毎年5月に納める自動車税、車検時に納める自動車重量税…私の車は車検が5月で、今年は車検の年。出費を考えると、5月になる前からとても気が重いです。

そもそも、自動車税や自動車重量税の必要性、納めた税金が何に使われているか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

今回は、自動車税や自動車重量税の基本と税金の使い道について、大手ディーラーに25年以上勤務している車のプロに聞いてみました。

車にかかる税金の種類

今回協力頂いたのは、大手ディーラーで受付・整備を長年担当しているMさん。私の夫です。車の知識がない素人の私でもわかりやすく簡単に答えてもらいました。

Q:車にかかる税金の種類を教えてください。
A:自動車税や自動車重量税、環境性能割(自動車取得税)、消費税、ガソリン税などがあります。

自動車には取得の際にかかる税金(環境性能割・消費税)と、保有でかかる税金(自動車税種別割)、車検の時にかかる税金(自動車重量税)、ガソリンを入れた時にかかる税金(揮発油税・地方揮発油税)、消費税などがあります。

車にかかる主な税金 内容
自動車税(種別割) 自動車排気量によってかかる税金。毎年。
自動車重量税 車両重量によってかかる税金。車検時。
環境性能割 自動車取得の際にかかる税金。自動車取得税。
ガソリン税 揮発油税、地方揮発油税、消費税等。

「環境性能割」は聞き慣れないかもしれませんが、2019年に税制改定で自動車取得税が廃止され、代わりに「環境性能割」となりました。(環境性能割については、後ほど詳しくご説明したいと思います。)

毎日の生活に車が欠かせない方は多いと思いますが、何でこんなに税金がかかるのだろうと感じる方もいるのではないでしょうか。

取得費用や維持費を考えるとメリットは感じず、税金負担の重さから若者の車離れも起きているのが現状だそうです。

自動車税とは

Q:自動車税とは何ですか?
A:車の排気量によって支払う税金です。自動車税は都道府県に、軽自動車税は市町村に納めます。毎年5月に支払います。
Q:車の排気量とは何ですか?
A:エンジンの排気量のことです。軽自動車は660cc以下で、日産ノートは1,200cc、トヨタのアクアなどは1,500cc、プリウスは1,800cc、セレナは2,000cc、アルファードは2,500~3,500ccなどの排気量となっていて、排気量が大きくなるにつれて税金が高くなります。

自動車税は都道府県税で、軽自動車は市町村税と言われます。自動車税は、車の排気量によってそれぞれ決まった税額を納めることになっています。

軽自動車など排気量が小さい車は税金が安く、排気量が大きい車は自動車税が高くなります。

自動車税の金額一覧

自動車税は、車の排気量によって決まっています。令和元年9月30日以前に初回新規登録を受けた車と、令和元年10月1日以降に初回新規登録を受けた車で税率が異なります。

自家用車の自動車税は以下の通りです。

排気量 令和元年9月30日以前 令和元年10月1日以降
電気自動車 29,500円 25,000円
1,000cc以下 29,500円 25,000円
1,000超~1,500cc 34,500円 30,500円
1,500超~2,000cc 39,500円 36,000円
2,000超~2,500cc 45,000円 43,500円
2,500超~3,000cc 51,000円 50,000円
3,000超~3,500cc 58,000円 57,000円
3,500超~4,000cc 66,500円 65,500円
4,000超~4,500cc 76,500円 75,500円
4,500超~6,000cc 88,000円 87,000円
6,000cc超 111,000円 110,000円
軽自動車 10,800円 10,800円

自動車税は2019年10月1日に消費税10%となった際に、自動車税率が引下げられました。2019年10月1日以降に取得した場合は自動車税が安くなりますが、それ以前に取得した方の自動車税は変わりません。

