インフレ計算機

年2%のインフレ率が理想とされています。1980年以降40年間の日本のインフレ率は年1%です。

計算結果をPDF出力できるようにしました。

現在価格、インフレ率、期間を入力して、将来価格を計算するシミュレーターです。現在価格と過去価格を比較してインフレ率を調べることもできます。

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免責事項

本計算ツールは、簡易的な方法で算出しているため正確な金額ではありません。
本計算ツールを利用した結果により生じた損害、損失、不利益等に対し、当社はいかなる責任も負いません。
正確な金額については、日本年金機構、税務署、全国健康保険協会、税理士、社会保険労務士、公認会計士、弁護士などにご相談ください。

目次

インフレ率の計算方法

A=過去価格
B=現在価格

インフレ率は以下の計算式で表すことができます。

(B-A)÷A×100

現在の価格が過去の価格からどれくらい増減しているかを表しています。

EXCELに現在価格と過去価格を入力してインフレ率を知りたいときは、以下のような式になります。

=(B1-B2)/B2

インフレ率の欄はセルの書式設定で「パーセンテージ」を選択してください。

現在価格、インフレ率、期間を入力して将来価格を計算したいときは、以下のような式になります。

将来価格=元金×(1+年率)^期間

5%のインフレ率が3年続いた場合といったような計算をしたいので、複利計算しなければなりません。

EXCELで使うときは以下のようになります。

=B1*(1+B2/100)^B3

FV関数やPOWER関数を使って表すこともできます。このページのインフレ計算機は、利用しているプラグインの関係でFV関数や「^」が使えないためPOWER関数を使っています。

日本や世界のインフレ率

インフレとは

インフレ(インフレーション)とは、物価上昇が持続的に続く状態のことです。経済成長している国では適度にインフレ率が上昇します。

急激で制御不能で極端なインフレのことをハイパーインフレと言います。過度なインフレはよくありません。

デフレとは、物価下落が持続的に続く状態のことです。デフレは経済が成長していない状態なのでよくありません。

日本では長らくの間デフレが続いていましたが、2022年からついにインフレ時代に突入しました。

1995年から続いてきたデフレ時代が終わりを告げ、2022年からは明らかなインフレ時代に突入しています。デフレからインフレに転換すると、どんな対策をしても抑え込むのは難しいです。

逆もまた然りで、高度経済成長期~バブル期とインフレ時代が長く続き、バブル崩壊とともにデフレに突入し、そこから20年以上もデフレ時代が続きました。

資源価格の上昇や円安、世界的な物価上昇などが、今回のインフレの起因となりましたが、実際のところ20~30年間かけて上昇するはずだった物価が、ここに来て一気に上げ始めたため、インフレ率も高くなっています。

一時的にインフレが収まったり、1年単位で見ればインフレ率がマイナスになることもあると思いますが、今後10年、20年の長期スパンで見たときに、インフレ傾向が続くことが予想されます。

日本のインフレ率の推移

スクロールできます
1980198119821983198419851986198719881989
7.81%4.94%2.75%1.88%2.25%2.04%0.61%0.13%0.65%2.29%
1990199119921993199419951996199719981999
3.07%3.27%1.73%1.25%0.69%-0.09%0.14%1.70%0.65%-0.35%
2000200120022003200420052006200720082009
-0.69%-0.69%-0.90%-0.26%-0.01%-0.29%0.26%0.05%1.38%-1.33%
2010201120122013201420152016201720182019
-0.74%-0.28%-0.05%0.33%2.76%0.80%-0.12%0.49%0.99%0.47%
2020202120222023
-0.03%-0.23%2.50%3.21%
世界経済のネタ帳

マイナスになっている年は、前年と比較してマイナス成長だったことを表しています。

バブル崩壊後、日本は30年間成長しなかったと言われますが、実際にはプラスになっているときもあります。

  • 1980年~1989年の平均インフレ率は2.535%
  • 1990年~1999年の平均インフレ率は1.206%
  • 2000年~2009年の平均インフレ率は-0.248%
  • 2010年~2019年の平均インフレ率は0.465%

10年ごとのインフレ率を見てみると、2000年~2020年はほとんど成長していないことがわかります。10年平均でインフレ率がマイナスになるのは異常と言えます。1990年~1999年も前半にバブルの残り香があるだけで、1994年以降はほぼ成長していません。

