小規模企業者や個人経営の方は、商工会や商工会議所の加入を考えるのではないでしょうか。

美容室経営をしている私の弟も、商工会議所に加入して、経営相談や融資(マル経融資)を受けたことがあります。

「商工会」と「商工会議所」は、入会するとメリットがあるため、多くの事業者が加入しています。

このページでは、商工会と商工会議所について、事業内容、加入のメリット・デメリットなどをご紹介します。

商工会議所と商工会

商工会議所や商工会は、地域ごとにある中小企業や個人事業主を支援する組織です。その地域で事業を行う者が入会でき、経営相談や融資相談等ができます。

ポイント
  • 地域ごとにある中小企業や個人事業主を支援する組織
  • その地域の事業者が加入できる
  • 経営相談や融資相談などができる

商工会や商工会議所は、中小企業、小規模企業、個人事業主、個人経営者などの経営をサポートしてくれる団体です。

「昭和」なイメージがありますが、実際に設立されたのは昭和で古くからある組織です。

商工会や商工会議所と聞くと「おじさん」をイメージするかもしれませんが、その地域で事業を行っている方が加入できますので、20代、30代の方もいますし、女性の会員もいます。

商工会・商工会議所では、事業を営む方のために「金融・税務・経営・労務」などの相談・指導や、「共済・年金・保険制度」の取扱、「健康診断・レクレーション」などの福利厚生事業を行って、商工業者の経営改善に役立っています。また、まちづくりや地域振興のために「商店街の活動支援・地域産業おこしのイベント」などを行い、地域社会を豊かにする活動をしています。

※引用元:岡山市ホームページ

商工会は、地域の事業者が業種に関わりなく会員となって、お互いの事業の発展や地域の発展のために総合的な活動を行う団体です。

※引用元:全国商工会連合会

商工会議所や商工会に加入する一番のメリットは経営相談です。創業・起業・独立の相談やサポートをしてもらえますし、資金調達で融資や補助金の斡旋もしてもらえます。

また、会員同士の交流会もあるので、地域の事業者と繋がることができます。

商工会や商工会議所は、地域のお祭やイベントなどを運営している姿を見かけるのではないでしょうか。自治体の広報誌で、商工会に加入しているお店や事業のPRも見かけますね。

商工会議所と商工会の違い

商工会議所と商工会は、どちらも中小企業者・小規模企業者の支援を目的としている団体ですが別組織(団体)です。

区分 商工会 商工会議所
根拠法 商工会法 商工会議所法
管轄 経済産業省【中小企業庁】 経済産業省【経済産業政策局】
地区 主に町村区域 市の区域
設置数 1,679 515
会員数 78万(2020年4月現在) 122万(2021年4月現在)
会員の小規模事業者の割合 約9割 約8割
事業内容 地域の総合経済団体。経営改善普及事業など小規模事業施策に重点。 地域の総合経済団体として中小企業支援事業、原産地証明、商事紛争などの国際的な活動。

商工会は主に町村の区域にあるのに対して、商工会議所は市にあります。ただし「市=商工会議所」というわけではなく、市町村の合併などで市に商工会がある場合もあります。

ポイント
  • 商工会と商工会議所は管轄地域が異なる
  • 管轄地域で事業を行っている人が加入できる
  • 基本理念は事業者の支援でどちらも同じ

事業内容はどちらも事業者の支援ですが、商工会は主に小規模事業の経営支援で、商工会議所は中小企業の経営支援だけでなく、貿易証明や検定事業、国際的な活動など幅広い業務を行っています。

管轄地域が異なる

ひとつの市に商工会と商工会議所の2つの団体が設置されていることがあります。どちらに加入すればいいか迷う方もいるかもしれません。

商工会や商工会議所は管轄区域が違いますので、事業やお店が立地している場所によって必然と商工会か商工会議所のどちらかが決まります。

例えば、栃木県宇都宮市には、「宇都宮商工会議所」と「うつのみや市商工会」の2つがあります。

宇都宮市(河内町・上河内町が合併)の場合

栃木県宇都宮市 管轄区域
宇都宮商工会議所 宇都宮市内(旧河内町・旧上河内町を除く)
うつのみや市商工会 旧河内町地域・旧上河内町

うつのみや市商工会に入会できるのは旧河内町地域と旧上河内町地域に事業所がある方で、宇都宮商工会議所に入会できるのは旧河内町と旧上河内町を除く宇都宮市内で営業をしている事業者です。