乗っている車の排気量がわからない場合には、車検証の真ん中辺りにある「総排気量又は定格出力」を確認しましょう。

排気量は、「cc」ではなく「L」と表示されます。上の画像の場合には、排気量が1,190ccということです。

13年経過の車は自動車税が15%増

Q:車は13年を超えると自動車税が高くなると聞きました。なぜですか?
A:国が決めた税制です。グリーン化税制といって古い車は燃費が悪く環境に負荷がかかると言われ、環境のために燃費のよい新車購入を促進しています。

新車の新規登録から一定期間経過した車は、自動車税が重課されます。

自動車税種別割のグリーン化税制とは、一定の年数を経過した環境負荷の大きい自動車については税額を加算し、排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さい自動車については税額を軽減する制度です。

※引用元:宮崎県公式ホームページ

古い車は環境に負荷がかかるので、環境に優しい新しい車に乗りましょうということですね。

自動車 経過期間 重課
ガソリン車、LPG車 13年超 約15%重課
ディーゼル車 11年超 約15%重課
軽自動車 13年超 約20%重課

自家用車の場合は、新車登録をしてから13年超えるとガソリン車の自動車税が約15%上がり、軽自動車は約20%重課されます。

13年超えの自動車税は以下の通りです。

排気量 新規登録から13年未満 新規登録から13年以上
1,000cc以下 29,500円 33,900円
1,000超~1,500cc 34,500円 39,600円
1,500超~2,000cc 39,500円 45,400円
2,000超~2,500cc 45,000円 51,700円
2,500超~3,000cc 51,000円 58,600円
3,000超~3,500cc 58,000円 66,700円
3,500超~4,000cc 66,500円 76,400円
4,000超~4,500cc 76,500円 87,900円
4,500超~6,000cc 88,000円 101,200円
6,000cc 111,000円 127,600円
軽自動車 10,800円 12,900円

1,000cc超~1,500ccの車は34,500円だったのが39,600円になっています。5,100円もアップです。

3,000cc超~3,500ccの場合は、58,000円が66,700円となり、8,700円もアップしました。

環境を考えて行動することはとても大事ですが、「古い車は増税、増税が嫌なら乗り換える」という国の方針に、なんとも言えない気持ちになりますね。

自動車税の使い道

Q:自動車税は何に使われているのですか?
A:道路整備や道路に関することに使われていますし、その他のことにも使われています。自動車税なのに自動車以外の他のことにも使っているので問題視もされています。

自動車税は、かつて道路のインフラ整備のために使う道路特定財源としての目的税でしたが、2009年に道路特定財源が廃止され使い道が決められていない「普通税」となりました。

元々は道路環境が整っていない道路整備のための税金でしたが、道路環境が整った今でも税金は徴収され、さらには自動車税として納めているにも関わらず、道路以外にも使われている税金となってしまいました。

自動車税は、車が贅沢品だった時代に作られた税金とも言われています。確かに生活保護を受けるためには車は贅沢品として考えられていますが、住んでいる地域によって車は生活必需品とも言えます。

自動車税は道路関係に使われ、余った財源は他のことに使われる普通税なんだそうですが、余っているなら自動車税を安くしてもらいたい、または自動車を廃止してほしいと自動車業界の多くの人が思っているようです。

トヨタの豊田章男社長は、「日本の自動車の税金は世界一高いレベルで米国の31倍。軽自動車レベルにするべき」と国に要望書を出し、税制改正に取り組んでいます。

自動車税の納付時期

Q:自動車税の納付時期を教えて下さい。
A:自動車税は毎年5月に納税します。5月初めに都道府県(または市町村)から手紙が届きます。5月末までが支払期日です。

5月初めに都道府県または市町村から「自動車納税通知書」が届きます。

自動車税の納期限は5月31日です。期限内に払いましょう。

自動車税の支払方法

Q:自動車税の支払方法はどこでできますか?
A:支払方法は、銀行やコンビニ、パソコンやスマホからでもできます。

自動車税が納付できるのは、納税通知書の裏面に記載されている金融機関、コンビニ、自動車税事務所、県税事務所でできます。パソコンやスマホからインターネットを利用したクレジットカード納付やスマホ決済での納付もできます。

