贈与税が計算できるシミュレーションツールです。一般贈与と特例贈与を併用する場合の贈与税額も計算できます。
暦年課税(1年間に贈与された総額)の贈与税です。
特例贈与財産用とは、親や祖父母などの直系尊属から18歳以上の子や孫に贈与された財産のことです。
免責事項
本計算ツールは、簡易的な方法で算出しているため正確な金額ではありません。
本計算ツールを利用した結果により生じた損害、損失、不利益等に対し、当社はいかなる責任も負いません。
正確な金額については、日本年金機構、税務署、全国健康保険協会、税理士、社会保険労務士、公認会計士、弁護士などにご相談ください。
贈与税の早見表
贈与額ごとにいくらの贈与税がかかるのかを早見表にしてみました。
贈与額 | 一般贈与 | 特例贈与 |
---|---|---|
110万円 | 0万円 | 0万円 |
200万円 | 9万円 | 9万円 |
300万円 | 19万円 | 19万円 |
400万円 | 33.5万円 | 33.5万円 |
500万円 | 53万円 | 48.5万円 |
600万円 | 82万円 | 68万円 |
700万円 | 112万円 | 88万円 |
800万円 | 151万円 | 117万円 |
900万円 | 191万円 | 147万円 |
1,000万円 | 231万円 | 177万円 |
1,500万円 | 450.5万円 | 366万円 |
2,000万円 | 695万円 | 585.5万円 |
2,500万円 | 945万円 | 810.5万円 |
3,000万円 | 1,195万円 | 1,035.5万円 |
3,500万円 | 1,464.5万円 | 1,280万円 |
4,000万円 | 1,739.5万円 | 1,530万円 |
4,500万円 | 2,014.5万円 | 1,780万円 |
5,000万円 | 2,289.5万円 | 2,049.5万円 |
贈与税の計算方法
暦年課税の贈与税の計算方法は、贈与額から基礎控除額を引いて、課税価格に応じた税率を掛けるだけなので簡単です。
贈与税=(贈与額-基礎控除額)×贈与税の税率-控除額
贈与額から基礎控除額を引いた金額(課税価格)に千円未満の端数がある場合は切り捨てます。
贈与税額に百円未満の端教がある場合は切り捨てます。贈与税額が百円未満のときは贈与税は0円になります。
300万円贈与する場合
300万円-110万円×0.1=19万円
500万円贈与する場合
500万円-110万円×0.2-25万円=53万円
1,000万円贈与する場合
1,000万円-110万円×0.4-125万円=231万円
基礎控除額は年間110万円です。贈与額が110万円以下なら課税価格が0円になるので贈与税はかかりません。
毎年110万円ずつ贈与することで非課税でお金を渡すことができます。基礎控除は身内だけではなく他人への贈与でも適用されます。
後述する「相続時精算課税の特例」を利用すると、将来の相続人に対して累計2,500万円まで非課税で渡せますが、相続税の節税として利用できるわけではありません。
贈与税の税率は、課税価格をもとに速算表で計算します。
贈与税の速算表(税率表)
贈与税の速算表は、「一般贈与財産用」と「特例贈与財産用」に分かれています。
一般贈与財産用は、兄弟や夫婦、親戚、親から未成年の子への贈与などが該当します。他人への贈与も一般贈与財産用です。
特例贈与財産用は、父母や祖父母などの直系尊属から、18歳以上の子や孫へ贈与したときに該当します。直系尊属への贈与なので、曽祖父母からの贈与も該当しますが、夫の父から妻への贈与などは該当しません。夫の父から孫(自分の子)への贈与は該当します。
一般贈与財産用(一般税率)
課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | - |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
一般贈与で1,000万円贈与した場合
1,000万円-110万円×0.4-125万円=231万円
特例贈与財産用(特例税率)
課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | - |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
特例贈与で1,000万円贈与した場合
1,000万円-110万円×0.3-90万円=177万円
一般贈与と特例贈与を併用する場合
1年間で一般贈与と特例贈与の両方があった場合は計算方法が変わります。
一旦全てを一般贈与、特例贈与で受け取ったと仮定して贈与税額を計算し、一般贈与と特例贈与が占める割合で税額を按分して合計します。
一般贈与500万円、特例贈与500万円だった場合
1,000万円一般贈与:231万円
1,000万円特例贈与:177万円
231万円×0.5+177万円×0.5=115.5+88.5=204万円
一般贈与200万円、特例贈与800万円だった場合
1,000万円一般贈与:231万円
1,000万円特例贈与:177万円
231万円×0.2+177万円×0.8=46.2+141.6=187万8,000円
特例贈与財産に似た言葉に「特定贈与財産」がありますが、この2つは全くの別物です。
特定贈与財産とは、婚姻20年以上の配偶者から贈与された住居用不動産や、住居用不動産購入資金のうち、贈与税の配偶者控除額に相当する額のことです。
直系尊属からの贈与の特例
親や祖父母などの直系尊属から贈与を受ける場合に、資金使途によっては一定額まで非課税になる特例制度があります。
住宅資金の特例は有名ですが、教育資金や結婚資金なども条件を満たせば非課税になります。
住宅取得等資金の特例
