年金の手取り計算シミュレーション!税金計算ツール

老齢厚生年金、iDeCo、企業年金を合算したものから、公的年金等控除を差し引いたものが年金所得です。
作成者:竹内潤平

年金の手取りと税金が計算できるシミュレーションツールです。

タブを切り替えると、老齢厚生年金と老齢基礎年金の受給額が試算できます。自身の年金受給額がわからないときにご利用ください。

年金+給与収入がある方」「年金+その他の所得がある方」は別の計算ツールをご利用ください。

※社会保険料は、75歳未満は東京都品川区、75歳以上は東京都後期高齢者医療広域連合の保険料で計算しています。保険料率は変更できます。より正確な金額を知りたい方は、ご自身の地域の保険料率を調べて入力してください。

住民税は所得割10%+均等割5,000円で計算しています。調整控除額は考慮していません。
住民税非課税世帯の判定は以下のとおりです。
65歳未満(配偶者控除あり)で年金収入171.3万円以下。
65歳未満(配偶者控除なし)で年金収入105万円以下。
65歳以上(配偶者控除あり)で年金収入211万円以下。
65歳以上(配偶者控除なし)で年金収入155万円以下。
扶養親族の人数に応じて非課税になる金額が変わります。

介護保険の保険料率と軽減条件

介護保険料は、年齢や年金収入をもとに住民税非課税世帯の判定をして、それに応じた所得表の計算式で計算しています。

住民税非課税世帯判定
65歳未満(配偶者控除なし)年金収入105万円以下
65歳未満(配偶者控除あり)年金収入171.3万円以下
65歳以上(配偶者控除なし)年金収入155万円以下
65歳以上(配偶者控除あり)年金収入211万円以下

▼世帯が非課税の所得段階

収入区分保険料率
年金収入80万円以下基準額×0.25
年金収入120万円以下基準額×0.30
年金収入120万円超基準額×0.65

▼世帯の誰かが課税、本人は非課税の所得段階

収入区分保険料率
年金収入80万円以下基準額×0.85
年金収入80万円超基準額

▼本人が課税の所得段階

収入区分保険料率
年金所得120万円以下基準額×1.10
年金所得210万円未満基準額×1.25
年金所得320万円未満基準額×1.45
年金所得420万円未満基準額×1.65
年金所得520万円未満基準額×1.80
年金所得620万円未満基準額×1.90
年金所得720万円未満基準額×2.00
年金所得900万円未満基準額×2.10
年金所得1,200万円未満基準額×2.40
年金所得2,500万円未満基準額×2.70
年金所得2,500万円以上基準額×3.30

介護保険の所得段階や保険料率は品川区の第1号被保険者の保険料を参考にしています。介護保険料は市区町村によって基準額や所得段階、保険料率などが異なります。

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免責事項

本計算ツールは、簡易的な方法で算出しているため正確な金額ではありません。
本計算ツールを利用した結果により生じた損害、損失、不利益等に対し、当社はいかなる責任も負いません。
正確な金額については、日本年金機構、税務署、全国健康保険協会、税理士、社会保険労務士、公認会計士、弁護士などにご相談ください。

目次

年金収入の手取り計算

年金収入のみでも所得税や住民税がかかりますが、公的年金等控除と基礎控除があり、結婚していれば配偶者控除もあるので、年金収入のみなら税金がかからない場合も多いです。

