調味料を家庭で手作りすると、原材料がわかる安心感や、どんな味になるのか待つ楽しみがあります。気温、湿度、作り手の気分などによって、毎回、微妙に違う味になるのも手作りの魅力のひとつです。
今回は、フードプロセッサーを使った自家製調味料についてまとめました。簡単で失敗のない作り置き調味料です。
気軽に作れるものから、下準備が大切なものまで、常備しておきたい調味料を紹介します。
手作り味噌の作り方
味噌作りは、初心者でも失敗せずにおいしくできて、達成感が味わえる手作り調味料です。工程自体は難しくないのですが、大豆をゆでる手間と熟成期間がかかるので、少し面倒くさいと感じる人もいるかもしれません。
仕込む時期は、冬の一番寒い時です。我が家では、毎年、2月3日の節分前後に作ります。
- 大豆 ・・・1kg
- 米麴 ・・・1kg
- 塩 ・・・400g
- 酒粕 ・・・1袋
- 35度程度のアルコール・・・除菌用に少々
私は、毎年、上記の分量を2回仕込みます。家には大豆を煮る大きな鍋や混ぜるボウルがないので、翌日や翌週など2回に分けて作るやり方で落ち着きました。
本来なら、前年に手作りした味噌を種みそとして少し加えたいところですが、我が家は毎年残っていないので加えずに作っています。
アルコールは、カビ防止のために保存容器を消毒するものです。私が味噌作りを教わった大ベテランさんからは、「35度以上の焼酎で保存容器を拭く」とアドバイスされました。買い忘れたときに、家にあった25度の焼酎や40度のウイスキーなどを使った年もありますが、そのときは失敗なくおいしくできました。
- 大豆を洗って、たっぷりの水に一晩浸す。
- 鍋に水ごと大豆を入れて火にかける。沸騰したら火を弱めて、アクを取りながら2時間程柔らかくなるまで煮る。
※圧力鍋の場合は、沸騰してアクを取ったら蓋をして弱火で10分程煮る。火を止めて、圧が抜けるまでフタをしたまま放置する。 - 大豆を煮ている間に、米麹と塩をボウルなどに入れて混ぜ合わせる。
- 茹でた大豆は、煮汁を軽くきり、数回に分けてフートプロセッサーで潰す。
※潰れにくい場合は、大豆の煮汁を少し加える。 - 人肌くらいに冷めたら、潰した大豆と3の米麹塩を合わせる。
※大豆が熱いと麹菌が死ねので注意。 - 耳たぶくらいの硬さになるように、大豆の煮汁で調整する。
- 手に乗るサイズに押し丸めてみそ玉を作ったら、アルコール除菌した容器に空気が入らないように詰める。
- 表面に振り塩をしたら、カビ対策用に、酒粕を薄く伸ばして表面に覆わせる。
- 涼しい場所で、半年程熟成させたらできあがり。
※熟成途中に酒粕のふちにカビが見られたら、ティッシュなどで取り除く。
味噌作りを手伝う子供たちは、手の甲が塩でしみるので、ビニール手袋をはめて行っています。
栄養豊富な大豆の煮汁は、捨てずに味噌汁や煮物などに入れて消費しています。入れすぎると甘みが強く出るので、2~3日に分けて使っています。
カビ予防のために表面を覆った酒粕は、味噌が完成すると取り除いてお役御免になります。酒粕は、魚の切り身やとんかつ用の厚みがある豚肉などに塗って、味噌粕漬けとして使用できます。
味噌粕漬けは、味噌が付いた酒粕に魚などを半日以上漬けて、酒粕をしっかりと剥がしてからフライパンやグリルで焼いて完成です。
1本まるごと人参ドレッシングの作り方
人参をまるまる1本使った人参ドレッシングは、簡単なのに深い味わいなので、思い出したときにすぐに作ろうと思えるお手軽なドレッシングです。
名前はドレッシングと付いていますが、サラダだけではなく、グリルした肉や白身魚、玉子料理など様々なものに合います。
- にんじん ・・・1本
- 玉ねぎ ・・・半分
- 油※ ・・・50cc
- お酢 ・・・50cc
- めんつゆ※・・・50cc
- 砂糖 ・・・小さじ1
- 塩 ・・・小さじ1/3
- コショウ ・・・少々
- 鶏ガラスープの素・・・小さじ半分
※油はサラダ油を多めに、オリーブ油も合わせます。ごま油を入れるときもあり、3種類ミックスしてもおいしく仕上がります。
※めんつゆは濃縮タイプの分量です。
人参ドレッシングは、最初に人参と玉ねぎをフードプロセッサーに入れ、細かくします。続けて、調味料を全て入れてフードプロセッサーで混ぜ合わせれば完成です。
味見をして、もの足りないような塩や砂糖、鶏ガラスープの素などで調整しましょう。
