者の有無で支給額が変わりません。
障害厚生年金の金額(令和6年度)
障害厚生年金は、会社員や公務員などの厚生年金保険加入者が受け取れる障害年金です。
障害等級1級、2級、3級の人が年金を受給します。3級よりも軽い障害でも一時金の障害手当金が受け取れる可能性があります。
1級 | 報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金 |
2級 | 報酬比例の年金額+配偶者の加給年金 |
3級 | 報酬比例の年金額 ※最低保障額は596,300円 |
障害手当金 | 報酬比例額の年金額×2を一時金として支給 ※最低保障額1,192,600円 |
障害厚生年金は、生計を同じくする65歳未満の配偶者がいれば加給年金の加算があります。
配偶者の加給年金(配偶者加算)
1級 | +234,800円 |
2級 | +234,800円 |
配偶者が65歳以上になった場合、老齢基礎年金を受けることになり、加給年金額に替えて、配偶者の生年月日に応じた額が配偶者の老齢基礎年金に加算されます。
障害厚生年金の報酬比例の年金額は、厚生年金に加入していたときの月収(標準報酬月額)がベースになります。
報酬比例の年金額
これが報酬比例部分の計算式です。障害年金は、厚生年金保険料の納付済期間が300月(25年)未満の場合は、最低保証として300月で計算します。
報酬比例の年金額の計算例
障害等級1級、配偶者あり、子なし
平成15年3月以前:24万円、10年
平成15年4月以降:41万円、20年
(240000×(7.125/1000)×120)+(410000×(5.481/1000)×240)=744530
744,530×1.25+234,800=1,165,462円
1,165,462円に障害基礎年金の1,020,000円が加算され、2,185,462円(月額182,122円)の年金が受け取れます。
標準報酬額
標準報酬は1等級~32等級あります。同じ等級の人は保険料も同じです。
たとえば月収が21万5000円の人は、15等級で標準報酬月額は220,000円になります。
給料が上がったり、下がったりして等級が変わると標準報酬月額も変わります。
月収が100万円でも200万円でも標準報酬は32等級(月額65万円)になります。支払う保険料や受け取る年金額は、32等級の金額が最高額になります。
等級と標準報酬月額
等級 | 標準報酬月額 | 報酬月額 |
---|---|---|
1 | 88,000 | ~93,000 |
2 | 98,000 | 93,000~101,000 |
3 | 104,000 | 101,000~107,000 |
4 | 110,000 | 107,000~114,000 |
5 | 118,000 | 114,000~122,000 |
6 | 126,000 | 122,000~130,000 |
7 | 134,000 | 130,000~138,000 |
8 | 142,000 | 138,000~146,000 |
9 | 150,000 | 146,000~155,000 |
10 | 160,000 | 155,000~165,000 |
11 | 170,000 | 165,000~175,000 |
12 | 180,000 | 175,000~185,000 |
13 | 190,000 | 185,000~195,000 |
14 | 200,000 | 195,000~210,000 |
15 | 220,000 | 210,000~230,000 |
16 | 240,000 | 230,000~250,000 |
17 | 260,000 | 250,000~270,000 |
18 | 280,000 | 270,000~290,000 |
19 | 300,000 | 290,000~310,000 |
20 | 320,000 | 310,000~330,000 |
21 | 340,000 | 330,000~350,000 |
22 | 360,000 | 350,000~370,000 |
23 | 380,000 | 370,000~395,000 |
24 | 410,000 | 395,000~425,000 |
25 | 440,000 | 425,000~455,000 |
26 | 470,000 | 455,000~485,000 |
27 | 500,000 | 485,000~515,000 |
28 | 530,000 | 515,000~545,000 |
29 | 560,000 | 545,000~575,000 |
30 | 590,000 | 575,000~605,000 |
31 | 620,000 | 605,000~635,000 |
32 | 650,000 | 635,000~ |
障害年金の障害等級表
1級 | 身体の機能障害や病状により日常生活が送れないほどの障害がある。入院や在宅介護を必要とし、介助がなければ身の回りのことができない。 |
2級 | 身体の機能障害や病状により日常生活に著しい制限を受ける障害がある。必ずしも介助を必要としないが、日常生活を送ることが困難で、働くことは難しい。 |
3級 | 日常生活に支障は少ないが、働くことに著しい制限を受ける又は著しい制限を加えないと働くことができない。 |
障害手当金 | 傷病が治癒したもので、働くことに制限を受ける又は制限を加えないと働くことができない。 |
障害厚生年金では、障害等級3級よりも軽い障害が残った場合に障害手当金が支給されます。
障害等級1級・2級の状態
障害等級3級 障害手当金の状態
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株式会社アルビノ代表取締役。ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。 個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資でお金を借りた経験があります。 株式投資歴は20年以上で、現在は個別株投資やベンチャー投資をしつつ、NISAつみたて投資枠でオルカン、成長投資枠で日経平均、サクっとインド株式、サクっと純金に投資しています。 FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。