収入が年金のみの方は、65歳未満で年105万円以下、65歳以上で年155万円以下なら所得税はかかりません。

年金収入の手取りの計算式は以下のようになります。

手取り収入=年金収入-所得税-住民税

実際に年金を受け取る際には、所得税が源泉徴収され、住民税が特別徴収され、残った分が口座に振り込まれます。

なお、公的年金収入の合計額が年400万円以下で、公的年金や退職年金以外の収入が年20万円以下なら確定申告は必要ありません。

給与を受け取っている人や、他の所得がある人、医療費控除や寄附金控除などを受けたい人は確定申告してください。

年金所得の速算表

課税所得=年金収入-公的年金等控除-基礎控除-社会保険料控除-配偶者控除等

年金収入は雑所得として所得税が課税されます。

年金収入から公的年金等控除を引いたものが雑所得です。年金収入に応じた金額が控除されますが、公的年金等に係る雑所得の速算表を見ると金額がわかりやすいです。

年金所得以外の合計所得金額が1,000万円以下の場合の速算表は以下のとおりです。

65歳未満

公的年金等の収入金額雑所得の金額
60万円以下0円
60万円超130万円未満収入金額-60万円
130万円以上410万円未満収入金額×0.75-27万5千円
410万円以上770万円未満収入金額×0.85-68万5千円
770万円以上1,000万円未満収入金額×0.95-145万5千円
1,000万円以上収入金額-195万5千円
国税庁

65歳以上

公的年金等の収入金額雑所得の金額
110万円以下0円
110万円超330万円未満収入金額-110万円
330万円以上410万円未満収入金額×0.75-27万5千円
410万円以上770万円未満収入金額×0.85-68万5千円
770万円以上1,000万円未満収入金額×0.95-145万5千円
1,000万円以上収入金額-195万5千円
国税庁

たとえば65歳で年金収入が300万円の場合は以下のようになります。

300万円-110万円=190万円(雑所得)

多くの人は、年金収入が330万円未満だと思うので、年金収入から110万円を引いた金額が雑所得になります。

65歳以上で年金収入が400万円の場合は以下のようになります。

400万円×0.75-275,000円=2,725,000円(雑所得)

雑所得に所得税がかかるわけではなく、基礎控除や配偶者控除など各種控除を引いた額が課税所得となり、課税所得に税金がかかります。

基礎控除の金額

基礎控除額は所得金額に応じて決まります。

所得金額控除額
2,400万円以下48万円
2,400万円超2,450万円以下32万円
2,450万円超2,500万円以下16万円
2,500万円超0円
国税庁

厚生年金にiDeCoを足しても、年金収入のみで所得が2,400万円を超えることはありませんが、給与や不動産などその他の所得がある人は該当する場合もあると思います。

配偶者控除の金額

配偶者控除は所得金額と配偶者の年齢で決まります。

所得金額70歳未満70歳以上
900万円以下38万円48万円
900万円超950万円以下26万円32万円
950万円超1,000万円以下13万円16万円
1,000万円超0円0円
国税庁

配偶者自身の所得が48万円を超えると配偶者控除から配偶者特別控除に切り替わり、所得が95万円を超えると控除される金額が減額されます。

配偶者控除や配偶者特別控除の計算シミュレーション

扶養控除の金額

16歳以上の子どもや70歳以上の高齢者を扶養している方は、扶養控除が受けられます。15歳以下の子は、児童手当が支給されるため扶養控除からは除外されます。

区分控除額
一般の控除対象扶養親族38万円×人数
特定扶養親族63万円×人数
老人扶養親族(同居老親等以外の者)48万円×人数
老人扶養親族(同居老親等)58万円×人数
国税庁

2024年10月から児童手当が18歳まで(高校生まで)延長されます。その関係で、2026年以降は、16歳~18歳の子どもがいる家庭の扶養控除が縮小されます。

所得税の計算方法

公的年金が振り込まれるときは、以下の金額が所得税として源泉徴収されます。

源泉徴収税額=(年金支給額-社会保険料-各種控除額)×5.105%

支給される年金額から、公的年金等控除、社会保険料控除、基礎控除、配偶者控除、扶養控除など各種控除が引かれた課税所得に対して所得税がかかります。

実際には振り込まれる時点で5.105%の所得税が引かれていますが、本来は課税所得に対して以下の所得税が適用されます。

課税所得=年金収入-公的年金等控除-基礎控除-社会保険料控除-配偶者控除等

所得税の税率や控除額は以下のようになっています。

課税所得金額税率控除額
1,000円~1,949,000円5%0円
1,950,000円~3,299,000円10%97,500円
3,300,000円~6,949,000円20%427,500円
6,950,000円~8,999,000円23%636,000円
9,000,000円~17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円~45%4,796,000円
国税庁

