相続税の計算シミュレーション

配偶者の有無と相続割合、相続人となる子ども、両親、兄弟姉妹を選択するとそれぞれの相続税が計算できます。

計算結果をPDF出力できるようにしました。

相続税と贈与税が計算できるシミュレーションツールです。

配偶者の相続割合を変更できるようになっています。初期値では法定相続分の割合が適用されます。

相続割合を算出する際に端数が出たときは、小数点第2位で四捨五入しています。
各人の相続税は1万円未満で四捨五入しています。
兄弟姉妹の相続税額は2割加算で算出しています。

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免責事項

本計算ツールは、簡易的な方法で算出しているため正確な金額ではありません。
本計算ツールを利用した結果により生じた損害、損失、不利益等に対し、当社はいかなる責任も負いません。
正確な金額については、日本年金機構、税務署、全国健康保険協会、税理士、社会保険労務士、公認会計士、弁護士などにご相談ください。

目次

相続税の早見表

相続人の種類と遺産総額によって、どれだけ相続税がかかるのかを早見表にしてみました。

相続税額は相続人1人ごとの金額ではなく総額を掲載しています。

※金額は目安としてお考えください。

配偶者+子ども

配偶者の相続割合は50%で計算しています。この場合、配偶者控除により、遺産がいくらでも配偶者自身に相続税はかかりません。

配偶者+子ども1人子ども2人子ども3人
4,000万円0万円0万円0万円
5,000万円40万円10万円0万円
6,000万円90万円60万円30万円
7,000万円160万円112万円81万円
8,000万円235万円176万円138万円
9,000万円310万円240万円201万円
1億円385万円316万円261万円
1.5億円920万円748万円666万円
2億円1,670万円1,350万円1,218万円
2.5億円2,460万円1,986万円1,800万円
3億円3,460万円2,860万円2,541万円

子どものみ

子どものみ子ども1人子ども2人子ども3人
3,000万円0万円0万円0万円
4,000万円40万円0万円0万円
5,000万円160万円80万円18万円
6,000万円310万円180万円120万円
7,000万円480万円320万円219万円
8,000万円680万円470万円330万円
9,000万円920万円620万円480万円
1億円1,220万円770万円630万円
1.5億円2,860万円1,840万円1,440万円
2億円4,860万円3,340万円2,460万円
2.5億円6,930万円4,920万円3,960万円
3億円9,180万円6,920万円5,460万円

配偶者+父母

配偶者の相続割合は65%で計算しています。この場合、配偶者控除により、遺産がいくらでも配偶者自身に相続税はかかりません。

配偶者+父母1人父母2人
4,000万円0万円0万円
5,000万円28万円6万円
6,000万円67万円42万円
7,000万円113万円86万円
8,000万円164万円132万円
9,000万円221万円178万円
1億円285万円234万円
1.5億円693万円612万円
2億円1,188万円1,054万円
2.5億円1,829万円1,622万円
3億円2,471万円2,206万円

配偶者+兄弟姉妹

配偶者の相続割合は75%で計算しています。この場合、配偶者控除により、遺産がいくらでも配偶者自身に相続税はかかりません。

配偶者+兄弟1人兄弟2人兄弟3人
4,000万円0万円0万円0万円
5,000万円24万円6万円0万円
6,000万円59万円36万円18万円
7,000万円101万円76万円51万円
8,000万円142万円118万円93万円
9,000万円195万円160万円135万円
1億円251万円214万円180万円
1.5億円626万円564万円510万円
2億円1,089万円1,000万円924万円
2.5億円1,620万円1,506万円1,428万円
3億円2,183万円2,016万円1,935万円

父母のみ

父母のみ父母1人父母2人
3,000万円0万円0万円
4,000万円40万円0万円
5,000万円160万円80万円
6,000万円310万円180万円
7,000万円480万円320万円
8,000万円680万円470万円
9,000万円920万円620万円
1億円1,220万円770万円
1.5億円2,860万円1,660万円
2億円4,860万円3,340万円
2.5億円6,930万円4,920万円
3億円9,180万円6,920万円

兄弟姉妹のみ

兄弟のみ兄弟1人兄弟2人兄弟3人
3,000万円0万円0万円0万円
4,000万円48万円0万円0万円
5,000万円192万円96万円24万円
6,000万円372万円216万円144万円
7,000万円576万円384万円264万円
8,000万円816万円564万円396万円
9,000万円1,104万円744万円576万円
1億円1,464万円924万円756万円
1.5億円3,432万円2,208万円1,728万円
2億円5,832万円4,008万円2,952万円
2.5億円8,316万円5,904万円4,752万円
3億円11,016万円8,304万円6,552万円