特別会員として市外の方でも入会はできますが、基本的には管轄区域の商工会議所または商工会に入会する仕組みになっています。

※特別会員の場合には、マル経融資などの一部のサービスが利用できません。

商工会議所の事業内容

商工会議所の主な事業内容を紹介します。

事業内容
  • 行政への要望・意見活動
  • 経営相談・事業資金の斡旋
  • 講習会・セミナー開催
  • 共済・福利厚生
  • 検定試験
  • 共済・保険制度の取次、加入手続
  • 貿易証明書の発給
  • 労働保険の事務代行

行政への要望・意見活動

  • 地域や業界の抱えている意見や要望を国・県・市などの行政や関係機関へ提言活動

経営相談・事業資金の斡旋

  • 経営指導員による経営指導(金融相談・税務相談・労務相談等)
  • マル経融資、国や市の融資を紹介・斡旋

講習会・セミナー開催

  • 経営に役立つ講習会や講演会を開催
  • 新入社員研修、新商品開発、販売促進、創業等のセミナーを開催

検定試験

  • 簿記、珠算、販売士、日商PC、日商プログラミング、日商ビジネス英語、電子会計実務、ビジネスキーボード等の検定試験を実施

共済・保険制度の取次、加入手続

  • 企業の福利厚生やリスク管理を共済制度や保険で支援
  • 小規模企業共済、倒産防止共済、中小企業退職金共済、業務災害保障、退職金積立制度、休業補償制度、中小企業PL保険等の加入手続

貿易証明書の発給

  • 輸出取引に必要な「原産地証明」など貿易関係証明書を発給

労働保険の事務代行

  • 従業員の労災保険・雇用保険の届出事務代行

商工会議所の事業内容は、小規模企業者への支援が2割程度で、その他に行政や関係機関への提言活動、検定試験、貿易関係証明書の発給など幅広い事業を行っています。

商工会の事業内容

商工会の事業内容を紹介します。(商工会によっては実施していない事業もあります。)

事業内容
  • 経営相談・支援
  • 税務相談・経理指導
  • 金融相談・斡旋
  • 取引、販路開拓支援
  • 労務相談
  • 連鎖倒産防止相談
  • 分野別専門家派遣(エキスパートバンク事業)

経営相談・支援

  • 経営指導員が経営全般に関するアドバイスをくれる
  • 法律や税金の専門家が相談に応じる

税務相談・経理指導

  • 帳簿の付け方、決算、申告の仕方を丁寧にアドバイス
  • 決算や申告期には税理士が無料の税務相談

金融相談・斡旋

  • 金融や信用保証に関する相談や斡旋
  • 日本政策金融公庫のマル経融資を斡旋

取引、販路開拓支援

  • ネットを活用した企業情報を発信
  • ビジネスチャンスの拡大や地域の活性化

労務相談

  • 社会保険、労務保険、退職金などの相談・アドバイス

連鎖倒産防止相談

  • 経営的に見込みのある企業は再建の方途を講じる
  • 倒産防止が困難な企業は円滑な整理を図る
  • 商工調停士、弁護士、公認会計士、税理士、中小企業診断士など専門スタッフが相談に応じる

分野別専門家派遣(エキスパートバンク事業)

  • 事業者の依頼に応じて弁護士、税理士、公認会計士、弁理士、中小企業診断士、技術士等を無料で派遣

商工会の事業内容は小規模企業者への支援が主で、商工会議所のような行政への提言活動や検定試験などは行っていません。

商工会議所に加入するメリット

商工会議所へ加入するメリットをまとめてみました。

メリット
  • 無料で経営相談ができる(経営指導員による相談)
  • 税理士・司法書士・社会保険労務士・弁護士・弁理士等の専門家に相談できる
  • マル経融資や他の融資を斡旋してもらえる
  • 会員交流で人脈が広がる、ビジネスチャンスにつながる
  • 事業をPRしてもらえる
  • 資格検定やセミナーでスキルアップできる

一番のメリットは、無料で経営相談ができることです。

相談に乗ってくれるのは法定経営指導員といって、中小企業診断士や税理士・公認会計士等の資格を保有していたり、商工業の指導や経営実務があるなど、経営に関する専門的な知識が豊富な指導員です。