源泉徴収されるときの税率は5.105%なので、課税所得195万円未満なら、所得税の速算表にある5%とほぼ同じ数字になります。

65歳以上なら年金収入が400万円でも課税所得は180万円ほどです。年金収入が400万円以下なら確定申告の必要はありません。

公的年金収入のみで課税所得が195万円以上になる人はいないと思いますが、iDeCoや企業年金も公的年金と同様の扱いになるので、合算した金額で課税所得が195万円を超える場合はあります。

課税所得が194万円のときの所得税は以下のようになります。

課税所得194万円×0.05=97,000円(所得税)

単身者で年金収入が423万円あると、基礎控除や社会保険料控除を引いた課税所得が196万円ほどになります。

配偶者控除のある人が、年金収入475万円だと、課税所得が196万円ほどになります。

厚生年金保険の保険料は上限額があるので、受け取れる年金額にも上限があります。厚生年金基金がなくなったことで、公的年金収入のみで年400万円超になることはありません。

仮に課税所得が195万円になった場合の所得税は以下のようになります。

課税所得195万円×0.1-97,500円=97,500円(所得税)

税率が10%になりますが、所得控除額が97,500円あるので課税所得194万円の人との差は500円しかありません。

復興特別所得税

所得税2万円×0.021=420円(復興特別所得税)

復興特別所得税は、東日本大震災の復興のための税金で、平成25年から令和19年まで徴収されます。

基準所得税額に2.1%を掛けた金額が引かれます。所得税がかからなければ復興特別所得税もかかりません。

たとえば所得税が20,000円の場合は以下のようになります。

住民税の計算方法

年金収入には住民税もかかります。住民税は、昨年の所得金額に応じた所得割と定額の均等割を足した金額になります。

住民税=所得割税額控除額+均等割

所得割

区分税額
道府県民税部分4%
市区町村民税部分6%

住民税は標準税率があるため、どの市区町村に住んでいても同じ税率になります。

一般的に住民税10%と言われるのは、所得割の税率のことを指しています。所得の金額にかかわらず一律10%です。

道府県民税の所得割額=課税所得金額×4%-調整控除額-税額控除額

市区町村民の所得割額=課税所得金額×6%-調整控除額-税額控除額

課税所得金額は所得金額から所得控除額(基礎控除・配偶者控除・社会保険料控除・生命保険料控除・医療費控除など)を差し引いた金額です。

課税所得金額に税率を掛けて、調整控除額と税額控除額を引いたものが差し引き所得割額となります。

課税所得金額は1,000円未満切り捨てです。差し引き所得割額は100円未満切り捨てです。

税額控除には以下の控除があります。

  • 配当控除
  • 外国税額控除
  • 寄附金税額控除
  • 配当割額及び株式譲渡所得割額の控除
  • 住宅借入金等特別税額控除
  • 調整控除

均等割

均等割は住んでいる地域によって多少の差はありますが、おおよそ以下の金額になっています。

区分税額
道府県民税部分1,000~1,500円
市区町村民税部分3,000~3,500円
合計4,000~5,000円

均等割も所得割と同様に、道府県民税部分と市区町村民税部分に分かれています。

均等割=都道府県民税分+市区町村民税分

生活保護を受けている人や障害者、未成年者、寡婦またはひとり親で所得が一定の金額に満たない人は均等割が課されません。

住民税が非課税になる年金収入

扶養親族がいない場合、以下の年金収入以下なら住民税(所得割・均等割)が非課税になります。

個人住民税の非課税(東京都)

年齢配偶者控除年金収入
65歳未満なし105万円以下
あり171.3万円以下
65歳以上なし155万円以下
あり211万円以下

東京23区の同一生計の配偶者や扶養親族がいる場合で、所得割・均等割とも非課税になる合計所得金額は以下のとおりです。

35万円×(本人+ 同一生計配偶者 ・ 扶養親族の人数) + 31万円以下

本人+配偶者の場合
35万円×2+31万円=101万円

本人+配偶者+扶養親族1人
35万円×3+31万円=136万円

本人と配偶者の場合、合計所得金額が101万円以下なら非課税になるので、65歳以上なら公的年金等控除の110万円を足した211万円が、年金収入の非課税限度額になります。