相続税の計算方法

相続税の計算方法は簡単ではありません。1つの計算式で算出できるものでもないので、自分で計算するのは難しいかもしれません。

相続税の計算方法は、いくつかの段階を経なければなりません。相続人が1人ならまだよいですが、複数人いる場合は計算ツールを使うのがおすすめです。

相続税計算の流れ

相続計算の流れ
  1. 各相続人の課税価格を計算する
  2. 課税価格の合計額を計算する
  3. 課税遺産総額を計算する
  4. 各法定相続人の取得金額を計算する
  5. 各法定相続人の税額を計算する
  6. 相続税の総額を計算する
  7. 各相続人の相続税額を計算する
  8. 各相続人の納付税額を計算する

相続税を計算するために、まずは仮の相続税額を計算して、その相続税額に対して各相続人の相続割合を掛ける必要があります。

①各相続人の課税価格を計算する

課税価格=取得した財産の価格-(被相続人の借金+葬儀費用)+生前贈与

相続人が複数いる場合は、各人の課税価格を計算します。取得した財産の価格とは、相続した家や預貯金のことです。

被相続人(死亡者)に借金があった場合は、遺産から差し引きます。葬儀費用も遺産から除外されるため差し引きます。

相続開始前7年以内に、被相続人から生前贈与を受けていた場合、贈与財産を相続財産に持ち戻して相続税額を計算する必要があるため、課税価格にプラスしなければなりません。

自宅2,000万円、預貯金5,000万円の場合
配偶者:2,000万円(課税価格)
子どもA:3,000万円-200万円(葬儀費用)=2,800万円(課税価格)
子どもB:2,000万円+500万円(生前贈与)=2,500万円(課税価格)

遺産から借金や葬儀費用などを差し引いた金額のことを「正味の遺産」と言います。上記の例では、生前贈与をプラスして正味の遺産が7,300万円になります。

課税価格に1,000円未満の端数があるときは、1,000円未満で切り捨てることになっています。課税価格が1,000円未満のときは全額を切り捨てます。

②課税価格の合計額を計算する

①で算出した課税価格をもとに課税価格の合計額を計算します。

課税価格の合計額=各相続人の課税価格の合計

各人で計算した課税価格を合計したものが課税価格の合計額です。

③課税遺産総額を計算する

②で算出した課税価格の合計額をもとに課税遺産総額を計算します。

課税遺産総額=課税価格の合計額-基礎控除額

課税価格の合計額から遺産にかかる基礎控除を引いた金額が課税遺産総額です。

基礎控除は以下の計算式で求めます。

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数

相続税計算上の法定相続人の数が多いほど基礎控除額も増えます。

④各法定相続人の取得金額を計算する

③で算出した課税遺産総額をもとに各法定相続人の取得金額を計算します。

各法定相続人の取得金額=課税遺産総額×各人の法定相続分

課税遺産総額を各人の法定相続分で掛けたものが取得金額です。実際の相続割合ではなく法定相続分で掛けます。

相続人配偶者の法定相続分その他の法定相続分
配偶者のみ1/1-
配偶者+子1/21/2
配偶者+父母2/31/3
配偶者+兄弟3/41/4

配偶者がいない場合は、子どもや父母、兄弟が1/1になります。子どもがいる場合は、父母や兄弟が法定相続人になることはありません。

取得金額に1,000円未満の端数があるときは、1,000円未満で切り捨てることになっています。取得金額が1,000円未満のときは全額を切り捨てます。

⑤各法定相続人の税額を計算する

④で算出した各人の取得金額をもとに相続税を計算します。

各法定相続人の税額=各人の取得金額×税率(10%~55%)-控除額

相続税は取得金額によって税率や控除額が変わるため、相続税の速算表を使って計算するのが一般的です。

相続税の税率

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1,000万円以下10%-
1,000万円超から3,000万円以下15%50万円
3,000万円超から5,000万円以下20%200万円
5,000万円超から1億円以下30%700万円
1億円超から2億円以下40%1,700万円
2億円超から3億円以下45%2,700万円
3億円超から6億円以下50%4,200万円
6億円超55%7,200万円
国税庁

取得金額が6,500万円の場合
6,500万円×0.3-700万円=1,250万円(仮の相続税)

ここで算出される相続税は、相続税の総額を出すための仮の相続税です。一人ずつ仮の相続税を計算します。

⑥相続税の総額を計算する

⑤で算出した各法定相続人の税額をもとに相続税の総額を計算します。

相続税の総額=各法定相続人の税額の合計

これで支払う相続税の一応の金額が出せました。

相続税の総額に100円未満の端数があるときは、100円未満で切り捨てることになっています。

⑦各相続人の相続税額を計算する

⑥で算出した相続税の総額をもとに各相続人の相続税額を計算します。

各相続人の相続税額=相続税の総額×按分割合

按分割合とは、各人の課税価格を課税価格の合計額で割ったものです。(各人の課税価格÷課税価格の合計額)

このページの自動計算ツールでは、選択した配偶者の相続割合をもとに相続税を計算していますが、実際の相続税の計算では、それぞれの相続額(課税価格)をもとに按分割合を算出して、相続税を計算します。

課税価格の合計額1億1,500万円按分割合
配偶者の課税価格6,800万円0.59130...
子どもAの課税価格2,500万円0.21739...
子どもBの課税価格2,200万円0.19130...

