貴金属や宝石を売却したときの税金計算シミュレーション

金や宝石、自動車や船舶などを売却したときの譲渡所得は総合課税です。他の所得と合算して税金が課せられます。

計算結果はPDF出力できます。

売却価格が30万円超の貴金属や宝石、高級外車や船舶などを売却したときの譲渡所得の税金がシミュレーションできる計算ツールです。

このツールでは、「車両、船舶、機械器具、競走馬、貴金属、宝石、ブランドバッグ、営業権、特許権、著作権」など総合課税となる譲渡所得の税金が計算できます。

譲渡所得が赤字の場合は、他の所得と損益通算できます。赤字は「-10」のように入力してください。

給与所得者の総合課税の譲渡所得が計算できます。
社会保険料は令和6年度の保険料率をもとに計算しています。

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売却価格が1個30万円以下の貴金属や宝石などの売却益は課税されません。

日常使用している車の売却益は課税されません。(高級外車やスポーツカーなどは対象)

目次

譲渡所得の税金の計算方法(総合課税)

総合課税の対象になる譲渡所得は、譲渡所得にその他の所得を合算した合計所得金額をもとに税金を計算します。

譲渡所得を計算するために、始めに譲渡益を算出します。

譲渡益=譲渡所得の収入金額-(取得費+譲渡費用)

譲渡益は、譲渡したことによって得られた利益なので、譲渡所得の収入金額から、必要経費である取得費や譲渡費用を差し引いて算出します。

譲渡所得の収入金額とは、資産や権利などを売却したときに得た収入のことです。

取得費は、一般的には購入代金や手数料のことです。譲渡費用は売るためにかかった費用のことです。

譲渡所得の計算

譲渡益が計算できたら譲渡所得を算出します。

短期譲渡所得は全額が総合課税の対象となり、長期譲渡所得は2分の1の金額が総合課税の対象になります。

譲渡所得=譲渡益-特別控除額(50万円)

譲渡所得には特別控除額50万円があるので、年間50万円以下の譲渡益なら税金はかかりません。

短期譲渡所得収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除50万円
長期譲渡所得(収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除50万円)×1/2

短期譲渡所得と長期譲渡所得の両方がある場合は、短期譲渡所得から先に特別控除50万円を差し引き、控除額の残額がある場合は長期譲渡所得からも差し引きます。

長期譲渡所得は特別控除50万円を差し引いたあとの金額に1/2を掛けて求めます。短期譲渡所得と長期譲渡所得を合計したあとに50万円を引くわけではないので、計算ツールを作るときに注意しなければいけない部分です。

課税所得の計算

譲渡所得をもとに課税所得を算出します。

課税所得=譲渡所得+その他の所得-各種控除

譲渡所得とその他の所得を合計して、各種控除額を引いたものが課税所得です。

その他の所得とは、給与所得や事業所得、不動産所得などのことです。各種控除額とは、配偶者控除や扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除などのことです。

分離課税の譲渡所得では、短期譲渡所得でも長期譲渡所得でも全額が譲渡所得になりますが、それぞれに適用される税率が異なっています。

譲渡所得の税金を計算する

課税所得が算出できたら所得税を計算します。

所得税=課税所得×税率-控除額

課税所得は、さきほど計算した譲渡所得とその他の所得を合算し、各種控除額を引いた金額です。

所得税の税率と控除額は、課税所得金額によって異なります。

所得税の税率

課税所得金額税率控除額
1,000円~1,949,000円5%0円
1,950,000円~3,299,000円10%97,500円
3,300,000円~6,949,000円20%427,500円
6,950,000円~8,999,000円23%636,000円
9,000,000円~17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円~39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円~45%4,796,000円
国税庁

総合課税の所得税の税率は5%~45%です。課税所得が大きくなると、分離課税の税率よりも高くなります。

住民税を計算する

住民税=合計所得-各種控除×所得割10%+均等割

住民税は所得割と均等割の2つがあります。

所得割
道府県民税4%
市町村民税6%

住民税の所得割の税率は全国一律です。

均等割
特別区民税3,000円
都民税1,000円
品川区

均等割は市区町村によって異なりますが、4,000円~5,000円のところが多いと思います。令和5年度までは復興税が1,000円加算されていました。

譲渡所得の課税対象になる資産

日常的に使用する家具、通勤用の車、時計など「生活用動産」は課税されませんが、その他の動産を売却したときは譲渡所得になる可能性が高いです。

貴金属や宝石、ブランドバッグなどについては、生活で使用しているものは課税の対象になりませんが、1個の価額が30万円を超えるものは譲渡所得の対象になります。売却益が年間50万円を超える場合には確定申告が必要です。

資産の譲渡による所得のうち、次の所得については課税されません。

(1) 生活用動産の譲渡による所得

家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡による所得です。

ただし、貴金属や宝石、書画、骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものの譲渡による所得は除きます。