配偶者と扶養親族1人の合計2人の扶養親族がいる場合は、65歳以上で246万円が年金収入の非課税限度額になります。

東京23区の同一生計の配偶者や扶養親族がいない場合で、所得割・均等割とも非課税になる合計所得金額は以下のとおりです。

45万円以下

配偶者がいない場合は、合計所得金額45万円以下で非課税になるので、65歳以上なら公的年金等控除の110万円を足した155万円が、年金収入の非課税限度額になります。

65歳以上の夫婦なら、夫の年金収入が211万円、妻の年金収入が155万円でも住民税非課税となります。

国民健康保険料の計算方法

年金受給者で会社に勤めていない74歳以下の人は、国民健康保険に加入します。

国民健康保険料は、前年の世帯所得に対して6月に年度単位で計算し、毎年6月に国民健康保険料額通知書が世帯主に届きます。

国民健康保険料は世帯の所得に応じて決まりますが、市区町村によっても金額が変わります。

算定基礎額=年金収入-公的年金等控除-基礎控除

保険料=算定基礎額×所得割額の保険料率+均等割額

年金受給者の国民健康保険料は、算定基礎額をもとに計算します。世帯の被保険者一人ごとに計算し、世帯で合算したものが算定基礎額となります。

65歳未満の国民健康保険料は、「医療分、支援分、介護分」に分かれており、65歳以上の保険料は「医療分、支援分」+「介護保険」に分かれています。

75歳以上の方は、後期高齢者医療制度に加入することになります。後期高齢者医療制度は、「所得割、均等割」+「介護保険」に分かれています。

基礎控除の金額

年金の手取り計算のところで解説したとおり、年金収入から公的年金等控除を引いたものが年金所得(雑所得)です。

年金所得から基礎控除を引いたものが算定基礎額ですが、所得税の基礎控除額とは少し異なります。住民税の基礎控除額と同じ額です。

所得金額控除額
2,400万円以下43万円
2,400万円超2,450万円以下29万円
2,450万円超2,500万円以下15万円
2,500万円超0円
国税庁

所得割と均等割

国民健康保険料は、所得割額と均等割額の2つがあります。それぞれ医療分、後期高齢者支援金分(支援分)、介護納付金分(介護分)に分かれています。

所得割額均等割額
医療分世帯の算定基礎額×8.69%被保険者数×49,100円
支援分世帯の算定基礎額×2.80%被保険者数×16,500円
介護分40歳~64歳の算定基礎額×2.36%40歳~64歳の被保険者数×16,500円
大田区の場合

世帯のうち国民健康保険に加入している人数が2人なら2人分、3人なら3人分の保険料がかかります。

所得割の保険料率や均等割額の金額は市区町村によって異なります。

医療分・支援分・介護分

医療分とは、国民健康保険の医療費などにあてられる保険料です。病気やケガをしたときの医療費の財源になります。

後期高齢者支援金分(支援分)は、後期高齢者を支援する保険料です。後期高齢者医療制度を支えるための財源になります。

介護分は、介護が必要な人を支えるための保険料で、介護保険制度を支えるための財源になります。

保険料がかかるのは、40歳から64歳までの方のみです。会社員の方でも、40歳以上になると健康保険料に介護保険料がプラスされて天引きされるようになります。

65歳以降は健康保険の介護分がなくなり、別枠で介護保険料がかかるようになります。健康保険の介護分と介護保険料の両方が徴収されることはありません。

所得割・均等割・平等割

所得割額は、前年の所得に応じて変動する部分です。高収入な世帯ほど高額になります。所得割額の保険料率はお住まいの市区町村によって変わります。

均等割額は所得に関係なく、世帯の国保加入者数に応じてかかる部分です。世帯の人数が多いほど増えます。

医療分と支援分には、平等割もあります。国保に加入する全世帯が平等に負担する保険料です。ただし、平等割を廃止する自治体が多く、現在では多くの自治体で平等割は採用されていません。