コンビニや金融機関に行ったついでに納税するのもいいですし、忙しい方はインターネットからクレジットカードで納税するのも良いと思います。

PayPayやLINE Payを利用する方は、納税通知書のバーコードをスキャンして読み取って支払う方法もあります。

現金で納付する場合

自動車税は、自動車税納税通知書の裏面に記載されている金融機関やコンビニで支払いできます。自動車税事務所や県税事務所でも納税可能です。

  • 金融機関
  • コンビニ
  • ドラッグストア、スーパー(一部)
  • 自動車税事務所
  • 県税事務所
  • 市役所・町村役場(一部)

ドラッグストアやスーパーでも、公共料金・税金支払サービスとして自動車税の支払いを受け付けてくれるところがあります。

Pay-easy(ペイジー)で納付する場合

Pay-easyはあまり聞かないかもしれませんが、電子決済サービスのことで金融機関のATMやネットバンキングで支払う方法です。

  • ATM
  • ネットバンキング

金融機関で納税する場合には窓口で手続しますが、Pay-easyを使う場合には、金融機関のATMやネットバンキングから納税できます。

手続はとても簡単です。

※画像引用元:Pay-easy公式ホームページ

納税通知書を持参して、金融機関のATMメニューのPay-easyマークを選択して納税通知書等に記載の番号を入力するだけです。支払いには現金またはキャッシュカードが使えます。

なお、コンビニに設置されている共用ATMではPay-easyは使えません。ファミマに設置されているゆうちょ銀行ATMならPay-easyが使えます。

クレジットカードで納付する場合

自動車税は、パソコンやスマホを使ってクレジットカードで納税することもできます。

Yahoo!公金支払いは税金や公共料金の支払いがクレジットカードでできるサイトです。

以前は多くの都道府県がYahoo!公金支払いに対応していましたが、各都道府県で独自のクレジットカード納付サイトを持つようになりました。

例えば関東では、茨城県、栃木県、群馬県がYahoo!公金支払いで納税できますが、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、山梨県は各都県独自の納税サイトで支払いするようになっています。

納税サイト

クレジットカードでの納税は、決済手数料がかかります。

パソコンやスマホでいつでも納付できるメリットとクレジットカードのポイントがつくメリットはありますが、決済手数料がかかってしまうデメリットもあります。

「クレジットカードの付与ポイント>決済手数料」となる場合にはお得ですので、よく計算してから利用することをおすすめします。

PayPay、LINE Pay、au Pay、PayBで納付する場合

スマホアプリを使って自動車税を納税することもできます。PayPayやLINE Payなどの請求書支払いに対応している自治体が利用できます。

登録した金融機関の口座から直接支払う形になります。手数料はかかりません。

現金で支払う以外の方法で支払った場合には、納税証明書が発行されません。納税確認の電子化によって車検時に納税証明書を提示しなくてもよいことになっていますが、納税の確認ができるまでに数日かかります。納税証明書が必要な場合には、コンビニや銀行等で支払いましょう。

自動車税の払い忘れ

Q:期限を過ぎてから払い忘れに気づきました。どうすればいいですか?
A:自動車税は納期限を過ぎたらコンビニ払いができなくなります。金融機関や自動車税事務所では支払できます。

自動車税の支払期限が過ぎた場合には、コンビニやクレジットカード、Pay-easy、PayPayやLINE Payなどで支払うことができなくなってしまいます。

金融機関や自動車税事務所、県税事務所等では支払いできますので、自動車税納税通知書を持参して行きましょう。

Q:自動車税を払わないとどうなりますか?
A:期日までに払わないと延滞金が発生します。自動車税を納めていない車は車検に通りません。

自動車税の納期限を過ぎた場合には、納期限の翌日から延滞金が発生し、納付日までの日数に応じた延滞金と自動車税を一緒に納める必要があります。

納期限を過ぎた翌日から延滞金が発生してしまうことに驚くかもしれませんが、1,000円未満の端数は切り捨てとなりますので、督促状が届いてから支払っても延滞金の支払いがないことがほとんどです。