親や祖父母などの直系尊属からの贈与のうち、住宅資金として使う場合の贈与は最大1,000万円まで非課税になります。(震災特例法の省エネ住宅は1,500万円まで)
条件 | 非課税額 | |
---|---|---|
省エネ住宅 | 消費税率10% | 1,000万円 |
上記以外 | ||
省エネ住宅以外 | 消費税率10% | 500万円 |
上記以外 | ||
震災特例法の省エネ住宅 | 1,500万円 | |
震災特例法の省エネ住宅以外 | 1,000万円 |
住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の適用期限は、2024年1月1日から2026年12月31日までです。特例なので期間限定ですが、現時点では2年毎に更新されています。
住宅取得資金贈与の非課税措置は、2021年に改正され、2022年以降は「耐震・省エネなど一定基準を満たす住宅」の非課税枠が500万円縮小されました。
教育資金の一括贈与の特例
親や祖父母などの直系尊属からの贈与のうち、教育資金として使う場合の贈与は最大1,500万円まで非課税になります。
資金使途 | 教育資金 |
非課税贈与額 | 1,500万円まで |
受贈者 | 満30歳未満の者 |
贈与者 | 受贈者の直系尊属(祖父母、両親、養親など) |
適用期間 | 令和8年3月31日(2026年3月31日)まで |
教育資金贈与の非課税枠を利用するには、贈与者と受贈者との間で贈与契約を締結し、金融機関に教育資金非課税申告書を提出する必要があります。
教育資金の一括贈与の特例も2年毎に更新されています。
結婚・子育て資金の一括贈与の特例
親や祖父母などの直系尊属からの贈与のうち、結婚・子育て資金として使う場合の贈与は最大1,000万円まで非課税になります。
資金使途 | 結婚・出産・子育て |
非課税贈与額 | 受贈者1人につき1,000万円まで(結婚資金として使う場合は300万円まで) |
受贈者 | 18歳以上50歳未満の子・孫・ひ孫 |
贈与者 | 受贈者の直系尊属(祖父母、両親、養親など) |
適用期間 | 令和7年3月31日(2025年3月31日)まで |
結婚・子育て資金の一括贈与の特例も2年毎に更新されています。
相続時精算課税の特例
相続時精算課税の特例は、生前贈与を促進するために創られた制度です。
贈与時に一定の税率で贈与税を納付し、贈与者が亡くなったときに相続税で精算します。贈与時に一定額まで非課税になりますが、相続時に課税される可能性があります。
相続時精算課税制度には、2,500万円の特別控除があり、累計贈与額が2,500万円を超えるまでは贈与税がかかりません。
資金使途 | 問わず |
贈与者 | 60歳以上の父母または祖父母 |
贈与者 | 20歳以上の子または孫(贈与者の推定相続人) |
将来、自分の財産を相続する子や孫に対して生前贈与するものです。
相続時精算課税制度と暦年課税制度を比較
相続時精算課税制度 | 暦年課税制度 | |
---|---|---|
贈与者 | 60歳以上 | 年齢制限なし |
受贈者 | 20歳以上の子、孫 | 年齢制限なし |
基礎控除 | 累計2,500万円まで | 年110万円 |
税率 | 一律20% | 10%〜55% |
相続時の取扱い | 贈与財産を贈与時の価額で相続財産に合算して相続税を計算 | 相続開始前3年以内(令和6年以降順次7年まで延長)の贈与財産は、贈与時の価額で相続財産として加算 |
相続時精算課税の特例を利用すると、同じ贈与者から贈与を受ける場合に暦年課税(1年間に贈与された総額に対して課税)へ変更することはできなくなります。
また、相続時精算課税制度を利用して土地を贈与した場合、小規模宅地等の特例が使えなくなります。
相続時精算課税の特例を利用するときの流れ
贈与税の申告書に相続時精算課税選択届出書を添付した税務署へ提出します。
1年目:500万円贈与(非課税)
2年目:500万円贈与(非課税)
3年目:1,000万円贈与(非課税)
4年目:500万円贈与(非課税)
5年目:500万円贈与(20%課税)
6年目:500万円贈与(20%課税)
相続時には、「累積贈与額(基礎控除除く)+相続財産」に対して相続税を計算し、相続税と贈与税を精算します。
相続時精算課税制度は、相続時に精算して課税されるため、相続税の節税対策として利用するものではありません。
- 住宅資金や起業資金などまとまった額の贈与
- 将来値上がりしそうな土地建物を保有している場合の贈与
- 相続財産が基礎控除額を超えない場合の贈与
- 既に110万円以上贈与している場合の贈与
- 相続争いが起きそうな財産の贈与
- 事業承継(株式や事業用資産)のための贈与
通常の贈与は年間110万円を超えると贈与税がかかります。相続時精算課税制度を活用すれば2,500万円まで非課税で贈与することができます。
相続時に精算されるとしても、早期にまとまった額の財産を非課税で渡せることで得られる利益があります。
②のケースで、逆に生前贈与した財産が値下がりしてしまった場合、余分な税金を支払うことになるので注意が必要です。
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Webマーケター/ファイナンシャルプランナー。埼玉県飯能市出身、1978年12月25日生。趣味は登山。Webライター歴23年。 個人で自動車ローンや住宅ローンを利用したことがあり、起業してからは法人で銀行融資や日本政策金融公庫の一般貸付、マル経融資でお金を借りた経験があります。 株式投資歴は20年以上で、現在は個別株投資やベンチャー投資をしつつ、NISAつみたて投資枠でオルカン、S&P500、日経225に投資しています。 FP技能士、宅地建物取引士、日商簿記検定、証券外務員の資格を保有。