創業、資金繰り、経営改善、節税対策、融資制度の紹介などなど、経営について専門家がアドバイスとサポートをしてくれます。

事業資金の借入をしたい場合には、マル経融資、県や市の融資などの公的融資や、商工会議所とつながりのある金融機関の融資を紹介してもらえます。

会員同士の交流会は自由参加ですが、参加すると同業種だけでなく異業種の人とも交流できて人脈が広がります。地域の人とつながることで、ビジネスチャンスにもなります。

商工会議所推薦のマル経融資が利用できる

日本政策金融公庫にはマル経融資といって事業資金を借入できる制度がありますが、マル経融資の申込は商工会議所または商工会の推薦が必要です。

マル経融資
  • 日本公庫のマル経融資は商工会議所または商工会を通じて申込できる融資制度
  • 低金利・保証人不要
  • 融資限度額は2,000万円まで

事業資金の借入先として、公的機関の日本政策金融公庫を考える方は多いと思います。

日本金融公庫のマル経融資は、商工会議所または商工会の推薦がないと申込できません。

マル経融資は融資なので審査がありますが、商工会議所では審査に通るように書類作成の指導をしてくれます。

広報・PR活動してくれる

商工会議所の会員になると、広報・PR活動をしてもらえます。

PR活動
  • 会員広報誌・メディア・WEB等でPRしてくれる
  • 有料と無料がある

PRの種類によって有料、無料のものがあります。有料のものでも、個人でPRするよりお得な金額でできます。

名古屋商工会議所の場合

PRの種類 PR料
メールマガジンで情報発信 無料
ホームページ作成 無料
メディア直行便 無料
名商プレスリリースサポートサービス 有料
会報誌の会員ボード 無料
会報誌広告チラシ封入サービス 有料
会報誌巻末広告 有料

例えば名古屋商工会議所の会員になると、上記のようなPR活動をしてもらえます。会員広報誌やメールマガジン等で情報発信をすることで、より多くの人にPRできて売上促進につながります。

PR活動の内容や料金は商工会議所によって異なります。会員になると「広告を掲載してPRしませんか?」と声がかかることもあります。

商工会議所へ加入するデメリット

デメリット
  • 年会費がかかる
    ※ただし年会費は損金または必要経費に算入できる

デメリットは年会費がかかることぐらいです。年会費は商工会議所によって異なりますし、入会金がかかるところもあります。

商工会議所 個人 法人
千葉商工会議所 9,000円~ 15,000円~
岡山商工会議所 12,000円~ 18,000円~
長崎商工会議所 12,000円~ 12,000円~
仙台商工会議所 15,000円~ 25,000円~
松山商工会議所 12,000円 15,000円
和歌山商工会議所 15,000円~ 20,000円~
姫路商工会議所 5,000円~ 10,000円~

参考までにいくつかの商工会議所の年会費を載せましたが、年会費は資本金の規模によって異なるとしているところがほとんどです。

ただし商工会議所の年会費や入会金は、全額損金または必要経費に算入できますので節税対策になります。

商工会加入のメリット

メリット
  • 経営相談ができる
  • 税務・経理相談ができる
  • マル経融資や県・市の融資等を斡旋してもらえる
  • 人脈が広がる、地域の人とつながる
  • 地域商品券が使えるお店になれる
  • 講演会・講習会・セミナーに参加できる

マル経融資や県・市の融資を斡旋してもらえる

商工会に加入すると、日本政策金融公庫のマル経融資の他に、県や市の融資など紹介・斡旋してもらえます。

マル経融資は商工会や商工会議所の推薦がないと申込できない融資です。低金利な上に無担保・無保証人で融資を受けられるので、資金調達先として第一に考えたい融資です。

岡山県のつくぼ商工会の場合

融資の種類 内容
マル経融資 日本政策金融公庫、無担保・無保証人・低利・最大2,000万円まで
つくぼ商工会独自の利子補給制度 マル経融資半年分の利息の50%を商工会が負担
提携先の銀行の融資制度 中国銀行、トマト銀行、おかやま信用金庫、水島銀行、津山信用金庫、玉島信用金庫、備北信用金庫、吉備信用金庫、日生信用金庫、備前信用金庫、笠岡信用組合

つくぼ商工会では、日本政策金融公庫のマル経融資で融資を受けた場合、半年分の利息(50%)を商工会が負担してくれる利子補給制度があります。

また、岡山県内商工会会員向け特別融資制度によって、商工会の会員であれば提携先の金融機関優遇された条件で融資を受けることができます。

千葉県の鎌ケ谷市商工会の場合

融資の種類 内容
マル経融資 日本政策金融公庫の融資、無担保・無保証人・低利・最大2,000万円まで
千葉県の融資制度 中小企業向け融資制度
鎌ケ谷市の融資制度 融資制度を利用すると市が利子補給