自動車税はいつまで滞納できる?」と思っている人も多いですが、延滞金が1,000円未満の間は滞納しても問題ないとも言えます。何日滞納すると1,000円以上の延滞金が発生するかは自動車税の金額(排気量)によって変わります。

しかし、延滞して20日以内に「督促状」が届き、それでも支払わないと「催告書」が届き、さらに無視していると「差し押さえ予告通知書」が届いて、最後には給与や自動車等の「差し押さえ」が行われます。

自動車の納税は義務ですので、期日を守って支払うようにしましょう。

我が家の自動車税の総額

我が家は車を3台所有しています。1台は私が運転する用、他に夫の通勤用とプライベート用に2台あります。

種別 自動車税
【私】1,200cc 34,500円
【夫】4,490cc(13年経過) 87,900円
【夫】660cc 10,800円
合計 133,200円

自動車税の総額は、なんと133,200円!?驚きの数字です。4,490ccの車は13年以上経過しているので、本来なら76,500円のところが約15%重課で87,900円になります。

ちなみにですが、私の車の自動車税は家計からで、夫の4,490ccの車は家計と夫の半分ずつ、軽自動車は夫が出すことで折り合いをつけています。

車購入の際には購入価格や車の大きさ、ローンの月々返済額などに目がいくと思いますが、購入後の税金についても考えた上で購入することをおすすめします。

自動車重量税とは

続いて自動車重量税について聞いてみました。

Q:自動車重量税とは何ですか?
A:車検の時に払う税金です。自動車の重さによって税金が違い、重い車ほど支払う税金が高くなります。また、環境にいい車はエコカー減税で免除または減額されます。

自動車重量税は、新車登録時と車検毎に支払う税金です。自動車の重量で税金額が決まっています。

車検の時に自動車重量税を支払っていることは知っていても、新車購入の際に支払っていることを知らずに購入している方も多いと思います。

※画像引用元:ソニー損保

自動車重量税は1年ごとにかかるもので、新車登録の際に3年分、あとは車検毎に2年分をまとめて払っています。

自動車重量税の金額

自動車重量税は、新車新規登録時と車検時の金額が違います。車両の重量は車検証の右上辺りに「車両重量」で記載されています。

上記の画像の場合には、車両重量が1,260kgとなります。

新車新規登録時

基準を満60%以上満たしているエコカーは免税で0円です。

車両重量 エコカー50%減 エコカー25%減 エコカー外
0.5t以下 3,700円 5,600円 12,300円
~1t 7,500円 11,200円 24,600円
~1.5t 11,200円 16,800円 36,900円
~2t 15,000円 22,500円 49,200円
~2.5t 18,700円 28,100円 61,500円
~3t 22,500円 33,700円 73,800円

車検時

新車新規登録で免税を受けた電気自動車と、令和12年度燃費基準を120%以上達成している車は初回継続検査が免税となります。

車両重量 エコカー(本則税率) 13年未満 13年経過 18年経過
0.5t以下 5,000円 8,200円 11,400円 12,600円
~1t 10,000円 16,400円 22,800円 25,200円
~1.5t 15,000円 24,600円 34,200円 37,800円
~2t 20,000円 32,800円 45,600円 50,400円
~2.5t 25,000円 41,000円 57,000円 63,000円
~3t 30,000円 49,200円 68,400円 75,600円

自動車重量税は、車両重量の重さに比例して高くなります。

また、表を見て頂くとわかるように、13年経過で税率が上がり、18年経過するとさらに上がります。

私の車の車両重量は1,260kgなので、13年未満の自動車重量税は24,600円で、13年経過すると34,200円、18年経過した時には37,800円になります。

