仕事で車移動することも増えてきたので、社用車を買うことにしました。会社名義の車で購入代金は経費になります。
任意保険料、駐車場代、ガソリン代、車検代なども経費になりますので、会社をやっている人の場合、車を買う時に社用車にする事も多いと思います。
社用車であっても個人利用する場合、その割合に応じた部分が経費になります。これは個人事業主でも同じだと思いますが、100%会社利用ということはあまりないと思います。私の場合は、8割が会社で2割が個人という感じです。
以下、社用車を買う場合の注意点を述べますが、税金や経費の話は難しく間違っていることもあるかもしれません。詳しいことは税理士などに確認して下さい。
社用車を買う時の注意点
- 新車を買う場合は6年償却
- 4年落ちの中古車を買う場合は1年償却
- 任意保険の契約内容
- 社用車に相応しくない車の場合
耐用年数
車の法定耐用年数は6年ですので、新車で購入した場合、償却期間が6年になります。新車から6年ぐらいは価値あるよねということなのでしょう。
ただし、中古車には耐用年数の特例が認められており、4年落ちの中古車であれば1年で償却できます。1年と言っても、期首に買った場合は1年ですが、たとえば3月末決算の会社で10月に購入した場合は、その期は6ヶ月、来期も6ヶ月で2期に分かれて償却することになります。
1年落ちや2年落ちの中古車の場合は、残存する耐用年数を元に計算された年数で償却するようです。
3年落ち=6-3 + 3×0.2=3.6(3年)
4年落ち=6-4 + 4×0.2=2.8(2年)
5年落ち=6-5 + 5×0.2=2.0(2年)
6年落ち=6-6 + 6×0.2=1.2(2年)
小数点は切り捨てです。耐用年数が2年未満になる時は、耐用年数は2年にする決まりがあるため、4年落ちより古い車は全て2年となります。
2年なの?1年で償却という話は?と思うかもしれませんが、定率法で計算した場合、耐用年数が2年の場合、1年目の償却率が100%になるので、1年で償却できることになります。
減価償却資産の償却には「定額法」と「定率法」があり、個人事業主は定額法になりますが、法人は何もしなければ定率法になります。
1年で償却したい時は4年落ちの中古車を買ったほうが良いというのは、ここから来ています。さらに、中古車でも価値が落ちにくいレクサス、トヨタ、ベンツなどの中古車が好まれます。
任意保険料
任意保険は、保険会社や車を変えても等級が引き継げますが、個人から法人への引き継ぎはできません。
車種やグレードにもよりますが、新規契約の任意保険は、車両保険を付けると保険料がかなり高くなります。
法人名義の任意保険料は高くなるため、個人名義で購入した車を社用車にする人もいるようです。基本的には法人名義の方が良いようですが、個人名義でも問題はないようです。
名義が個人名義の車両でも、事業で使うことがあれば、社用車にすることができます。
実際の税務調査では税務調査官によりますが、起業直後の1台目の車についてはあまり名義にうるさくないのが現状です。
法人名義にすると自動車保険(任意保険)の保険料が高くなることが多いですので、名義を変えるかどうかはベンチャーサポートの担当と話合って決めてください。
また、車には、契約者、被保険者、所有者の3つがありますが、被保険者を社長個人にしておくと、次に車を買う時に楽になるようです。
一番使い勝手の良い契約形態はこちらです。
①契約者 : 法人
②被保険者 : 個人【社長】
③所有者 : 法人主に運転するのが社長ならば、②の被保険者を社長個人にすることは何ら問題ありません。
この契約形態ならば、次に買う車の所有者が法人でも社長個人でも車両入替ができるんです。
ただし、一度個人で買って車両入替をしてからは、もう次に法人で買うことはできません。
被保険者を個人にした場合、従業員が運転した時の補償の問題もあります。被保険者を法人にしても、記名被保険者欄に代表者個人の名前を記入することで、同居家族も補償の対象になる特約もあるようです。
私は、まだ任意保険に加入していないので、税理士に確認して、被保険者をどうするか決めたいと思います。
【追記】
保険は結局、個人名義(記名被保険者が個人)で入ることにしました。
法人名義と個人名義では自動車保険の補償内容などが変わります。
個人名義の場合
- 本人、同居家族が主な補償の対象
- 年齢条件は本人と同居家族が対象(運転を代わるなど一時的に運転する別居家族、友人、従業員などは年齢に関係なく補償)
- 従業員が業務に使うことはできない(運転者限定を付けなければ、一時的に従業員が運転を代わったり、友人が運転することはできる)
- 弁護士費用特約を付けられる
- 代車運転特約は自動付帯
- 使用目的は通勤や日常レジャーなどが選べる
- クレジットカード払いの場合、個人カードしか使えない
法人名義の場合
- 会社の役員、従業員が主な補償の対象
- 補償されるのは年齢条件に合った人(年齢条件は車を運転する可能性がある人で一番若い人の年齢にする。従業員や友人なども年齢条件の対象)
- 全年齢補償にすると保険料はかなり高くなる
- 使用目的は業務使用しか選べない
- 会社の業務内容を聞かれる
- 他車運転特約はなし
- 弁護士費用特約は付けられない
- クレカは法人クレカのみ利用可能
ちなみに、私が入った保険の補償内容や保険料はこんな感じです。
- 6等級
- 対人・対物:無制限
- 年齢条件:30歳以上補償
- 車両保険:255万円(免責7-10万円)
- 運転者限定:なし
- 人身傷害:3千万円
- 搭乗者:300万円
- 年間走行距離:5千~1万km
- 使用目的:日常レジャー
保険料は個人で11.7万円でした。同じ補償内容で法人契約にすると14.8万円でした。ただ、法人で全年齢補償にすると65万円に上がります。若い従業員が運転する可能性がある場合、保険料はかなり高くなるということですね。
※補償内容や保険料は保険会社によっても変わりますので、詳しくは保険会社にお問い合わせください。
社用車に相応しくない車
社用車=4ドアセダンというわけではありませんが、2ドアスポーツカーなどの社用車としては相応しくない車を買う場合は、税務調査の時に突っ込まれるかもしれません。
私はセダンが欲しかったのでセダンにしましたが、社用車は「営利を目的とした会社の活動を行う為に必要となる車」ですので、珍しい車を買う場合には、税理士などに相談した方が良いかもしれません。
ただ、実際にはスーパーカーやスポーツカーを社用車にしても問題がない場合もあるようです。ネットで探してみると、フェラーリやランボルギーニが社用車として認められたという話もあります。
フェラーリなどの高級車は経費にできますか
※梁瀬会計事務所
1995年10月12日に採決された国税不服審判所の事例です。多くの税理士事務所でも取り上げられている事例ですが、結論として、フェラーリは経費として認められましたが、クルーザーは経費として認められませんでした。
車がスポーツカーであっても、実際に仕事に使っていれば問題はないということなのでしょう。
この社長の場合、フェラーリ以外に外車3台を所有していましたが、経費処理していたのはフェラーリのみです。仕事用とプライベート用の車をしっかり分けていたことは注目すべき点です。
これを持ってスポーツカーでも全然OKということにはならないでしょうし、やはりセダンやコンパクトカー、ミニバンなどが無難だと思いますが、スポーツカーが絶対ダメということはなさそうです。