※国税庁

「売却価格30万円超」が対象で譲渡益ではないので注意しましょう。売却で得た金額が30万円を超えると譲渡所得の対象になります。

売却益が年間50万円以下の場合は、課税対象にはなりますが、確定申告は不要です。

ブランド品を転売目的で仕入れて販売しているような場合には、日常使用にあたらないため、事業所得や雑所得として申告することになります。

売却価格が30万円を超えると課税対象
貴金属金(ゴールド)、銀(シルバー)、プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、イリジウムなど
宝石アメジスト、アクアマリン、アレキサンドライト、インペリアルトパーズ、インディコライト、エメラルド、サファイア、シトリン、真珠、ダイヤモンド、デマントイドガーネット、パパラチアサファイア、パライバトルマリン、ブラックオパール、ペリドット、ルビー、ルベライト、コーラルなど
ブランドバッグルイヴィトン、エルメス、シャネル、セリーヌ、サンローラン、クロエ、プラダ、グッチ、フェンディ、ボッテガヴェネタ、ロエベ、バレンシアガ、バーバリー、ディオール、ドルチェ&ガッバーナ、ジバンシィ、アルマーニ、ヴァレンティノ、フェラガモ、ジミーチュウ、、、、、
ジュエリーカルティエ、ティファニー、ハリーウィンストン、ブルガリ、ヴァンクリーフ&アーペル、ブシュロン、ポメラート、ミキモト、タサキ
骨董品茶道具、掛軸、絵画、焼物(陶磁器製品)、刀剣、甲冑類、象牙・珊瑚・翡翠製品

総合課税の対象になる譲渡所得

総合課税の譲渡所得
  • 金地金、宝石、書画、骨とう、土石(砂)
  • 車両、船舶、機械器具
  • 競走馬
  • 営業権、特許権、著作権
  • 鉱業権、漁業権、取引慣行のある借家権、ゴルフ会員権
  • 特定の公社債

不動産や株式以外の資産を譲渡したときの所得は総合課税になります。総合課税の譲渡所得は、他の所得と合算した合計所得に対して課税されます。

分離課税の対象になる譲渡所得

申告分離課税税率
土地建物等の譲渡所有期間による
株式等の譲渡20.315%(所得税15%、住民税5%)

土地・建物や上場株式等を売却した時の所得は分離課税の対象となり、他の所得とは分けて税金を計算します。

譲渡所得の対象にならない資産

全ての資産が譲渡所得の対象になるわけではありません。車両も譲渡所得の対象ですが、通勤用の車などは課税対象外です。

所得税が課税されない譲渡所得
生活用動産の譲渡による所得家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服など
強制換価手続により資産が競売などをされたことによる所得滞納処分や強制執行により譲渡した資産
国または地方公共団体に対して寄付した財産公益を目的とする事業を行う法人に対する財産の寄附
財産を相続税の物納に充てた場合の所得財産を相続税の物納に充てた場合
国税庁

通勤用の車や、日常の買い物に利用する車は課税されない資産です。

時計も生活用動産に含まれます。数百万円以上する高級ブランド時計もありますが、自分が日常使用してきた時計なら生活用動産と見なされる可能性が高いです。

ただし、アンティークウォッチや、貴金属・宝石が使われている時計は、骨董品や宝石と同様に課税される可能性があります。

車両の売却益が譲渡所得になる場合

譲渡所得の対象になる自動車
  • 趣味・レジャー目的の車
  • 事業用の車
  • 高級スポーツカーなど嗜好性の高い車

事業用の車は、法人だけではなく個人事業主が事業で利用する車も含まれます。

車両代、ガソリン代、駐車場代、自動車税などを経費にしている個人事業主も多いと思いますが、経費にしているということは事業用の車にあたるので、売却して利益が出たときは課税の対象になります。

5年を超えて利用した車は長期譲渡所得にあたり、利益の半分が課税譲渡所得になるため、特別な高級車でなければ高額な税金が発生することはありません。

高級スポーツカーなど、生活に通常必要な車とは言えないものは、売却して利益が出たときは課税されます。通勤に使用していたとしても課税される可能性が高いです。

高級車を売却した時の所得隠しは税務署が目を付けているので、申告漏れなどで追徴課税が課される場合もあります。

フェラーリなど高級外車の売却益を巡り、約20の法人と個人が東京国税局や関東信越国税局などから相次いで所得隠しや申告漏れを指摘されていた……。

所得隠しは2017年までの数年間で計約8億円。申告漏れだけを指摘されたケースも含めると総額は25億円を超える。背景には、富裕層の納税意識の低さが浮かび上がる。

「申告義務があると知らなかった」とか「現金取引を要求した」というような明らかに課税逃れを予期するような意図的な発言が続く。

※ぎょうせいオンライン

これだけの利益を出すのも凄いですが、複数台の高級外車を所有している時点で、日常使用の車とは言えないので、課税されるのは当然です。

売却益が出なければ確定申告は不要

譲渡所得は「売却価格-(取得費+譲渡費用)」で計算するので、購入したときよりも安く売れたときは、損失が発生しているので課税所得は0円です。

車両に限らず、貴金属や宝石なども同じで、購入費用の方が高ければ売却価格が高くても税金はかかりません。(購入費用を偽っていた場合は別)

一般的な車が購入時よりも高値で売れることは稀です。特別控除50万円があるので、年間50万円以上の利益が出なければ確定申告は不要です。

高級外車、スポーツカー、旧車など希少性の高い車は別ですが、大衆車の売却で譲渡所得を気にする必要はありません。

譲渡所得の赤字は損益通算できる

高級外車や船舶、貴金属や宝石などを売却したときに売却損が発生したときは、他の所得の黒字と損益通算することができます。

損益通算できる所得とできない所得は以下のようになっています。

損益通算できる不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得
損益通算できない配当所得、給与所得、一時所得、雑所得の損失、利子所得、退職所得

譲渡所得は損益通算できるので、赤字になったときに、給与所得や事業所得と損益通算することができます。

一時所得(公営ギャンブルなど)や雑所得(副業収入、仮想通貨、海外FXなど)は赤字になっても損益通算できません。

株式会社アルビノ代表取締役。ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。 個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資でお金を借りた経験があります。 株式投資歴は20年以上で、現在は個別株投資やベンチャー投資をしつつ、NISAつみたて投資枠でオルカン、S&P500、日経225に投資しています。 FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。
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