按分割合は小数点以下の端数が出ることがほとんどです。按分割合の端数処理については、法的に明確な決まりはありませんが、小数点以下第3位を四捨五入して、小数点以下第2位で調整するのが一般的です。

課税価格の合計額1億1,500万円端数処理後の按分割合
配偶者の按分割合0.59130…0.59
子どもAの按分割合0.21739...0.22
子どもBの按分割合0.19130...0.19

端数処理は、相続人全員の合意のもとで調整する必要があり、端数処理後の按分割合を全て足したものが「1」にならなければなりません。

⑧各相続人の納付税額を計算する

⑦で算出した相続税額をもとに納付税額を計算します。

各相続人の納付税額=各人の相続税額+相続税額の2割加算-各種税額控除

相続税額の2割加算とは、特定の相続人に対して相続税額が2割増しになるものです。

相続税額が2割加算される人
  • 配偶者ではない
  • 被相続人の一親等の血族ではない
  • 被相続人の養子となった被相続人の孫

具体的には、「兄弟姉妹 、孫(代襲相続人でない)、第三者」のことを指します。

相続税の控除
  • 贈与税額控除
  • 配偶者控除
  • 未成年者控除
  • 障害者控除
  • 相次相続控除
  • 外国税額控除

配偶者が受け取る遺産には配偶者控除があります。配偶者控除は計算が複雑なため、以下で詳しく解説いたします。

相続税の配偶者控除

相続税の配偶者控除とは、死亡者の配偶者が遺産を受け取るときに一定額まで控除されるものです。

死亡者が夫でも妻でも、配偶者は配偶者控除が受けられます。

配偶者控除
  • 遺産額が1億6,000万以下なら全額控除
  • 配偶者の法定相続分まで全額控除

高額な配偶者控除があるので、相当な額を相続したり、相続割合が多くない限りは、配偶者に相続税は発生しません。

配偶者控除が適用されるのは配偶者のみなので、配偶者と子どもが相続人になる場合、子どもの相続税には配偶者控除が適用されません。

配偶者の法定相続分

遺産額が1億6,000万円を超える場合でも、「配偶者の法定相続分まで」は全額控除されます。

配偶者の法定相続分は、相続する人によって変わります。

相続人配偶者の法定相続分
配偶者のみ100%
配偶者+子50%
配偶者+父母67%
配偶者+兄弟75%

配偶者と子どもが相続人の場合、法定相続分は配偶者50%、子ども50%となります。

遺産が6億円ある場合

配偶者1/2相続:3億円(全額控除)
子ども1/2相続:3億円(課税対象)

配偶者2/3相続:4億円(全額控除)
父母1/3相続:2億円(課税対象)

配偶者3/4相続:4.5億円(全額控除)
兄弟1/4相続:1.5億円(課税対象)

相続人が配偶者+子どもなら遺産の1/2まで、配偶者+両親なら遺産の2/3まで、配偶者+兄弟なら遺産の3/4までは非課税になります。

配偶者の相続割合が法定相続分以内なら、配偶者は遺産が何億円でも全額が控除の対象となるため相続税がかかりません。

相続税の配偶者控除を計算する

1億6,000万円または配偶者の法定相続分までは非課税ですが、遺産分割協議によって配偶者が法定相続分を超える額を受け取ることも珍しくありません。

法定相続分を超える額を受け取ると配偶者にも相続税が発生する可能性がありますが、その場合は下記の計算式に当てはめて配偶者控除額を計算します。

配偶者控除額=相続税の総額×下記の①、②のどちらか少ない金額÷課税価格の合計額

①と②は以下の方法で算出します。

  1. 「課税価格の合計額×配偶者の法定相続分」または「1億6,000万円」のどちらか多い金額
  2. 配偶者の課税価格

始めに「課税価格の合計額×配偶者の法定相続分」を計算して、「1億6,000万円」と比較して、どちらか多いほうが①の金額になります。

次に①と②の金額を比較して少ない方を配偶者控除の計算式に当てはめます。

計算式が複雑になるので、これを手計算で算出するのは面倒です。

遺産6億円、配偶者と子ども2人が相続し、8割を配偶者が相続する場合

課税価格の合計額:6億円
課税価格の合計額×配偶者の法定相続分:3億円
配偶者の課税価格:4億8,000万円
相続税の総額:1億7,360万円

1億7,360万円×80%=1億3,888万円(控除前の相続税)

1億7,360万円×3億円÷6億円=8,680万円(配偶者控除)

1億3,888万円-8,680万円=5,208万円(相続税額)

子どもの相続税(1人あたり):1,736万円

自動計算ツールでは、配偶者の課税価格や配偶者控除額も別で表示するようにしてあります。

Webマーケター/ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。 個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資でお金を借りた経験があります。 株式投資歴は20年以上で、現在は個別株投資やベンチャー投資をしつつ、NISAつみたて投資枠でオルカン、S&P500、日経225に投資しています。 FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。
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