鎌ケ谷市商工会の会員になると、日本金融公庫のマル経融資の他に、千葉県の融資制度や鎌ケ谷市の融資制度を斡旋してもらえます。

鎌ケ谷市の融資制度を利用して融資を受けた場合には、市が利子補給をしてくれるそうです。

茨城県那珂市商工会の場合

融資の種類 内容
マル経融資 日本政策金融公庫の融資、無担保・無保証人・低利・最大2,000万円まで
茨城県の融資制度 中小企業向け融資制度
那珂市の融資制度 融資制度を利用すると市が信用保証料と利子を補助

那珂市商工会では、日本金融公庫、県・市の融資制度を紹介・斡旋してもらえます。

那珂市の融資制度は、市が信用保証料と利子を補助してくれるそうです。

資金繰りに困ったときに個人で金融機関へ行って相談してもなかなか融資はしてもらえませんが、商工会に加入して会員になると信用につながり、融資してくれる金融機関が見つかります。

人脈が広がる、地域の人とつながる

商工会に加入して交流会等に参加すると、会員同士で繋がることができます。会員には様々な業種の方がいますので、同業種だけでなく異業種の方ともつながることができます。

人脈を広げて幅広い業種の人とつながることは、ビジネスチャンスにもなります。

  • 交流会に参加すると人脈が広がる
  • 商工会が開催するイベントや祭りに参加して事業をPRできる
  • 積極的に関わることで地域に仲間ができる

例えば飲食店同士でつながって地元の名物を使った商品をそれぞれが開発し、店頭に同じのぼり旗を出すことで宣伝できますし、店舗の売上アップにもつながります。

会員同士で仲良くなれば何かあったときに心強いですし、刺激にもなります。同じ地域で仲間ができることはとてもいいことですね。

商工会に加入したからといって交流会に参加しなければいけないとか、会員同士仲良くしないといけないわけでもありません。人脈を広げて仕事に繋げたい方はぜひ利用をおすすめします。

地域商品券が使えるお店になれる

地域商品券(プレミアム付商品券)を発行している地域では、商工会の会員になるとその商品券が使える加盟店になれます。

地域限定で使える商品券は、商工会や商工会議所が中心になり地域活性化のために行っています。加盟店になるには商工会の会員になる必要があります。反対に言うと、会員にならなければ地域商品券の加盟店になることはできません。

ふれあい商品券の加盟店になるには

淡路市内に本店がある淡路市商工会員であれば、業種に関わらず、どなたでも加盟店登録いただけます。

※引用元:淡路市商工会

地域商品券は25%から30%のプレミアムが付いているものが多く、大変人気があります。

額面5,000円の商品券が4,000円で購入できたり、額面13,000円の商品券が10,000円で購入できるなど、非常にメリットが大きく抽選販売している地域も多いです。

プレミアム商品券は、利用できる地域や店舗が限られているので、加盟店になると売上アップにつながります。

商工会加入のデメリット

デメリット
  • 会費がかかる
    ※ただし必要経費または損金に算入できる

商工会のデメリットは、会費がかかることぐらいです。

年会費は商工会によって異なりますが、月額数百円~1,000円程度です。従業員数によって会費が変わる商工会もありますし、入会金がかかる商工会もあります。

商工会名 入会金 個人
蓮田市商工会 2,000円 月額700円
狛江市商工会 500円 年額8,000円~
羽曳野市商工会 3,000円 月額750円~
忠岡町商工会 年額12,000円~
宗像市商工会 4,000円 月額1,000円
国分寺市商工会 500円 月額500円~

※法人の場合は会費や入会金が異なります。

会費がかかるといっても、商工会議所よりも金額の設定が安いです。個人の場合、会費は必要経費に、法人の場合は損金に算入できますので、節税対策になります。

商工会議所会員の弟に質問してみた

数年前から商工会議所に加入している弟に、商工会議所について質問してみました。

商工会議所に加入した理由は?

お世話になっている税理士さんが経営のノウハウ等を学べるからと商工会議所への加入をすすめてくれました。

加入して感じたメリットは?

融資、補助金の紹介・斡旋をしてもらえることです。助成金等の申請では書類作成のサポートをしてもらえました。

お店のPRはしてもらえる?