お住まいの自治体のWebサイトを見ると、保険料率や均等割の金額、平等割を採用しているかなどが確認できます。毎年6月に送られてくる国民健康保険料納入通知書にも書かれています。

一例として挙げると、愛知県刈谷市では、平等割が採用されています。平等割があることで、平等割がない自治体よりも所得割の保険料率や均等割が低くなっています。

限度額

保険料は世帯限度額と区分ごとの限度額が設けられています。

世帯限度額 106万円医療分 65万円
支援分 24万円
介護分 17万円

保険料の総額が年106万円を超えることはありません。限度額は高所得者が納める保険料で定期的に見直されます。

均等割額の軽減

所得金額が一定以下の方は、均等割額が軽減されます。

世帯にいる国民健康保険制度の被保険者全員と世帯主の「総所得金額等を合計した額」が下記に該当する場合は、均等割額が軽減されます。

均等割額の軽減表で使用する所得は、年金所得や給与所得などの総所得ですが、65歳以上の方で公的年金所得がある場合、公的年金所得から15万円を控除した額になります。

総所得金額等の合計が下記に該当する世帯軽減割合
43万円+(年金または給与所得者等の数-1)×10万円以下7割軽減
43万円+(年金または給与所得者等の数-1)×10万円+被保険者数×29.5万円以下5割軽減
43万円+(年金または給与所得者等の数-1)×10万円+被保険者数×54.5万円以下2割軽減
品川区

「年金または給与所得者の合計数」は、65歳未満の方は公的年金等収入が60万円、65歳以上の方は公的年金等収入が125万円を超える場合にカウントします。

被保険者1人の場合

被保険者が1人、年金所得者が1人の場合は以下のようになります。

年金所得の合計軽減割合
43万円以下7割軽減
72.5万円以下5割軽減
97.5万円以下2割軽減
品川区

被保険者2人の場合

被保険者が2人、年金所得者が1人の場合は以下のようになります。

年金所得の合計軽減割合
43万円以下7割軽減
102万円以下5割軽減
152万円以下2割軽減
品川区

被保険者が2人、年金所得者が2人の場合は以下のようになります。

年金所得の合計軽減割合
53万円以下7割軽減
112万円以下5割軽減
162万円以下2割軽減
品川区

被保険者3人の場合

被保険者が3人で、そのうち給与所得者や年金受給者が2人の場合、以下のようになります。

年金所得の合計軽減割合
53万円以下7割軽減
141.5万円以下5割軽減
216.5万円以下2割軽減

仮に世帯の所得が130万円なら5割軽減、200万円なら2割軽減されます。

年金受給者の保険料計算

65歳~74歳以下の単身年金受給者の保険料の計算は以下のようになります。

東京都品川区の保険料率などをもとに計算しています。金額は目安として考えてください。

年金収入200万円
雑所得90万円
算定基礎額47万円
医療分(所得割)40,800円
医療分(均等割)39,300円
支援分(所得割)13,200円
支援分(均等割)13,200円
介護分(所得割)0円
介護分(均等割)0円
介護保険85,800円
総額保険料192,200円

後期高齢者医療制度の保険料計算

75歳以上の人は、後期高齢者医療制度に加入することになるため、国民健康保険制度とは異なる保険料になります。

賦課のもととなる所得金額=年金収入-公的年金等控除-基礎控除

保険料=賦課のもととなる所得金額×所得割額の保険料率+均等割額

後期高齢者医療制度の保険料は、「賦課のもととなる所得金額」をもとに計算します。

年金収入から公的年金等控除を引いたものが年金所得で、年金所得から基礎控除額を引いたものが、賦課のもととなる所得金額です。国民健康保険における算定基礎額にあたるものです。