1980年~2023年の平均インフレ率は1.02%です。40年間で見れば年1%成長しているのでそこまでひどい数字でもありませんが、1980年代のバブルのおかげです。

年1%のインフレ率が40年続いた場合、1万円だった物の価格が40年後に14,888円になります。

年2%のインフレ率が40年続いた場合、1万円だった物の価格が40年後に22,080円になります。

一般的に年2%のインフレが続く状態が理想とされています。インフレ率1%と2%では、長期間では全く違う成長率になることがわかります。

アメリカのインフレ率の推移

スクロールできます
1980198119821983198419851986198719881989
13.50%10.38%6.16%3.16%4.37%3.53%1.94%3.58%4.10%4.79%
1990199119921993199419951996199719981999
5.42%4.22%3.04%2.97%2.60%2.81%2.94%2.34%1.55%2.19%
2000200120022003200420052006200720082009
3.37%2.82%1.60%2.30%2.67%3.37%3.22%2.87%3.82%-0.32%
2010201120122013201420152016201720182019
1.64%3.14%2.07%1.47%1.62%0.12%1.27%2.13%2.44%1.81%
2020202120222023
1.25%4.68%7.99%4.08%
世界経済のネタ帳

1980年以降で、アメリカのインフレ率がマイナスになったのは2009年のリーマンショックのときだけです。そのときでさえ、-0.32%にとどまっています。

コロナショックがあった2020年も1.25%と普通のインフレ率でした。

  • 1980年~1989年の平均インフレ率は5.551%
  • 1990年~1999年の平均インフレ率は3.008%
  • 2000年~2009年の平均インフレ率は2.572%
  • 2010年~2019年の平均インフレ率は1.771%

さすがGDP世界1位を突き進むアメリカだけあって、平均インフレ率も理想的な数字になっています。一般的に先進国よりも新興国の方がインフレ率は高くなります。

1980年~2023年の平均インフレ率は3.01%です。40年以上の長期間で、年平均のインフレ率が3%というのは素晴らしいと思います。

年3%のインフレ率が40年続いた場合、1万円だった物の価格が40年後に32,620円になります。

インドのインフレ率の推移

スクロールできます
1980198119821983198419851986198719881989
11.35%12.65%7.74%12.56%6.52%6.25%8.89%9.06%7.21%4.57%
1990199119921993199419951996199719981999
11.20%13.48%9.86%7.28%10.28%9.96%9.43%6.84%13.13%5.70%
2000200120022003200420052006200720082009
3.83%4.31%3.98%3.86%3.82%4.40%6.70%6.20%9.09%12.31%
2010201120122013201420152016201720182019
10.53%9.50%10.00%9.40%5.80%4.90%4.50%3.60%3.43%4.76%
2020202120222023
6.18%5.51%6.66%5.46%
世界経済のネタ帳

成長著しい国の代表であるインドのインフレ率です。1980年以降でマイナスの年はなく、二桁以上の成長を見せている年も多いです。

  • 1980年~1989年の平均インフレ率は8.680%
  • 1990年~1999年の平均インフレ率は9.716%
  • 2000年~2009年の平均インフレ率は5.850%
  • 2010年~2019年の平均インフレ率は6.642%

1980年~2023年の平均インフレ率は7.56%です。40年以上の長期期間で、年平均のインフレ率が7.56%というのは凄まじい上昇率です。

年7%のインフレ率が40年続いた場合、1万円だった物の価格が40年後に149,744円になります。

日本の高度経済期もそうでしたが、経済成長が続くと物価はもの凄く上がります。ただし、同時に収入や預金金利なども上がるので、国民の生活は豊かになります。

なお、1956~1972年の日本のインフレ率は、年平均で約4.5%でした。そう考えてもインドのインフレ率は凄いです。

ハイパーインフレになった国のインフレ率

急激な物価上昇をハイパーインフレと言いますが、ハイパーインフレの定義は明確化されいません。

アメリカの経済学者、フィリップ・D・ケーガン(英語版)は、ハイパーインフレーションは「インフレーション率が毎月50%を超えること」と定義している。毎月のインフレ率50%が継続すると、一年後には物価が129.75倍に上昇することになる。すなわち、インフレ率12875%である。一方で、国際会計基準の定めでは「3年間で累積100%以上の物価上昇」をハイパーインフレの定義としている