してもらえます!月発行の会報誌の表紙にどうですか?と声がかかりました。

経営相談ではどんなことが相談できる?

私の場合は、運営資金に困ったときに相談して、融資の種類を教えてもらいマル経融資で借入することができました。おかげで今はとても順調に経営できています。マル経融資は商工会議所経由でしか借りられないので、加入して良かったですし、融資の審査に通るように商工会議所で何度も書類作成を指導してくれました。

会員になると定期的な会合とか参加しないといけないの?

私は参加していません。会報誌に案内がありますが参加は自由です。

商工会議所はおじさんがいるイメージだけど実際にどう?

私を担当してくれている職員は20代です。見る限り若い職員が多いですし、会員の皆さんは事業者の方々なので年齢が様々です。

今後も会員を続ける?

今のところ融資や補助金など経営相談ができるメリットを感じているので、今後も会員を続けるつもりです。

弟は資金繰りに困ったときに商工会議所へ初めて行って、融資の相談をすると入会を勧められました。年会費が5,000円ぐらいとの説明だったので、加入して経営指導を受けてマル経融資を受けられることになりました。

小さな事業や個人事業主は、リスクがあるので銀行などの金融機関だとなかなか融資をしてもらえません。商工会議所や商工会に加入すると、日本政策金融公庫のマル経融資に申込できます。

※マル経融資を受けるために、商工会議所や商工会への加入は義務ではありませんが、数カ月間指導を受けたあとに推薦が必要になるので、マル経融資を受ける人のほとんどが加入しています。

商工会議所や商工会と聞くと、会合で集まっているイメージがあるかもしれません。会合は自由参加なので、参加したい方だけ参加すれば大丈夫です。

人脈を広げたい方やビジネスパートナーを探したい場合には、積極的に会合や交流会に参加してみるといいかもしれません。

商工会や商工会議所がおすすめな人

商工会や商工会議所への加入がおすすめな人は以下の通りです。

おすすめ
  • 融資を考えている方
  • 地域のつながりや人脈を広げたい方
  • 地域に事業をPRしたい方

事業の資金繰りに困っている方や、将来的に融資を受けて事業を拡大したい方など、融資を受けたいと考えている方にはおすすめです。

日本政策金融公庫の融資は、一般貸付といって商工会(または商工会議所)に関係なく借入できる貸付がありますが、担保・保証人不要のマル経融資は商工会または商工会議所の推薦がないと利用できません。

比較項目 マル経融資 一般貸付
融資限度額 2,000万円 4,800万円
返済期間 運転資金7年以内
設備資金10年以内
運転資金5年以内
設備資金10年以内
金利
(2022年7月)
1.22% 2.02~2.90%
1.07~2.55%
担保・保証人 不要 要・不要

参考までに日本金融公庫のマル経融資と一般貸付を比較してみました。

融資限度額だけを見ると一般貸付に魅力を感じるかもしれませんが、担保不要で保証人不要、低利を考えるとマル経融資での借入の方がいいのではないでしょうか。

ちなみにですが、商工会や商工会議所を通じて日本金融公庫の一般貸付に申し込むこともできます。高額融資をしてもらいたい場合には、マル経融資より一般貸付の方がより多くの金額を融資してもらえます。

商工会や商工会議所では、どの融資が最適か相談に乗ってくれますし、申請する場合には、審査に通るように何度も書類作成を指導してくれます。

加入するならとことん利用する

商工会や商工会議所を検索すると「意味ない」「役に立たない」「メリットがない」等のワードが出てきます。確かに融資が必要ない方や、地域のつながりや人脈が必要ない方にはメリットがないと思います。

必要のある方やメリットを感じる方は、加入すると良いと思います。加入した場合には、会費を払っていることですし、経営相談、講習会・セミナー、交流会等に積極的に参加して、商工会または商工会議所をとことん利用しましょう。

ポイント
  • メリットを感じる方は加入する
  • 加入したらとことん利用する
  • 加入してもメリットを感じなかったら退会する

加入してみて実際にメリットを感じればずっと入っていていいですし、メリットを感じないなら途中で退会すればいいだけです。

退会する場合には、自動引落になっている年会費は払い戻しされないので注意しましょう。

商工会議所または商工会に加入すると、経営相談や経営指導、事業のPR、マル経融資などが受けられるメリットがあります。必要な方は加入して、加入した場合にはとことん利用することをおすすめします。