自動車重量税は13年経過、18年経過でさらに上がる

A:自動車重量税は決まった額ですが、13年経過した車は税率が上がります。18年経過するとさらに上がります。
Q:ここでも13年と決まりがあるのですね。13年経過の車は実際に環境に悪いのでしょうか?
A:車の寿命は10年と言われています。猶予をもって13年と決まっています。実際に古い車ほど排出する温室効果ガスが多く、環境に悪いことは確かです。「13年経過で税率が上がるような車は環境に悪いので乗り換えましょう!」と国が勧めています。

自動車重量税も自動車税と同じく13年経過で税率が上がります。

二酸化炭素排出量は環境問題に大きく関係していますので、みんなで取り組まないことにはどうにもなりません。

全国地球温暖化防止活動推進センターによると、2018年の世界各国の温室効果ガス排出量は、1位が中国、2位がアメリカ、3位がインド、4位がロシア、5位が日本とのことです。

日本が上位に入っている状況からわかるように、日本は環境問題にもっと取り組まなくてはならないことがわかりますね。

自動車重量税がいくらか知りたい場合には、国土交通省の自動車重量税額照会サービスを使うと簡単にわかります。

自動車重量税の使い道

Q:自動車重量税はなぜ払わないといけないのでしょうか?
A:自動車重量税も自動車税と同じように、道路整備のために徴収しています。重い車ほど道路を凹ませることが考えられ、税金が高くなっています。

自動車重量税も道路整備のために必要な税金です。

ただし、自動車重量税も自動車税のように目的税ではなく普通税ですので、道路整備以外にも使われていることが問題視されています。

エコカー減税とは

Q:よく耳にするエコカー減税とは何ですか?
A:エコカー減税とは、環境にいい車の自動車重量税を免税・軽減する措置です。

エコカー減税(自動車重量税)
排出ガス性能及び燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて自動車重量税を免税・軽減

※引用元:国土交通省ホームページ

自動車重量税は車両の重さによってかかる税金ですが、燃費性能や排出ガス性能の良いエコカーは、免税または軽減となります。

エコカー減税はいつまで続くのかと焦って購入した方もいると思いますが、まだ延長されています。2021年5月からはより高い水準が基準となり、達成度に応じて免除または減税になります。

2021年4月30日までに新車新規登録

エコカー減税 初回車検 2回目車検
電気自動車等 免税 免税
2020年度基準+90%達成 免税 免税
2020年度基準+50%達成 免税
2020年度基準+40%達成 免税
2020年度基準+30%達成 50%減税
2020年度基準+20%達成 50%減税
2020年度基準+10%達成 25%減税
2020年度基準達成 25%減税

※電気自動車等とは、電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車、クリーンディーゼル車を指し、2020年度排出ガス基準50%低減達成車または2005年排出ガス基準75%以上低減達成車(★★★★)に限ります。

2021年5月1日から2023年4月30日までに新車新規登録

エコカー減税 初回車検 2回目車検
電気自動車等 免税 免税
2030年度基準120%以上達成 免税 免税
2030年度基準100%達成 免税
2030年度基準90%達成 免税
2030年度基準85%達成 50%減税
2030年度基準80%達成 50%減税
2030年度基準75%達成 50%減税
2030年度基準70%達成 25%減税
2030年度基準60%達成 25%減税
2030年度基準60%未満 エコカー減税対象外 エコカー減税対象外
Q:基準をクリアした車は自動車重量税がお得になるのですか?
A:環境に優しいエコカーは減税になりお得です。ただし、国の定める基準がものすごく高いので、ハイグレードな車が対象でガソリン車のほとんどは対象外となります。

自動車取得税は2019年10月から環境性能割に

以前は自動車取得時に「自動車取得税」がかかっていましたが、消費税が10%に引き上げられた時に廃止され、新たに「環境性能割」という名称の税が導入されました。

環境性能割のポイント
  • 自動車取得税は環境性能割に名称変更
  • 自動車購入時に課される税金
  • 環境性能に応じて税率0~3%
  • 電気自動車は非課税(0%)
  • 環境負荷の小さい自動車の普及を促進