所得割額と均等割額

後期高齢者医療制度も国民健康保険制度と同様に、所得割額と均等割額の2つがあります。

所得割額均等割額
保険料賦課のもととなる所得金額×9.67%被保険者数×47,300円
東京都の場合

国民健康保険のような医療分、支援分、介護分には分かれていません。

限度額

所得割額均等割額
限度額80万円

所得割と均等割の合計額がこの金額を超えることはありません。限度額は高所得者に適用されるもので定期期に見直されます。

所得割額の軽減

後期高齢者医療制度には所得割額の軽減もあります。

賦課のもととなる所得金額軽減割合
15万円以下50%
20万円以下25%
東京都

令和6年度は、激変緩和措置として以下の保険料率が適用されます。

賦課のもととなる所得金額保険料率
58万円以下8.78%
58万円超9.67%
東京都

令和7年度は全ての方の所得割率が9.67%となります。

均等割額の軽減

所得金額が一定以下の世帯は、均等割額が軽減されます。これは国民健康保険の保険料計算と同じ仕組みです。

世帯にいる後期高齢者医療制度の被保険者全員と世帯主の「総所得金額等を合計した額」が下記に該当する場合は、均等割額が軽減されます。

均等割額の軽減表で使用する所得は、年金所得や給与所得などの総所得ですが、65歳以上の方の公的年金所得については、高齢者特別控除15万円を差し引いた額で判定されます。

総所得金額等の合計が下記に該当する世帯軽減割合
43万円+(年金または給与所得者の合計数-1)×10万円以下7割軽減
43万円+(年金または給与所得者の合計数-1)×10万円+被保険者数×29.5万円以下5割軽減
43万円+(年金または給与所得者の合計数-1)×10万円+被保険者数×54.5万以下2割軽減
東京都

「年金または給与所得者の合計数」は、65歳未満の方は公的年金等収入が60万円、65歳以上の方は公的年金等収入が125万円を超える場合にカウントします。

後期高齢者医療制度に加入する方は75歳以上なので、年金収入が125万円を超えると「年金または給与所得者」となります。

被保険者1人の場合

被保険者が1人、年金収入が125万円を超える年金所得者の合計数が1人の場合は以下のようになります。

年金所得の合計軽減割合
43万円以下7割軽減
72.5万円以下5割軽減
97.5万円以下2割軽減
東京都

被保険者2人の場合

被保険者が2人、年金収入が125万円を超える年金所得者の合計数が1人の場合は以下のようになります。

年金所得の合計軽減割合
43万円以下7割軽減
102万円以下5割軽減
152万円以下2割軽減
東京都

被保険者が2人、年金収入が125万円を超える年金所得者の合計数が2人の場合は以下のようになります。

年金所得の合計軽減割合
53万円以下7割軽減
112万円以下5割軽減
162万円以下2割軽減
東京都

年金受給者の保険料計算

75歳以上の単身年金受給者の保険料の計算は以下のようになります。

東京都の保険料率などをもとに計算しています。金額は目安として考えてください。

年金収入200万円
雑所得90万円
賦課のもととなる所得金額47万円
所得割45,449円
均等割37,840円
介護保険85,800円
総額保険料169,000円

後期高齢者医療広域連合

後期高齢者医療制度は、都道府県ごとに全市区町村が加入する後期高齢者医療広域連合が運営しています。

後期高齢者医療広域連合によって保険料が異なります。

後期高齢者医療広域連合

都道府県によって所得割の保険料率や均等割が全く異なります。これは、国民健康保険の保険料が自治体によって異なるのと同じ仕組みです。

国民健康保険は、地区町村単位で保険料が変わりますが、後期高齢者医療制度は都道府県単位で変わります。

都道府県別の保険料

所得割率均等割
東京都9.67%47,300円
大阪府11.75%57,172円
神奈川県10.08%45,900円
埼玉県9.03%45,930円
愛知県11.24%52,791円
北海道11.79%52,953円
令和6年、7年

所得割額の保険料率や均等割額が、都道府県によって大きな差が見られることがわかると思います。東京都は全国的に見て低い方です。

後期高齢者医療制度の保険料は、2年毎に改定されます。保険料の算定基礎となっているのは、年度平均被保険者数と一人当たり医療給付費などです。

令和6年の料金改定では、大幅に料金が上がった都道府県が多かったです。その理由が埼玉県後期高齢者医療広域連合の資料に書かれていました。

令和5年5月に「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」が成立しました。

後期高齢者負担率が、後期高齢者一人当たりの保険料の伸び率と、現役世代の一人当たり支援金の伸び率を合わせるように算定方法の見直しが行われたことで、大幅に引き上げられました(令和 6・7年度の後期高齢者負担率は 12.67%で、前回改定時の 11.72%から 0.95 ポイント引き上げられました)。