※Wikipedia

「毎月50%のインフレ」と、「3年間で累積100%のインフレ」では、全く状況は違いますが、とんでもないインフレ率ということはわかります。

年33%のインフレ率が3年間続くと、1万円だった物が3年後に23,526円になります。3年で値段が2倍以上になるのでハイパーインフレと言ってもよい水準です。

過去にハイパーインフレになった国として、ベネズエラ、ジンバブエ、アルゼンチンなどがあります。

ベネズエラのインフレ率の推移

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1980198119821983198419851986198719881989
21.36%16.24%9.61%6.24%12.25%11.38%11.54%28.14%29.47%84.46%
1990199119921993199419951996199719981999
40.66%34.21%31.42%38.12%60.82%59.92%99.88%50.04%35.78%23.57%
2000200120022003200420052006200720082009
16.21%12.53%22.43%31.09%21.75%15.96%13.66%18.70%31.44%26.04%
2010201120122013201420152016201720182019
28.19%26.09%21.07%40.64%62.17%121.74%254.95%438.12%65374.08%19906.02%
2020202120222023
2355.15%1588.51%186.54%359.99%
世界経済のネタ帳

ハイパーインフレと言えばベネズエラです。元々インフレ率が高い国ですが、2015年以降は100%を超えるインフレ率が続いています。

最もインフレ率が高くなった2018年は6万5374%を記録しました。1ヶ月間のインフレ率では、2019年1月のインフレ率が年率268万8670%になりました。このインフレ率は、100円だった物が1ヶ月で268万円になります。

ハイパーインフレが進むとお金の価値が極端に下がるため、高額紙幣が発行されますが、一定の金額まで行くと通貨の単位を切り下げるデノミネーションが実施されます。

ベネズエラでは、2018年8月に通貨単位を5ケタ切り下げるデノミを行いました。しかし、それでも支払いに対応できないケースが増えたため、2019年9月に最高額を100倍に引き上げる高額紙幣を発行しました。

ジンバブエのインフレ率の推移

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1980198119821983198419851986198719881989
-5.56%0.59%-8.45%-1.86%-16.01%10.67%12.79%-1.06%-3.85%
1990199119921993199419951996199719981999
1.35%-13.14%-3.00%0.38%-2.76%15.23%6.01%-0.97%-28.02%-13.43%
2000200120022003200420052006200720082009
4.48%-37.20%-34.45%-8.57%113.57%-31.52%32.97%-72.73%156.96%6.22%
2010201120122013201420152016201720182019
3.05%3.47%3.72%1.63%-0.21%-2.41%-1.56%0.91%10.61%255.29%
2020202120222023
557.21%98.55%193.40%314.50%
世界経済のネタ帳

ジンバブエは、2000年代にハイパーインフレを起こした結果、ジンバブエ・ドル通貨は廃止されました。当時、100兆ジンバブエドル紙幣が発行されて話題になりました。

ハイパーインフレだった2009年当時は、米ドルや南アフリカランドが使われるようになり、2014年から日本円、中国元、豪ドル、インドルピーなども法定通貨として導入されました。

その後2019年に、自国通貨としてジンバブエ・ドルに代わるRTGSドルが導入されました。しかし、2020年3月にインフレの影響で紙幣が不足し、再び米ドルの現地使用が認められました。

インフレ率の推移を見ると、他国通貨を法定通貨としていた2010~2018年は安定していますが、自己通過が流通している年は不安定なときが多く、自国通貨が復活した2019年以降は再びハイパーインフレに突入しています。

アルゼンチンのインフレ率の推移

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2000200120022003200420052006200720082009
-0.94%-1.07%25.87%13.44%4.42%9.64%10.90%8.83%8.59%6.27%
2010201120122013201420152016201720182019
10.46%9.78%10.04%10.62%---25.68%34.28%53.55%
2020202120222023
42.02%48.41%72.43%121.67%
世界経済のネタ帳

経済が不安定で国債が頻繁にデフォルトすることで有名なアルゼンチンもインフレ率が高い国です。

2022年以降はアメリカFRBの利上げによりアルゼンチンペソが値下がりし、ペソをドルに交換する人が続出しました。

アルゼンチンでは、中央銀行を廃止し米ドルを法定通貨にしようとする動きもあり、今後も不安定な動きが続きそうです。

Webマーケター/ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。 個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資でお金を借りた経験があります。 株式投資歴は20年以上で、現在は個別株投資やベンチャー投資をしつつ、NISAつみたて投資枠でオルカン、S&P500、日経225に投資しています。 FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。
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