環境性能割と聞くとなんだか割引があるように感じますが、正式には「自動車税環境性能割」で、自動車を取得する際に課される税金ということは変わりません。

環境性能割は、環境に優しく燃費のいいクルマほど税が軽減される仕組みになっています。

環境性能割の税率は、環境への負荷に応じて自家用車が0~3%、軽自動車は0~2%となっています。環境に優しい電気自動車は非課税です。

消費税増税と新型コロナの影響による負担軽減として、2021年12月31日まで1%軽減される臨時的軽減措置がありましたが、現在は通常の税率となっています。

環境性能割の税率

2023年3月31日までに新車登録をした場合の環境性能割の税率です。

燃費基準達成度 環境性能割
電気自動車等 免税
クリーンディーゼル車 免税(2020年度基準達成車)
2030年度基準120%達成 免税
2030年度基準100%達成 免税
2030年度基準90%達成 免税
2030年度基準85%達成 免税
2030年度基準80%達成 1%
2030年度基準75%達成 1%
2030年度基準70%達成 2%
2030年度基準60%達成 2%
2030年度基準60%未満 3%

軽自動車については少し異なります。

軽自動車 環境性能割
電気自動車等 免税
2030年度基準75%達成 免税
2030年度基準70%達成 1%
2030年度基準60%達成 1%
2030年度基準55%達成 2%
2030年度基準55%未満 2%

自動車取得税は「環境性能割」という名前に変更され、環境に優しい車は取得税が免除または減税されます。

エコカーを免税・減税することで、エコカーの普及を促進することが目的です。

日本の車の税金は高い

Q:日本は車の税金が高いですね。海外でもこんなに高いのでしょうか?今後税金が下がる可能性はありますか?
A:日本は海外に比べると車の税金がとても高いです。トヨタの豊田章男社長が政府に要望書を出しましたが、豊田氏をもっても変わらないという現状です。日本自動車連盟(JAF)でも毎年要望書を提出しています。

車を所有している方は、なぜこんなに税金が高いのかと感じると思います。

日本の自動車税は、海外に比べて高くアメリカと比較すると31倍もの高い税金を払っています。ちなみに、欧米では日本のような自動車重量税を課している国はありません。

日本の車の税金
  • 日本は自動車にかかる税金が高い
  • 欧米諸国に比べて約2.3~31倍の税金
  • 自動車税と自動車重量税の二重課税
  • 当分の間税率
  • ガソリン税に消費税が課税

自動車重量税は、先進国に比べて日本の道路整備が遅れていた1971年に、自動車使用者に道路整備の負担をということで創設された税金です。道路整備のための税金徴収なのに、2009年度の税制改正で使い道を限定しない一般財源となりました。

自動車重量税の税率は、財源不足から暫定的に本則の約2.5倍の税率となっていましたが、2010年の税制改正で「当分の間税率」として引き継がれています。

そもそも「自動車税=自動車排気量にかかる税」「自動車重量税=車両重量にかかる税」で、同じような税金を二重に課税されていることに疑問です。

日本では、ガソリン税にも消費税が課税されています。「税に税が課税?」となんとも理解しがたい税負担です。

自動車ユーザーに対して、税金の種類をたくさん作って税金負担させているだけではないかと感じますね。

多くの人が自動車税の税率や使い道についておかしいとわかっていても、何年も変わらず、さらに古い車の所有者は重課されている状況です。

日本の財政状況を見る限り今後自動車にかかる税が減額される可能性は低いでしょう。環境に悪いからともっと税金が上がる可能性や、違うネーミングで税金が課される可能性の方が高いかもしれません。

日本では毎年自動車税を納め、自動車重量税は車検ごとに支払わなければならない決まりがあります。自動車購入時には車両価格の他に、納付すべき税金も考えることをおすすめします。