通常のレシピは、計量するために「人参何g玉ねぎ何g」ときちんと測る必要がありますが、このレシピは「にんじん1本と玉ねぎ半分」と、メインとなる2つの野菜が大雑把な量になっているのがポイントです。
作る毎に、「新玉ねぎにしたから甘みがあるね」「酢が効いててサッパリするね」などと微妙に味に違いが出ますが、毎回とても美味しい仕上がりになるから不思議です。
ドレッシングの玉ねぎが辛く感じるときは、少し寝かせて、半日後や1日後に食べると、トゲトゲしさが落ち着いてまろやかになります。
完成した人参ドレッシングは、冷蔵庫で保管して1週間くらい日もちします。
柚子胡椒の作り方
柚子胡椒は、うどんやパスタ、冷しゃぶ、焼き鳥、焼き魚など、何にプラスしてもおいしいスパイスです。自家製の柚子胡椒は、市販されている柚子胡椒では味わえない爽やかな味わいがあります。
材料は、青ゆず、青唐辛子、塩の3種類だけで、手順は、3種類をミルミキサーで粉砕するだけで完成します。用意する数も少なく、手順も簡単なのですが、青い状態のゆずを手に入れられるかどうかに全てがかかっています。
黄色いゆずは、11月以降や冬至が近づくとスーパーで出回りますが、青いゆずは、一般のスーパーでは見かけることは少ないです。青ゆずは、夏の終わりの9月頃から出回り、大型スーパーの青果コーナーや直売所などで購入することができます。
【材料の比率】「青ゆず:青唐辛子:塩」=「1:1:0.4」
・分量は、青ゆず1に対して青唐辛子1の割合。辛いのが好きな人は、青唐辛子を2に増やしてもOK。
・青ゆずと青唐辛子を合わせた分量の20%程度の塩を用意する。
- 青ゆずの皮を包丁で剥く。
- 青唐辛子は、ヘタを切り落として、ワタと種を包丁を使って削ぎ落す。
※青唐辛子は刺激が強い食材なので、ビニール手袋を着用して調理する。 - 量に応じて、フードプロセッサーやミルミキサーで粉砕する。
- 煮沸消毒した瓶に入れて、冷蔵庫で1週間程寝かせたらできあがり。
私は、青ゆずが手に入ったら、青唐辛子を買いに行き柚子胡椒を仕込みます。目安として、上記写真のときに作った分量をまとめました。
- 青ゆず5個の皮・・・20g
- ワタ種子を除いた青唐辛子1パック・・・25g
- 塩・・・9g
生の唐辛子は、ビニール手袋をはめて調理しましょう。
面倒くさがりな私は、ビニール手袋をせずに素手で青唐辛子の種を取ったことがあります。手がヒリつくことなく、無事に完成したのですが、キレイに洗ったはずの手で鼻の下をこすると、激痛が起き、鼻の下を洗っても熱を保ったようにしばらく熱さと痛さが残った経験があります。
完成した柚子胡椒は、冷蔵庫で保存します。保存期間は、4~5ヶ月程度は確実に食べれるのですが、我が家では冬の間に無くなってしまうため、その先のことはわかりません。
黄ゆずの二味唐辛子
黄色のゆずがたくさんあるときには、乾燥ゆずにして保存する方法がおすすめです。乾燥したゆず皮と、赤い唐辛子を合わせて、二味(ふたみ)唐辛子にすると、食卓で気軽に使えて便利です。
二味唐辛子は、七味唐辛子のように、もつ煮や肉じゃが、うどん、焼き鳥など、和食に合わせておいしくいただけます。
二味唐辛子の作り方は、ゆずの皮をしっかりと乾燥させることがポイントです。
ゆずの皮を削いだら、皮をザルに広げ、1日目は片面を、2日目は裏面を天日干しします。3日目からは、ザルに広げた状態のままで、乾燥させるために冷蔵庫へ入れて、カリカリにさせます。冷蔵庫を開けるたびに香るので、「あっ!そうだった」と乾燥具合を忘れることなくチェックできます。
乾燥したら、フードプロセッサーやミルミキサーで粉砕します。半生状態か不安を感じるときは、粉々のゆずを瓶へ入れてから、フタを空けたまま冷蔵庫で再度乾燥させましょう。
辛いのが好きな私は、乾燥唐辛子を種ごと粉砕します。粉々のゆず皮と唐辛子をミッスクさせて、二味唐辛子のできあがりです。ゆずの二味唐辛子は、常温で1年以上保存できます。
野菜を食べようプロジェクトの取り組み
理想とする1日当たりの野菜摂取量は350グラムですが、約70%の人が野菜不足な現状です。
農林水産省は、お手頃価格で購入できる野菜や栄養価の高い旬な野菜などの情報を提供する「野菜を食べようプロジェクト」を実施しています。
野菜を食べようプロジェクトでは、お手頃野菜とその野菜を使ったメニューをSNSやホームページを通じて紹介しています。