※埼玉県後期高齢者医療広域連合(PDF)

今後も75歳以上の人口が増えることで、後期高齢者の医療費は上がります。それと共に保険料も上がっていくのでしょう。

介護保険の保険料計算

介護保険制度は、介護サービスを受けるときの費用負担を軽減するための制度です。社会全体で介護を支えることを目的として2000年に創設されました。

介護保険は、第1号被保険者と第2号被保険者があります。

第1号被保険者65歳以上の人
第2号被保険者40歳以上65歳未満の医療保険加入者

第2号被保険者は、40歳以上65歳未満の会社員や公務員の方が中心で、保険料は給与や賞与から天引きされます。保険料は勤務先と被保険者がで折半します。

自営業などの国民健康保険の加入者は、市区町村が国民健康保険料に上乗せして徴収します。65歳以上の第1号被保険者も同様に、市区町村が年金を支給するときに天引きします。

40歳~64歳までは健康保険料に介護保険分が含まれていて、65歳以降は介護保険料が別で徴収される形になります。

第1号被保険者の介護保険の保険料

65歳以上になり第1号被保険者になった方や、60歳で定年退職して任意継続しなかった人、自営業者などが市区町村に介護保険料を支払います。

保険料は基準額に保険料率を掛けたものを支払いますが、基準額や保険料率は市区町村によって異なります。

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所得段階対象者保険料
第1段階世帯全員が区民​税非課税生活保護、老齢福祉年金、中国残留邦人等生活支援給付を受けている方基準額×0.25
第2段階収入金額が80万円以下の方基準額×0.25
第3段階収入金額が80万円を超え120万円以下の方基準額×0.30
第4段階収入金額が120万円を超える方基準額×0.65
第5段階収入金額が80万円以下の方基準額×0.85
第6段階世帯の誰かに区民税が課税されているが、本人は区民税非課税収入金額が80万円を超える方基準額
第7段階合計所得金額が120万円未満の方基準額×1.05
第8段階本人が区民税課税合計所得金額が120万円以上210万円未満の方基準額×1.20
第9段階合計所得金額が210万円以上320万円未満の方基準額×1.40
第10段階合計所得金額が320万円以上500万円未満の方基準額×1.65
第11段階合計所得金額が500万円以上800万円未満の方基準額×1.95
第12段階合計所得金額が800万円以上1,200万円未満の方基準額×2.15
第13段階合計所得金額が1,200万円以上2,000万円未満の方基準額×2.35
第14段階合計所得金額が2,000万円以上の方基準額×2.80
品川区

所得段階が9段階のところもあれば16段階のところもあります。段階ごとの収入基準、所得基準もそれぞれ異なります。

住民税非課税の人がいる世帯は、年金収入が基準となり、住民税課税世帯は所得金額が基準になっています。

表の中で出てくる合計所得については、わかりにくいので品川区の公式サイトの文章を引用して載せておきます。

収入金額から必要経費に相当する金額を控除した金額のことで、所得控除(扶養控除や医療費控除等)や損失の繰越控除をする前の金額です。分離所得も含まれます。土地建物等の譲渡所得がある場合には、長期譲渡所得及び短期譲渡所得に係る特別控除額を控除した額を用います。所得段階が1~6段階については、上記合計所得金額から公的年金等に係る雑所得を控除した額を用います。なお、合計所得金額に給与所得または公的年金等に係る雑所得が含まれている場合は、給与所得及び公的年金等に係る雑所得の合計額から10万円を控除した額を用います。

※品川区
株式会社アルビノ代表取締役。ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。 個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資でお金を借りた経験があります。 株式投資歴は20年以上で、現在は個別株投資やベンチャー投資をしつつ、NISAつみたて投資枠でオルカン、S&P500、日経225に投資しています。 FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。
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